Wikipedia‐ノート:ウィキプロジェクト ギリシア神話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
目次 |
[編集] 固有名詞等の表記
固有名詞等について、わたしとしては、記事名などは、最低限で、長音と短音を区別した表記のものに変えたく考えます。天空は、ウラノスになっているはずですが、記事名そのものを、ウーラノスに変えるのが妥当だと思います。ウラノスはウーラノスへのリダイレクトにするということになります。
これは、ギリシア神話などを正規に扱う西欧古典文学研究では、表記として常識なはずで、ウィキペディアは百科事典であって、子供用の辞典や、誰も分かる「ギリシア神話入門」などの本ではない以上、正確には、「長音が付いている」ということを、記事項目で認識してもらうのが、むしろ百科事典の任務だと思惟します。長音表記は、一般に流布しているギリシア神話に関する本では、ほとんど使われていませんが、この場合は、「本来、長音」であるというのが重要だと思いますし、「正式名称」は、長音を含んだ表記です。正式名称は、長音・単音を区別しているというのは自明というか、確立された事実で、一般向けの書籍では、「通用名」や「読みやすい名」で表記しているので、それらが正式名だという根拠はどこにもありません。多数の人が、アテネ女神を「アテネ」だと思っていても、これは正式にはアテーネーです。「アテネ」で検索すると、「アテーネー」にリダイレクトで飛ぶのは「おかしい」という意見もあるかも知れませんが、「アテーネー」が正式な名です。
これはそれほど極端な話ではありません。最近、イスラム関係やアラブ・ペルシア関係の記事が造られていますが、数日前にも、「新着」に選ばれた記事は、「アーヤトッラー」です。しかし、こんな表記だと知っている人はそれこそほとんどいない訳で、普通は、アヤトラと考えています。アヤトラは、アーヤトッラーへのリダイレクトになっています。エジプトのナセル大統領は、この名で日本語で定着していますが、これもリダイレクトで、正式記事名は、ガマール・アブドゥン=ナーセルです。どう考えてもこんな名で検索する人はいないので、ナセルでリダイレクトとなっているのですが、記事名は、ガマール・アブドゥン=ナーセルです。これに較べれば、アテネがリダイレクトで、飛んでみると、アテーネーだったというのは、それほど驚きでもありません。
従って、長音・短音を明瞭に区別した名を正式な記事名とするのが妥当だと思います。ただ、「なぜ、アテネはアテーネーなのか、不自然だ、一般に使われていない」などの反論が出てくると思います。しかし、リダイレクトを使えば、別に検索に不便はないのであり、むしろ、「アテネ」だと思っていたのが、実は「アテーネー」がより正式だという「知識」を提供する役割を果たすことになります。百科事典は、世のなかに流布している誤解や、慣用的短縮表現が、正式なものではないという情報も提示する義務があると考えます。
ただ、この方針は、このウィキプロジェクトに参加する人がもっと多くなり、少なくとも十人ぐらいはいないと、「勝手にガイドラインを決めた」というようなことにもなりかねません。根拠は、「正式名称」として相応しいのは、どういう基準かということだと思います。その場合、慣習的に、人口に膾炙しているという理由は、リダイレクトを造る必要の理由にはなりますが、正式名称の決定理由にはなりません。
この方針が成立するなら、次は、本文中での呼称もまた、長音表記を含んだ正式なものに変えるという方針があります。こちらはしかし膨大な手間がかかると思います。しかし、「長音を含んだ正式名称は、妥当である」という方針で、徐々に訂正してゆくことが望めると思います。省略表現も排除しないという方針で、長期的に正式名に変えて行くのがよいと思います。
日本語は、古代ギリシア語の発音にもっとも近い発音を復元できる稀有な言語であり、「正式名称」を導入する必然があるとも云えますし、それが比較的に他の言語に較べて容易な言語です。
--Maris stella 2006年9月7日 (木) 07:36 (UTC)
- これまでギリシア神話の登場人物記事をいくつか書きましたが、名前の表記はウィキペディアで既出のものに合わせました。これについてこだわりはありませんので、プロジェクトで決まれば、表記修正をするつもりでいます。
- 私が執筆時に参照しているカール・ケレーニイ『ギリシアの神話』(「神々の時代」・「英雄の時代」、高橋英夫訳、中央公論社)とロバート・グレーヴス『ギリシア神話』(上・下、高杉一郎訳、紀伊國屋書店)、およびアポロドーロス『ギリシア神話』(高津春繁訳、岩波文庫)を当たってみたところ、アテナとエウロパの表記は索引では次のとおりです。
- ケレーニイ『ギリシアの神話』 アテーナー(アテーネー)、エウローペー
- グレーヴス『ギリシア神話』 アテーナー、エウローペー
- アポロドーロス『ギリシア神話』 アテーナー、エウローペー
- これからすると、エウローペーは同一結果ですが、アテナはアテーネーよりアテーナーがより有力かと思います。アテーナーとアテーネーの差異がなぜ生じるかまでは調べていません。
