アンヘル・カブレラ
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アンヘル・カブレラ(Ángel Cabrera, 1969年9月12日 - )は、アルゼンチン・コルドバ出身のプロゴルファーである。身長183cm、体重95kgの大きな身体から繰り出す飛距離を最大の持ち味とする選手で、「アヒル」を意味する“El Pato”(エル・パト)というニックネームで呼ばれている。プロゴルフ界でも屈指の“飛ばし屋”タイプのひとりとして知られ、ヨーロッパ・ゴルフツアーの「ドライバー平均飛距離」で1位をマークしてきた。これまでにヨーロッパ・ゴルフツアーで通算3勝、国際試合で11勝を挙げている。世界ランキング自己最高位は9位。ゴルフメジャー大会の主な成績は、2001年全米オープン7位、2006年マスターズ8位、2006年全英オープン7位などがある。
カブレラは10歳の時から、故郷のコルドバにある「コルドバ・ゴルフクラブ」でキャディを始めた。1989年にプロ入りし、1996年からヨーロッパ・ゴルフツアーに参戦を開始する。2000年12月、世界ゴルフ選手権シリーズに組み込まれた「EMCワールドカップ」がアルゼンチン・ブエノスアイレスにある「ブエノスアイレス・ゴルフクラブ」で開かれ、カブレラは先輩選手のエドゥアルド・ロメロとコンビを組んで出場したが、アメリカのタイガー・ウッズとデビッド・デュバルのコンビに敗れて2位に終わった。2001年4月1日、カブレラは地元の「アルゼンチン・オープン」でツアー初優勝を果たし、その勢いに乗って翌週のマスターズに乗り込んだ。初出場でいきなりマスターズの優勝争いに加わったが、最終日にスコアを崩して 8 アンダーパー(-8, 280ストローク)の10位タイに終わる。2002年5月、「ベンソン・アンド・ヘッジズ・インターナショナル・オープン」で欧州ツアー2勝目を達成。
2005年はアンヘル・カブレラのゴルフ経歴を通じて、最も充実した年となる。5月29日、ヨーロッパ・ゴルフツアーの高額賞金大会の1つである「BMW選手権」で優勝し、ツアーの賞金ランキングで自己最高の5位をマークした。同年9月に行われたアメリカチームと国際選抜チームによる団体戦「プレジデンツカップ」で、カブレラは初めて国際選抜チームの代表選手に選ばれ、出場5試合のうち4試合に勝利を収めた。この後、カブレラは2005年10月2日付で自己最高の世界ランキング9位に躍進し、アルゼンチンのプロゴルファーとして史上初の世界ランキングトップ10入りを果たした。2006年はメジャー大会のマスターズで8位、全英オープンで7位に入っている。
アルゼンチンでは、それまでゴルフはあまり知名度のないスポーツであった。当地のゴルフ選手としては、1967年の全英オープン優勝者となったロベルト・デ・ビセンツォ(Roberto de Vicenzo)が伝説的な存在である。その後、1954年生まれのエドゥアルド・ロメロが1980年代後半からヨーロッパ・ゴルフツアーで息長く活躍し、多くの後輩選手たちを育ててきた。カブレラもロメロから資金面で多大な援助を受けた選手の1人である。
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