アストラギウス銀河
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アストラギウス銀河は、アニメ『装甲騎兵ボトムズ』またその外伝作品『機甲猟兵メロウリンク』(OVA)、『青の騎士ベルゼルガ物語』(小説)の舞台となっている架空の銀河。
外周から中心部まで約13万光年におよぶ渦状銀河で銀河各地に広く人類が分布している。中心部に近い惑星クエントにて超古代文明(クエント文明)が発達。そこから派生した異能者の手により銀河各地の文明が発展し、のちにギルガメス、バララントの二大勢力によって銀河は分割統治されるようになる。ギルガメスとバララントはさらなる領土獲得を目論んで衝突を起こしておりそれが数度にわたる銀河大戦へと進展し、多くの生命を失い、また多くの惑星を居住不可能な不毛の惑星へと変えている。特に第三次銀河大戦は、これまでの大戦とは比較にならないほど激しい戦いが百年も続いた事から、「百年戦争」と呼ばれている。また、人型機動兵器である『アーマード・トルーパー』(AT)が初めて実戦に投入されており、各地で凄惨な戦いが繰り広げられた。この銀河の人類の大半は、汎銀河的宗教結社マーティアルの教義を信奉しており、その影響下にある。
[編集] 主な惑星・星系
- メルキア
- ギルガメス連合の現首星。連合に加盟して日が浅い惑星だが、AT開発の功績で一躍主星となる。百年戦争では、人口の4分の3が犠牲になったと言われる。シリーズTVの「ウド」、「クメン編」、OVA「ザ・ラストレッドショルダー」、「ビッグバトル」等の舞台。
- ギルガメス
- ギルガメス連合の初代首星。百年戦争開戦後間もなく、バララントの攻撃で消滅。
- ビシュティマ
- ギルガメス連合の2代目首星。百年戦争中期にバララントの惑星間ミサイルで消滅。
- レクスティア
- 百年戦争最大の艦隊戦、レクスティア星域会戦が行われた星系。両軍合わせて十数万隻に及ぶ史上最大の艦隊決戦はギルガメスの勝利に終わる。有力な将官を数多く失ったバララントは、首星陥落に匹敵する損害を被った。
- プラセイオス
- ギルガメスの大規模な欺瞞工作であるプラセイオス作戦の舞台となった惑星。惑星そのものは百年戦争初期にバララントの攻撃で居住不能となっている。集結したバララント艦隊を巻き込んで消滅した。
- オドン
- レッドショルダー部隊の秘密訓練基地があった辺境の惑星。大気には有毒ガスが含まれており、大量に散布されたチャフと妨害電波の為に衛星軌道上から地上を走査する事が不可能になっている。OVA「野望のルーツ」の舞台。
- ミヨイテ・オロム・パルミス・ギャオワ
- いずれも百年戦争の激戦地となった惑星。これらの惑星にはレッドショルダー部隊が投入され、大きな戦果を挙げている。ミヨイテはOVA「機甲猟兵メロウリンク」における「プランバンドール・スキャンダル」が起こった舞台でもある。
- バラン
- バララント同盟の首星。ただし、首都機能の大半が軌道上にある小惑星ミノ-タスに移されている。
- ミノ-タス
- 惑星バランの衛星。小惑星を改造した移動要塞になっており、バララントの首都機能の全てが存在する。
- サンサ
- 不可侵宙域にある不毛の惑星。バララントの補給基地があった惑星だが、3度に及ぶギルガメスとの戦いの末、草木一本生えない不毛の地となる。3度目の戦いの時にはレッドショルダー部隊が投入されている。TVシリーズ「サンサ編」、OVA「野望のルーツ」の舞台。
- クエント
- 不可侵宙域にある砂漠の惑星。アストラギウス銀河最初の文明であるクエント文明が発達した惑星である。“砂粒一つ一つに銀河の謎が秘められている”と言われている。名の由来は現地の言葉で“谷の底”。優秀な傭兵であるクエント傭兵と高性能コンピューター素子であるクエント素子が有名である。地下の古代遺跡は7210年代においても稼動しており、惑星の近くで戦闘行動を行ったり、みだりに遺跡に触れたりする者を容赦なく消滅させる。7214年8月のクエント事変でワイズマンが死亡すると、惑星自爆装置によって消滅した。TVシリーズ「クエント編」の舞台。
- アンティテーツ
- 不可侵宙域にある中立惑星。アストラギウス銀河最大の銀行であるアンティテーツ銀行が存在し、ギルガメス、バララント双方の外交窓口が置かれている。百年戦争の休戦条約であるアンティテーツ条約が結ばれた他、クエント事変の際には両国代表による星雲会議が開催されるなど、数多くの外交交渉が行われてきた。ちなみにアンティテーツ銀行は「たとえ法皇勅令であっても、お客様の財産の秘密を厳守する。」をモットーとしており、マーティアルの法皇であっても口が出せない。
- ジアゴノ
- 汎銀河的宗教結社マーティアルの総本山、聖地アレギウムがある惑星。銀河標準暦や度量衡、アストラーダ語などは全てジアゴノが起源とされている。周辺宙域はギルガメス、バララント双方の艦隊によって鉄壁のガードが敷かれている。7247年、キリコ・キュービーがフィアナを取り戻す為に聖地を襲撃するアレギウム騒乱が勃発する。教団は総力を挙げてキリコの迎撃を試みるも失敗、しかも次世代の兵士と呼ばれた“ネクスタント”までもが敗北するという結果に終わる。この事件によりマーティアルの権威は大いに失墜した。OVA『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』の舞台。
- ヒューラ
- ギルガメス連合に属していた惑星。百年戦争末期の7211年にバララントによる爆撃で崩壊するが、ヒューラ方面軍は宇宙要塞ミューセックを拠点に軍そのものが国家として機能していた。また優秀なATの生産国としても有名。第4次銀河大戦下の7245年2月27日に軍内部においてクーデターが発生し、反乱軍側の勝利に終わっている。クーデター終結後も新政権はギルガメス連合への加盟を継続していたが、半年後に一方的にギルガメス連合からの離脱と永世中立を宣言。これに対して連合内部からの激しい反発が起こるが、兵器の輸出を条件に和解し永世中立国となる。
- マナウラ
- ギルガメス連合に属する惑星。辺境に位置しているが、交易の要衝として重要な惑星であったため度々戦火に見舞われ、第4次銀河大戦においても激戦地となっている。衛星軌道上にコンプラントと呼ばれる工場群が存在し、キリコはここで覚醒した。またマーティアルの第9セクターが存在している。OVA『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』の舞台。