- また、これらの訳者あとがきを見ると、ケレーニイを訳した高橋英夫は「神名・地名など固有名詞の表記は、若干の慣用化したものを別として、なるべく原音に近づける方針をとった」とし、その際、主として高津春繁『ギリシア・ローマ神話』(岩波書店)、呉茂一『ギリシア神話』(新潮社)に依拠したと述べています。グレーヴスを訳した高杉一郎は、神々の名前の表記はすべて高津春繁『ギリシア・ローマ神話』(岩波書店)に準じたとしています。高津春繁訳のアポロドーロス『ギリシア神話』では言及がありませんでしたが、高津氏は前2作が準拠している『ギリシア・ローマ神話』の著者なので、当然ながら原音主義をとっています。あと、いま手元にないので確認できていませんが、ちくま文庫の「ギリシア悲劇」シリーズも原音主義をとっていたと思います。
- このように、手持ちの関係書籍は原音主義をとっており、それぞれこの分野の代表的著作だと思いますので、ギリシア神話および古典関連の記事においてはこれらに準じて長(母?)音表記を含めた原音主義をとることに賛成します。同時に、すでに「ギリシア」表記については合意(Wikipedia:記事名の付け方/ギリシャとギリシア)ができており、このことは専門書籍の傾向とも整合すると考えます(「ギリシア」が原音主義かどうかは置いておく)。
- ただし、私は項目名については基本的に通用性・汎用性をより重視する立場なので、この場で原音主義の合意ができたとしても、ギリシア神話や古典関係でない一般的項目についてまで原音主義を広げたり、拘泥することには反対します。--みっち 2006年9月8日 (金) 01:58 (UTC)
- 賛成です。あまり知識があるわけではありませんが、Wikipedia全般の傾向を考えてもよいことだと思います。
- 移動させて長音化+リダイレクト化と項目内の長音表記(と一般的な単音の付記)であれば問題ないと思います。
- あと、これは直接関係ないですが、項目名のフォーマットがけっこうまちまちな気がします。別にこのプジェクト内で草案を検討したほうがいいかもしれません。M-Falcon ( talk / hist ) 2006年9月8日 (金) 02:53 (UTC)
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- こんにちは。「ウィキプロジェクト ギリシア神話」は当然ながら「ギリシア神話」関係記事でのスタイル等のガイドラインなどを決めるので、ギリシア神話関係の人物・事件・生物・その他の記事には、プロジェクトのガイドラインが適用されますが、一般の記事で、アテネと書いているのを、アテーネーと書く理由はないと思います。「アテーナー」と「アテーネー」の違いは方言の差だと思います。アテーナーがアッティカ方言で、アテーネーがイオニア方言ではないかと思います(手元に資料がないので確認していませんが。逆かも知れません。方言で言葉に差があります。女性名詞は、「-ee(η)」と「-aa(α)」の二つがあることがあります。「-a」の場合もあります)。--Maris stella 2006年9月8日 (金) 03:07 (UTC)
- 一般書が長音を省く理由は、「煩瑣」だからです(西村賀子『ギリシア神話』中公新書、2005年。「はじめに」参照)。馴染みのない表記というのは読みづらく、いちいち引っかかり、出てくるだびに一瞬止まって脳内変換を繰り返す必要があります。違和感を受けながら読みすすむのは苦痛ですし、イライラしてきて途中で断念することもあるでしょう。しかし、これも慣れの問題で、ウィキペディアの記事を書こうと思っていろいろと調べていくとそのうちに、長音付きの名称の方がしっくりくるようになって、省略形が物足りなく感じさえしてきます。ですから、執筆者の立場から考えると、長音付きの方がやりやすいと思います。一方、読者の立場から考えてみると、例えば、一般書では物足りず、もっと深く知りたいという人にとっては、長音付きの方が喜ばれるように思います。しかし、テレビやマンガなどで軽く触れる程度で出てきたのでそれについてもうちょっと知りたいと思ったとか、子どもの頃に読んだ曖昧な記憶について確認したいといったような目的の場合には、古典ギリシア語でどう読むかなんてことは雑ネタの1つにすぎず、1文で説明があれば十分でしょう。軽く調べたいという人にとっては、長音付き表記が繰り返されるのは苦痛だろうな、と思います。ですから、読者対象としてどういう人を想定するのか、というのも検討課題の1つのように思います。
- 私自身は、迷っています。というのも、ウィキペディア日本語版の現状を考えると、まずは、読みやすさよりも、記事内容の充実の方を優先した方が良いのではないかとも思えるからです。そのためには、専門的知識のある執筆者にとって書きやすい、あるいは、書きたいという意欲がわく表記法を採用した方が良いのではないか、と。下手をすれば、読者切り捨ての、書き手の自己満足という批判を受ける危険性のある考え方なので、決断がつきかねているわけですが…。--oxhop 2006年9月8日 (金) 14:37 (UTC)
