ゆとり世代
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ゆとり世代(-せだい)は、主に義務教育において、ゆとり教育を受けた世代。
[編集] 概要
ゆとり教育がいつからはじまったかには諸説あるが、加熱する受験競争などへの批判から1970年代には教育にゆとりを求める論議が起こり、1980年度から学習内容、授業時間数の削減を盛り込んだ学習指導要領が施行された。
1992年9月12日から、毎月第2土曜日が休日となる学校週5日制がはじまり、1995年4月22日からは毎月第2土曜日に加え毎月第4土曜日も休校日となり、これらの休日増加や2000年から開始された総合的な学習の時間により、授業時間や授業内容が減少した。さらに、2002年度以降は「指導内容が三割削減」されたとされる学習指導要領が施行されている。
一般的には、1999年の学習指導要領の改正告示をゆとり教育のターニングポイントとする見解が多い。1999年度を基準にすると、当時義務教育を受けていた最も上の世代は1984年生まれとなる。概ね1980年代後半生まれ以降をゆとり世代と扱うことが多いが、1980年代前半生まれを含むこともあり、ゆとり教育がいつ始まったかについては区分が難しいこともあって明確な定義はない。
[編集] 問題点
本来「ゆとり世代」とは、ゆとり教育を受けた世代全体を現す用語として包括的な意味で使用される言葉である。しかしインターネット上のコミュニティーでは、その世代の平均的な学力の低さを引き合いに出し、蔑視の意味で使用されることもあるため、「ゆとり教育はゆとり世代が自ら選択したものではなく、受容したものであるから、それを引き合いに出して蔑視するのは不当である」という意見としばしば対立している。
また、ゆとり教育に対する批判が多いことから、ゆとり教育の方針は転換されようとしているが、実際にゆとり教育の方針が転換された場合、ゆとり世代とその前後の世代の教育水準に差がつくことが問題視されている。またそうしたことから社会生活において差別的な待遇を受けたり、雇用機会が他の世代より制限されるといったことを懸念する声も出始めている。
[編集] 関連項目
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