インパクトレンチ
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インパクトレンチは工具の一種。ボルトやナットを回す際、手で回すよりも簡単に大きなトルクをかけることができる。インパクトドライバも動作原理は同じあるため、ここで詳述する。
電気や圧縮空気を動力源として内蔵されたモーターを回転させ、同じく内蔵されたハンマーを回転させる。ハンマーはソケットが接続された軸に、回転方向に打撃(インパクト)を与える。この打撃により先端に取り付けられたソケットなどが回転し、ボルトやナットを回すことができる。ソケットが接続された軸は常にインパクトを受けながら回転しているため、大きなトルクをかけることができる。
[編集] インパクトレンチ
一般に軸先端にはソケットなどを接続する差込角が設けられており、通常のソケットレンチと同様に、ソケットやアクセサリーを接続して使用する。
インパクトレンチ用のソケットには専用のものを使用しなければならない。その理由は、通常のソケットやアクセサリーはインパクトレンチの大トルクに耐えられず、破損、めっき剥がれなどの不具合が生じるおそれがあるため。専用のソケットやアクセサリーにはめっき処理が施されず、外形も通常のものより厚く、また柔らかく作られており、大トルクに耐えられるよう設計されている。
また、高速回転するインパクトレンチからソケットが外れて飛散することを防止するため、ピンとリングで差込角とソケットを串刺し状に抜け止めするようになっている。
[編集] インパクトドライバー
一般に軸先端には、電動ドライバーやドリルと同様の、六角軸を差し込んで接続する部分が設けられており、六角軸のビットを接続して使用する。
ビットと本体の接続には、ドリルチャックやワンタッチスリーブ(差込部の外側にロック機構を内蔵したスリーブが設けられ、引っ張るだけでビットが脱着できる機構)が使用されている。 ビットには二面幅5mm、6.35mm、8mmなどのものが用いられるが、利便性や国内での流通性から、6.35mmのものが圧倒的に多く使用されている。また、使用されるビットには、プラス・マイナスドライバービットやソケットビット(後端に六角軸が付いたソケット)がある。
最近では、インパクトドライバーに電動ドライバー・ドリルの機能(打撃を与えない・クラッチ機構など)や、振動ドリルの機能を備えた商品も販売されている。 なお、電動ドライバー・ドリル用のドリル錐をインパクトドライバーに使用すると、簡単に折れる可能性があるため非常に危険である。