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- こんにちは、Oxhop さん。煩瑣であるというか、読みづらいというのはよく分かります。西欧古典文学では、ギリシア語とラテン語の固有名詞について(とりわけ人名について)、正式に書く場合、ギリシア語は長母音フル表記にしますが、ラテン語の人名は、長母音を省きます。(無論、学術論文などでは、正しい表記が必要になりますし、学者はどこが長母音か知っていなければなりません)。ラテン語の人名などの長母音を省くのは、ラテン語は「長母音」と「短母音」を正確に音の持続時間で区別して分けている訳ではなく、古典時代にすでに強弱アクセントであり、また「アクセント位置」が固定しているという事情があります。固定しているというより、単語ごとに「固有のアクセント位置」が決まっていません。ラテン語では、「後ろから二番目の音節」にアクセントが来ます。これに対し古典ギリシア語は、各単語が固有のアクセント位置を持っており、屈折変化で語尾が変化すると、それに応じてアクセントの位置や種類が変わって来るという特徴があり、また、長母音はほぼ正確に短母音の二倍の時間、音が持続します。そして強弱アクセントではなく、高低アクセントです。
- そう云ったことは、一般読者には、別に説明する必要がないことだとも云えます。しかし、「読みやすいような表記」というのは、ある意味で誤魔化しでもあり、「決まった形」がある訳ではないのです。「読みやすいように」本の筆者などが、勝手に長母音を短母音化しているか、または長母音があるのが本来の形だという認識もない人まで本を書いています。コレー、クーロス、コレ、クロスを見ると分かりますが、コレーとクーロスで記事が造られています。これは長母音を表記しているのですが、ある意味でご都合主義になっています。百科事典で、記事名は、一般的に使用されているものか、正式な名称が要請されます。この場合、「一般的に使用されている」というのは、長母音を省略した短母音の形のものが多いのですが、では必ずそうかというと、先の「コレー」と「クーロス」がそうなのですが、クーロスと書くような例があります。フェーブスで検索すると、太陽神フェーブスから由来したと書かれています。これは、Phoibos の変形で Phoebus ができ、これを英語やドイツ語で読むと、「フェーブス・フェーバス」になるのです。ヘルダーリンの作品が「ヒュペリーオン」となっていますが、これは普通ドイツ文学では「ヒューペリオン」と呼ぶはずです。説明や例が少ないですが、外国人の固有名や単語を日本語で表記しようとすると、幾つもの表記可能性が出てきて、一つにまとまりません。ギリシア神話の固有名等は、「慣用的に短く表記する」というのは確かにありますが、全部、短母音にするのかというと、そうではない訳で、場合場合で、長母音で表記する例が色々あります。
- ウィキペディアは百科事典であり、ギリシア神話入門書ではない訳です(しかも、こういう風な書物の場合、固有名詞の表記については、著者の恣意に任されています……何故なら、長母音表記の正式な西洋古典文学の事典などでは、すべて長母音表記になっており、短母音表記の名前を系統的に並べた本は、それ自体が、作者の恣意になっているので、「長母音を付けた正式な名称」以外だと、「読みやすい名」に関し、「基準がない」のが実情だからです。「クーロス」は、「クロス」にすると、十字のクロスと区別が付きにくいのでクーロスにするというのなら、基準が出鱈目になります)。名前に関し、一貫性を持った表記基準は、古代ギリシア語の場合、ほぼ一対一で、カタカナに写せるという特徴があります。百科事典は、典拠となるものです。典拠となるものだからこそ、「独自の研究・調査」を排し、「検証可能性」を基準にし、「典拠あるものの記述」を前提にします。ギリシア神話の固有名等のカタカナ表記で、典拠たるべきもの、ギリシア神話に関し、本を書こうという人が典拠とするのは、日本語だと、岩波書店の高津春繁の『ギリシア・ローマ神話辞典』になります。これ以外の本の記載は、典拠にはならないとも云えます。結局、二者択一しかなく、短母音表記を取れば、表記が「恣意的」になります。記事を造る人ごとで、参照にした本や、その他の資料から引いて出すと、それは一般によく見るものであっても、実は恣意的なのです。ティタン、タイタン、ティーターン、チタン……ユークリッド、エウクレイデス、プラトン、プラトーン、タレス、ターレス、タレース、アリストテレス、アリストテレース、ソクラテス、ソクラテース、ソークラテース、ホメロス、ホメーロス、ホーマー……リダイレクトの作り方の問題かも知れませんが、少なくとも、恣意的だといえるでしょう。基準がないため、恣意的となるのはやむを得ませんが、古代ギリシア語は、元々幾つかの呼び方がある場合はともかく、カタカナに正確に転写できます。記事としては、
