アンジェリークシリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンジェリークシリーズ(あんじぇりーくしりーず)は、コーエーから発売されている女性向け恋愛シミュレーションゲーム、『アンジェリーク』及びそこから派生した関連ゲーム、グッズの総称。
登場人物についてはアンジェリークシリーズの登場人物を参照のこと。(『ネオ アンジェリーク』の登場人物についてはゲーム記事の方を参照のこと。)
目次 |
[編集] 概要
女性向け恋愛シミュレーションゲーム市場を開拓したシリーズで、コーエーの女性向けゲーム開発チーム、ルビー・パーティが開発したネオロマンスシリーズ第1作目。 アンジェリーカー、略してリーカーと呼ばれる熱狂的ファンを生み出した。
2004年で10周年を迎えたが、キャラクタ増加と設定追加・変更という流れでシリーズが続けられてきたため、新展開を望むファンも多く、その意見を汲んでか2006年3月4日、プレイステーション2にて、登場キャラクターと声優を一新した新作『ネオ アンジェリーク』が発売された。
シリーズ全体を通してキャラクターデザインを行っているのは由羅カイリ。(『スウィートアンジェ』のみ桂崎新子。)その華やかでありながら上品でノーブルな絵柄はゲームのロマンティックな世界観を効果的に表現している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ゲーム
[編集] 恋愛シミュレーション
- アンジェリーク
- シリーズ1作目。普通の女子高生、アンジェリーク・リモージュが宇宙の女王の後継者候補となり、女王に仕える9人の守護聖たちの力を借りて女王を目指す。『アンジェリークSpecial』、『アンジェリーク デュエット』はいずれも『アンジェリーク』と同内容のゲーム。詳細については『アンジェリーク』を参照のこと。
- アンジェリークSpecial2
- シリーズ2作目。1作目のヒロイン、アンジェリーク・リモージュが女王となった宇宙に住むアンジェリーク・コレットが別の宇宙の女王候補に選ばれ女王を目指す。男性キャラクターは前作の9人の守護聖に3人の教官と3人の協力者が加わっている。
- アンジェリーク トロワ
- シリーズ3作目。2作目のヒロイン、アンジェリーク・コレットが主人公。突如現れた謎の霧に包まれ、異界にさらわれたアンジェリークたちは助けを求める謎の人物、エルダを解放する為、異界の荒れた大地を育成することになる。男性キャラクターは前作の15人に加えて隠しキャラ1名が加わっている。
- アンジェリーク エトワール
- シリーズ4作目。1作目のヒロイン、アンジェリーク・リモージュが女王となった神鳥の宇宙に住むエンジュが主人公。アンジェリーク・リモージュ女王、神鳥の宇宙の守護聖たち、聖獣の宇宙のアンジェリーク・コレット女王、教官、協力者、謎の剣士の転生、など歴代キャラが総出演し、さらに新キャラ3人が加わって恋愛対象は19人。教官及び協力者が新キャラを加えて聖獣の宇宙の守護聖になるという大規模な設定変更があった。
[編集] ゲームシステム
ゲームごとに多少のばらつきはあるが基本的なゲームシステムは同じである。 エンディングは大きく分けて下記の3つになる。
- 恋愛エンディング - 男性キャラクターとの恋愛成立条件が整った場合
- 女王エンディング - ライバルキャラクターに先んじて(ライバルが存在しない場合は指定期間内に)育成が完了した場合
- その他
プレイヤーの取れる行動は「育成」と「男性キャラクターとの親交を深める」の二つになる。 女王エンディングを迎えたい場合はそれほど問題は無く、育成と男性キャラクターとの付き合いをほどほどに行っていけば迎えることが出来る。 しかし恋愛エンディングを迎えたい場合は細かくバランスを取って行く事が必要となる。 育成に力を入れ、成績が良ければ行動の選択肢が広がり、有利になるが「育成の完了」というゲームの終了条件が早く整ってしまうため男性キャラクターとの恋愛成立条件を整えることが出来なくなる。 男性キャラクターとの親交に力を入れた場合、育成の成績が悪くなり、『アンジェリーク』、『アンジェリークSpecial2』のようにライバルキャラクターが存在する場合はライバルに有利な展開となってしまう。 そのためこの二つの行動をバランスよく行うことが必要となる。 しかし、男性キャラクターと親密になると親愛行動として育成を男性キャラクターが自動で行ってしまうため育成を押さえ目にしないと終盤に育成が早く進んでしまい、恋愛エンディングが成立しそこなうことがある。 また、育成の成績の代わりに男性キャラクター達からの支持率の良し悪しで行動の選択肢が広がる場合もあるのである程度の人数と付き合いを持つ必要がある。 指定期間内に育成が終えられなかった場合はバッドエンドとなる。
[編集] 恋愛アドベンチャー
- ネオ アンジェリーク
- シリーズ5作目。登場するキャラクターが一新されているため、シリーズ5作目というよりアンジェリークの名を受け継いだ完全新作に近いという見方もある。
[編集] RPG
- アンジェリーク 天空の鎮魂歌