- わたしは、「φ」の子音を、パ行(pa行)で表現するので、西洋古典文学では、「アフロディーテー」ですが、それは「φ→f」という方向で了承します。しかし、上のように、正式な名(複数あるので、それらも並記する)と、「日本語での慣用名(複数ある場合は、複数並記)」を明確に記し、「記事名は正式な名の長母音表記にし、日本語での慣用名は、そのように明記する」というのが原則だと思います。本文のなかでは、正式な表記と、慣用表記の混用でよいと思います(すべて正式表記にすると、長い記事だと、うんざりしてくるというのは事実です。逆に、一般にはありませんが、古代ギリシア語の詩とか文章を発音するとき、長母音を正式に発音しないと、そちらの方が不自然です)。--Maris stella 2006年9月11日 (月) 02:55 (UTC)
- こんにちはMaris stellaさん。長いので要約すると、「古典ギリシア語の発音に忠実なカナ表記」基準を採用すれば、そういう方針で書かれている資料1冊を見ればOKなのに対して、「原則として長音省略」基準を採用すると、何を例外とするのかが資料によってまちまちなので複数の資料を調べてどれが「一般的」なのかを決める必要があって面倒である、ということですよね。これも書き手の側のメリットですね。
- 表記にどちらを採用するにしても、冒頭部において「一般大衆向けには○○と表記されるが、古典ギリシア語の発音に忠実なカナ表記は□□であり、専門書では後者を使う。」という趣旨の一文は必須です。つまり、どちらを採用しても、この情報は提供される必要があるし、それで十分役目は果たしていると思います。
- 補足です。「正式には、□□である」という書き方は、なぜそれが「正式」なのかが分からないので避けるべきと思います。
- 規則性のない異表記の混在は、最も読みづらいと思います(長音付きに馴染みのある人にとっても、長音抜きに馴染みのある人にとっても)。上記の表記のバリエーションを説明する場合や、引用、参考文献などは別ですが、ギリシア神話に関連する記事内ではできるだけ統一させるべきです。--oxhop 2006年9月11日 (月) 14:54 (UTC)、補足--oxhop 2006年9月11日 (月) 15:14 (UTC)
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- こんにちは。「正式な名」とはここで書いていることで、記事のなかではそういう風には書きません(書くと、「なぜ正式な名なのか、と云ってくる人がいるからです)。記事の冒頭の書き方は上で見本を示しています。「日本での慣用名」は長いので、「慣用名」だけでもよいと思います。もう一度書くと:
- こんな感じで、「アプロディーテー」が正式名と書く必要はありません。この後にローマ神話での対応する女神の名(ウェヌスですが)を書いたり、その慣用名(ヴィーナス、または、ビーナス)を書いておくのがよいかも知れません。記述のフォーマットとして、名前に関する情報で一つの段落にし、実際の記述は、再度、段落を変えて、「アプロディーテー女神は、……」という風にするのがよいかも知れません。色々付属情報が並んだ後で、「……(長く続く)……は、……」となると、主語との関係が遠くなりすぎます。「正式名」とは、西洋古典文学ではそうですが、一般にだと、色々な意見があるでしょうから、記事には書かないということです。
- 混用は、混用を推奨しているのではなく、混用もやむを得ないという話です。記事を書く人にとって楽なのは、長母音を含んだ名前ではなく、やはり慣用の名を使った場合です。ギリシア神話の記事は、たくさん別の神や英雄や、動物や、あれこれ固有のものが出てきます。それらも一々長母音で書いていると、非常に難しくなります。よほどの専門家か好きな人ならできるかも知れませんが普通は無理だと思います。わたしもそんなに詳しい訳ではないので、できません。辞書で確認しつつということになります。--Maris stella 2006年9月12日 (火) 08:50 (UTC)
ちょっと遅くなり申し訳ありません。Maris stellaさんと私の意見の相違は、基本的に、Maris stellaさんが書く人で、私が読む人であるからからもしれません。正確・正式なものを提供しよう、既存の百科事典や一般向けの辞典類とは違うものを提供しようというのは素晴らしいことだと思いますが、それに伴い生じるマイナス点は解消すべきであるし、これを利用する人たちにはいろいろなニーズがあるわけですから、もう少しその点に対する配慮をお願いします。例えば、中学生の子が「アポロン」について調べたいと思って検索ボックスに「アポロン」と入力して表示ボタンを押します。すると「アポローン」に飛ばされます。「慣用名」は「アポロン」と書いてあるのでそれが目的の記事に間違いないということは分かります。しかし、その部分以外は全て「アポローン」と書いてありますので、なぜなんだろうと疑問に思っても不思議ではありません。Maris stellaさんの案では、その答えがありませんよね。当然のことだと分かる人もいらっしゃるでしょうが、そうでない人もいらっしゃるはずです。やはり、それが古典ギリシア語読みであり、専門家の世界での慣用である点については明記する必要があると思います。--oxhop 2006年9月17日 (日) 12:15 (UTC)
[編集] B案
昨夜ちょっとした思いついたのですが、こんなのはいかがでしょうか?
- メインターゲットとして想定される読者層を第1節と第2節以下とで分けます。
- まず、第1節は、長音省略表記に馴染みのある方で、見出語の神々や英雄などについて大雑把に要点だけ知りたいという読者を主な対象とします。ここでは、どんな本にも書いてある親子関係や主なエピソードを簡潔にまとめます。端的におおまかな経緯と結末を書けばOKです。資料によって矛盾のある部分については省略するか、より広く普及しているバージョンで説明します。ここではカタカナ表記は原則長音省略とします。
- 第2節以降は、メインターゲットとなる読者として、一般書では満足できず、さらに詳しく知りたいという人や「研究者のたまご」レベルの人を想定します。ここでは、エピソードは詳細に言及し、様々なバージョンがある場合は出典を指摘した上で併記します。さらに、それらのエピソードが暗示している点や、特定地方での伝承を取り込んで変容させたといった研究、日本神話など他の神話との類似点での比較対照論といった学者さんの研究成果を紹介します。他に、絵画、彫刻などの美術品への言及などもここでします。第2節以降は、カタカナ表記は長音付です。
- 何の説明もなく、途中でカナ表記が変わるのは不親切なので、目次の横に、テンプレを貼って趣旨説明します。
- 上記の案は、第1節と第2節以降で分けましたが、目次の上下で分けるのもありかもしれません。
出版物であれば出来そうな感じですが、誰でも加筆できるWikiという仕組みの上で、この構造を維持するのは難しいかもしれない(例えば、第1節は簡潔性を求めているのに、こちらばかりが肥大化するとか)とか、思ったりもしますが、どう思いますか?--oxhop 2006年9月12日 (火) 12:56 (UTC)
[編集] プロジェクトの参加者
プロジェクトの参加者が、もっと多くいた方が望ましいです。少なくとも、十人ほどは必要ではないかと思います。ガイドラインを決めるにしても、多くの人の合意であるということは、重みがましますし、上で述べた「正式記事名」は、何重にも合理性を説明できるので、「親しみやすい名」をという意見は、採択できません(一対一にカタカナ転写できる言語であるというのと、典拠においは長母音表記で、慣用的な名は、恣意的な名だということが明白だからです。ただし、記事のなかでの説明の場合、混用で良いと思います。最初に「正式な名」「慣用の表記」を明確にフォーマットで書いておけば、混用しても、読みやすいように混用しているということが明白です)。--Maris stella 2006年9月11日 (月) 02:55 (UTC)
というのはともかく、どなたかプロジェクトに参加願える方がおられれば、声をかけて戴きたくも思います。
- 私の思いつく範囲でShikai shawさん、うゐさん、ゐさん、Charonさんにプロジェクトの案内をしました。--みっち 2006年9月11日 (月) 04:52 (UTC)
-
- みっちさん、早速のこと、有り難うございます。--Maris stella 2006年9月12日 (火) 08:50 (UTC)
[編集] プロジェクトの応援者
遅ればせながらたったいま「ウィキプロジェクト ギリシア神話」の存在を知りました。正式名とか慣用名とかあまり詳しくないので参加して力になることはできませんが、ギリシア神話関連記事は編集こそしないものの以前からしばしば閲覧し、そのたびに記事のスタイルや固有名詞の不統一が気になって「誰か知識も根性もある人が統一してくれないかな」と思っていたので、みなさんにはぜひとも頑張っていただきたく、心より応援申し上げる次第です(ここに書いてよかったのだろうか?)。
>Maris stella氏「プロジェクトの参加者が(…)十人ほどは必要ではないかと思います。」
十二人必要だと思います。--Darkmagus 2006年9月22日 (金) 17:46 (UTC)
[編集] スタブテンプレート
プロジェクトができたので、「ギリシア神話関連項目のスタブテンプレート(スタブカテゴリ)」を造ることが可能です。そんなに大きなものではなく、左手に、パルテノン神殿の絵を出したものを考えています。試作しても構いません。神や女神の像とか絵だと、小さくすると、何の神かよく分からなくなります。ギリシアの壺絵なども良いのですが、「ギリシア神話」というのと感じが違うような気がします。パルテノン神殿だと、アテーナイの守護女神パッラス・アテーネーの神殿ですし、「ギリシア神話」という感じではと思います(ギリシアの観光案内のような感じもしますが)。--Maris stella 2006年9月11日 (月) 02:55 (UTC)
- おお、よいですね。さらにいえば(ギリシア神話の)名前について検討中みたいなテンプレートもあるとよいかもしれません。
- 普通に改名・移動のテンプレートでは論議が各ページにいってしまいますが、あれば適切にプロジェクトに誘導できるかと。M-Falcon ( talk / hist ) 2006年9月11日 (月) 12:46 (UTC)