- 2作目のヒロイン、アンジェリーク・コレットを主人公としたRPG。RPGというよりは恋愛イベントや各男性キャラクターとのマルチ恋愛エンディングがメイン。ストーリー的には『アンジェリークSpecial2』と『アンジェリーク トロワ』の間に入るエピソードになる。
[編集] ボードゲーム
- ふしぎの国のアンジェリーク
- 1作目のヒロイン、アンジェリーク・リモージュを主人公としたボードゲーム。目的は飛空都市のどこかで開かれる守護聖様のお茶会に参加すること。ボードゲームではあるが恋愛イベントや各男性キャラクターとのマルチ恋愛エンディングがメイン。PC-FX、セガサターン、プレイステーション、ゲームボーイアドバンス、Windows用ソフト。ストーリー的には第1作『アンジェリーク』の女王試験中のエピソードになる。
- 「ふしぎの国のアンジェリーク」スタッフ
-
- キャラクターデザイン:由羅カイリ
- パッケージイラスト:とみながまり
- 音楽:葛生千夏
- アニメーション制作:スタジオライブ
- アニメーション作画監督・演出:近永健一
- 音響制作:アニメイトフィルム(菊池晃一)
- 音響演出:菊池浩巳
- 録音スタジオ:神南スタジオ、スタジオエコー、セントラル録音
- マニュアル本文デザイン:YOINECO-デザイン 小森ネコ
- スウィートアンジェ
- 1作目のヒロイン、2作目のヒロイン、ライバルたち、守護聖、教官、協力者が総登場するパロディ設定のボードゲーム。キャラクターは全員同じ学園の生徒であり、ゲームの目的はお菓子作りで表彰されること。ボードゲームではあるが恋愛イベントや各男性キャラクターとのマルチ恋愛エンディングがメイン。ゲームボーイ用ソフト。なお、本作のみキャラクターデザインは由羅カイリではなく桂崎新子が行っている。
[編集] アニメ
- 恋する天使アンジェリーク~心のめざめる時~
- シリーズ初のTVアニメーション。『アンジェリーク エトワール』の世界をベースとしている。
[編集] ラジオ
- 俊と由里と春菜のPC-FXクラブ(森の湖)
- 「俊と由里と春菜のPC-FXクラブ」内の1コーナー。毎回ルヴァ(関俊彦)がリスナーの悩みに答えていた。文化放送で1996年10月~12月に放送された。パーソナリティは関俊彦、白鳥由里、池澤春菜。
- アンジェリーク ファイアー・ドリーム Paradise
- アンジェリークシリーズ全般を対象としたラジオ番組。アール・エフ・ラジオ日本およびラジオ関西で1999年1月~3月に放送された。パーソナリティは堀内賢雄、子安武人。
- アンジェリーク キス・キス Paradise
- アンジェリークシリーズ全般を対象としたラジオ番組。アール・エフ・ラジオ日本およびラジオ関西で1999年10月~2000年3月に放送された。パーソナリティは堀内賢雄、関俊彦。
- ネオロマンス・Paradise
- ネオロマンスシリーズ全般を対象としたラジオ番組。アール・エフ・ラジオ日本およびラジオ関西で2001年10月~2002年4月に放送された。パーソナリティは堀内賢雄、三木眞一郎。
- 恋する天使アンジェリーク~スウィート・パラダイス~
- TVアニメ『恋する天使アンジェリーク~心のめざめる時~』の関連インターネットラジオ番組。ランティスウェブラジオで2006年4月から放送中。パーソナリティは堀内賢雄、浪川大輔。
- ネオロマンス・ライヴ HOT! 10 Count down Radio
- ネオロマンスシリーズの楽曲をランキング形式で紹介しているインターネットラジオ番組。ランティスウェブラジオで2006年10月から放送中。パーソナリティは岩田光央、谷山紀章、2HEARTS。
[編集] こぼれ話
[編集] アンジェリーカーとPC-FX
『アンジェリーク』はそもそもスーパーファミコンソフトとして開発されたため音声は付加されていなかった。 しかし、当時既にプレイステーションやセガサターンがメジャーなゲーム機であったことやアンジェリークのドラマCDの出来が良かったことなどからファンの間では32bit機への移植が早いうちから希望されていた。 その要望を受けて開発されたのが初めての音声付ソフト『アンジェリークSpecial』であったが最初の移植先はマイナー機であるNECホームエレクトロニクスのPC-FXであった。(移植先がPC-FXであったのはコーエーがそれまでの歴史シミュレーションゲームの制作を通じてNECホームエレクトロニクスと強いつながりがあった為ではないかと言われている)
大半のファンはPC-FXの存在そのものを知らなかったが国民的ゲーム機であったファミコン、スーパーファミコンはともかくとしてそれ以外のゲーム機を所持していないものが多く、「アンジェリークが出来るなら」とPC-FX機の購入に踏み切るものは珍しくなかった。 その後も「アンジェリークの新作はまずPC-FX版で発売される」という原則が崩れることが無かった(『アンジェリークSpecial2』、『ふしぎの国のアンジェリーク』、『アンジェリーク 天空の鎮魂歌』はいずれもPC-FX版が最初である)ことや、当時としては数少なかった女性向け恋愛シミュレーションゲームの『アルバレアの乙女』がPC-FXのラインナップに入っていたことから、PC-FX機のユーザーの何割かは確実にアンジェリーカーが占めていたものと思われる。