- スタブテンプレートとスタブカテゴリの名を決めないとならないのですが、スタブカテゴリは、「:Category:ギリシア神話スタブ」が短くてよいと思います。他には、「ギリシア神話のスタブ項目」「ギリシア神話関係のスタブ」などがありますが、長いのではと思います。スタブテンプレートの名としては、「 grmyth-stub 」を考えています。「 greek-stub 」だとギリシア関係のスタブですし、「 myth-stub 」だと神話関係一般のスタブになります。かといって「 greekmyth-stub 」は長いですし。「 g-myth-stub gmyth-stub myth-g-stub mythg-stub ……」などもありますが、神話プロジェクトは今後も他の神話でできる可能性があるので、「 gr 」で二字使った方がよいと思います。意見をお願い致します。--Maris stella 2006年9月12日 (火) 08:50 (UTC)
[編集] サンプル
サンプルを造りました。アイコン画像はパルテノン神殿ですが、別のものに変えることもできますし、現在の画像を修正することもできます。輪郭線と背景色、メッセージが少しだけ違う二つの見本を以下に示します。意見をお願いします(なお、記事に貼ると、記事ページは背景が白なので、現在とは感じが違ったものになります。標準のテンプレートは、輪郭線 #999 で、背景は #f8f8f8 のグレイです。サンプルは、輪郭線・背景とも、青みがかった色を使っています)。--Maris stella 2006年9月12日 (火) 11:21 (UTC)
- サンプルを追加しました。色々と考えられるのです。--Maris stella 2006年9月12日 (火) 15:28 (UTC)
- sample1 55px パルテノン神殿 枠線:#88c 背景:fafafa(薄いグレイ)
この「ウィキプロジェクト ギリシア神話」は、ギリシア神話に関連したスタブです。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。 (WPR:ギリシア神話) |
- sample2 55px パルテノン神殿 枠線:#99f 背景:f8f6ff(薄いブルーグレイ)
この「ウィキプロジェクト ギリシア神話」は、ギリシア神話に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。 |
- sample3 50px パルテノン神殿(強制縮小) 枠線:#999 背景:fcfcfc(薄いグレイ)
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- sample4 55px コインを使った場合(コインは各種あり。金もある) 枠線:#999 背景:fcfcfc(薄いグレイ)
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- sample4-2 55px コインを使った場合(金のコイン。背景は処理可能) 枠線:#999 背景:fcfcfc(薄いグレイ)
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- sample5 55px 皿絵を使った場合(壺絵もこんな感じ) 枠線:#999 背景:fcfcfc(薄いグレイ)
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- sample6 45px 彫刻(キスするエロスとプシュケ) 枠線:#999 背景:fcfcfc(薄いグレイ)
この「ウィキプロジェクト ギリシア神話」は、ギリシア神話に関連したスタブです。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。 (WPR:ギリシア神話) |
- sample7 50px ボッティチェルリの絵の一部(優雅の三女神) 枠線:#999 背景:fcfcfc(薄いグレイ)
この「ウィキプロジェクト ギリシア神話」は、ギリシア神話に関連したスタブです。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。 (WPR:ギリシア神話) |
- sample8 55px アクロポリス(カット可能) 枠線:#999 背景:fcfcfc(薄いグレイ)
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- その他にも色々考えられます。
- 下だと青ばかりなので、上がスッキリして見た目も良いと思います。--oxhop 2006年9月12日 (火) 12:56 (UTC)
- 背景はブルーグレー、アイコンは三女神、文章で「スタブ」より「書きかけ項目」があるといいなと思います。
この「ウィキプロジェクト ギリシア神話」は、ギリシア神話に関連した書きかけの項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。 (WPR:ギリシア神話) |
- テンプレートは機能的で邪魔にならないものがよいと思います。その点では、上のものはどれもいいですね。個人的には、アイコンの絵柄は皿絵か壺絵が好みです。あと「(伝)アガメムノンの仮面」なんかも使えるかもしれませんね。絵画や彫刻などは、後世の作品だと時代的に誤解を招くおそれがあるので避けたい気がします。アクロポリスも「文化遺産」などとの関係が気になる。でも、あんまりこだわりません。--みっち 2006年9月13日 (水) 03:19 (UTC)
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- 西洋にはギリシア神話関係を題材とした絵画が多数ありますが、それらは「使えない」と考えました。ボッティチェルリは比較的に、ポンペイの壁画(これはローマですが)に似た感じもあり、参考で出しました。絵柄としての好みもありますが、「古代ギリシア」「ギリシア神話」という感じがするアイコンが望ましい訳です。なお、パルテノン神殿などは、アイコンの元にした、現在、ギリシア神話のトップに貼っています写真が、コモンズで削除依頼に出されています。AcAcropolis、Deletion Request。しかし、経過からすると、存続になりそうなので使いました。ギリシア政府は、古い法律を持ち出して、考古学的遺物は写真撮影について、著作権が政府にあると主張しているという話で、屋外の普通に見える遺跡写真に著作権などない、というのが「存続」意見の主張のようです。なお、サンプル1,2のパルテノン神殿は、空の青さを画像処理で非常に強調しています。--Maris stella 2006年9月13日 (水) 06:44 (UTC)
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- サンプルを見る限り、一番上か二番目のパルテノン神殿がよさそうに感じました。パンテオンってイメージですしね。図案としては、壺絵や芸術作品の方が優れていると思いますが、スタブ表示のテンプレとして使用した場合は絵がかなり縮小されるので、複雑な絵では目をこらさないと何の絵かわかりにくくなります。でも、最善はスタブを必要としなくなる段階に至ることですね--Charon 2006年9月19日 (火) 12:25 (UTC)
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とりあえず作成してみてはいかがでしょうか。テンプレートの変更はいつでもできますし。--U3002 2006年10月6日 (金) 12:39 (UTC)
[編集] スタブとノーティス
「スタブ・テンプレート」と、それに加えて記事のノートページ最上部に貼る「ノーティス・テンプレート」をともかく造って見ましょう。テンプレートの名前は変更できませんが(リダイレクトで別の名前に転送もできるようですが)、使用画像とか言葉、リンク、横長のボックスの大きさや背景色など、後で編集で変えることができます。ともかく造ってみた方がよいと思いますので、意見をお願い致します。どれがいいとか云っていると決まらないので、とりあえず造るのがよいのではと思います。--Maris stella 2007年1月21日 (日) 21:53 (UTC)
「スタブ・テンプレート」の見本:
文字を小さくし、ボックスの幅も標準の80%から、70%と小さくしています。スタブ・テンプレートが大きすぎると思うからです。なお、実際に記事ページに貼ると、幅が少し大きくなります(背景を白にするため、通常ページよりも狭い箱のなかでの70%になっています)。
- スタブ・テンプレートの名前は、grmyth-stub がよいと思います。gr-myth-stub だと、ハイフンが二つあり、少し煩い感じです。
- サンプル1:編集用リンク付き
この「ウィキプロジェクト ギリシア神話」は、ギリシア神話に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正等して下さる協力者を求めています。(WPR:ギリシア神話) |
- サンプル2:編集用リンクなし
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- スタブ・カテゴリの名前は、「:Category:ギリシア神話のスタブ項目」にする。(「ギリシア神話関連のスタブ項目」では長いと思います)
<includeonly> [[Category:ギリシア神話のスタブ項目|{{{1|{{PAGENAME}}}}}]]</includeonly><noinclude> [[:Category:ギリシア神話のスタブ項目|*]] [[:Category:スタブテンプレート|{{PAGENAME}}]]</noinclude>
「編集用リンク」というのは、そこをクリックするとページの編集画面が出てくるのですが、不要だと思います。
- サンプル2:編集用リンクなし(実際に記事ページに貼ったときの大きさ)
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「ノーティス・テンプレート」の見本(ノート・ページの最上部に貼る)
- サンプル:幅92%。サムネイル画像は、40pxと小型。「ガイドライン」と「指針」には、ガイドラインの文章を載せたサブページを造り、そこに導く。
- このノーティス・テンプレートの名は、grmyth-notice にする。
この「ウィキプロジェクト ギリシア神話」は、ギリシア神話に関連した記事です。プロジェクト・ギリシア神話では、ガイドラインに従って、記事を編集し固有名・カタカナ名等の表記を決めることが合意されています。指針を参照願います。 |
- 意見は、以下にお願いします。
- (賛成)私はヤクモノにはほとんど口を出すことがないのですが、ご提案のテンプレートはデザイン、大きさを含めて十分なもののように感じます。スタブテンプレはサンプル2でよいと思います。また、ノーティス・テンプレに皿絵を採っていただいてありがとうございます。グレーヴスを読むと、神話は古い絵の解釈から生まれてくるケースが多いようで、そういう意味も含んでいる点で好みです。ただ、「ガイドライン」と「指針」が同じページへのリンクになっているので、用語を統一した方がいいかもしれません。--みっち 2007年1月22日 (月) 03:41 (UTC)
- (賛成)図案、文案はこれで異論ありません。編集画面リンクは個人的には不要ですね。ただ、絵の大きさはもう少し大きくてもいいと思います。--Charon 2007年1月22日 (月) 12:57 (UTC)
- (賛成)私も、画像の選択はそれぞれのテンプレートに相応しいと思いますが、大きさは以前の案ぐらいが丁度よいように感じます。それ以外については異議ありません。編集画面リンクについてはどちらでも構いません。--shikai shaw 2007年1月28日 (日) 15:50 (UTC)
わたしも入れて、四人の人の賛成となりましたので、スタブ・テンプレートを作成しました。あと、M-Falconさんも、2月になると時間的余裕ができると仰られていたので、M-Falcon氏の賛成があれば、五人が賛成で、プロジェクトのスタブテンプレートとして公式に登録したく思います(現段階ですでに「合意を得ている」テンプレートですが)。Template:grmyth-stub で見てください。また、三人の古いムーサの記事に実際に貼付してみました。メレテー、アオイデー、ムネーメーです。どうも見た感じ、目立たないような気もします(それがよいのかも知れませんが)。一応、最初なので、標準で使われている大きさで造りました。背景色とか枠線の色とか、またテンプレートの大きさとか、編集で変更できます。賛否意見は、まだ表明されていない方は、上の方で、実際に造ったテンプレートについて、感想・改良案がありましたら、以下でお願いします。--Maris stella 2007年1月29日 (月) 10:37 (UTC)
[編集] ローマ神話との関係
ギリシア・ローマ神話などと並び称されていますが、ローマ神話ははっきり言ってしまえばギリシア神話のパ…借用ですね。惑星や商標などでマルス(マーズ)、メルクリウス(マーキュリー)といった神々の名前が多用されていることもあり、私の中では結構ごっちゃになっています。ギリシア神話の神々の記事中にも、同一神として相当するローマ神話の神の名を冒頭部あたりにもっとはっきり示した方がいいんじゃないでしょうか。--Charon 2006年9月11日 (月) 13:20 (UTC)
- 賛成です。--oxhop 2006年9月11日 (月) 14:54 (UTC)
- ローマ神話は必ずしもギリシア神話を「パ**た訳」でもなく、ギリシア神話から多大な影響を受けて発展したので、神々などで、「対応関係」を造ったというのがあり、最初は対応するとしていたのが、ローマ人や、その後の西欧で混乱した使い方をした結果、紛らわしくなっているので、一応別の神話体系です。ヤヌスとかウェスタは、ローマ神話に固有で、これに対応するギリシ神話の神はありません。ギリシア神話の記事の冒頭に、「古代ギリシアの諸民族に伝わった……」と書いています。これは、ギリシア神話が、古代ギリシア人(ヘレネス)だけの神話ではないからです。先住民の神話や神々が入っており、アポロンなどは、典型的なギリシア神話の神に思えますが、どうもヘレネスの神ではなかったようです。
- また、「通りすがり」とかいうハンドルの人が、「ギリシア神話」のノートに勝手なことを書いて、「典拠」は、「題材とする文学作品」に移したので削っても良いなどと書くので、何を言っているのかと思い、記事名変更の話を書きました。現在の「典拠」というのが節の名前として考えないといけないのかも知れません。「ギリシア神話の成立」という風な題にした方がよいかも知れませんが、こういう題にすると、また膨大な話になってくるので、簡単に「成立」経過を書いたので、「段々出来た来た」のだということです。「オイディプス王」の話はギリシア神話になっていますが、あれは悲劇作者が創作したので、元はあったでしょうが、ああいう詳しい話は存在していなかったのです。
- また、ギリシア神話に最近加筆して、地方の小さな神が、性格の似た大きな神にまとめられる過程と、その大きな神の信仰が、また地方に伝わるというような過程を書きました。ある神について、色々な説があったり、その神が色々なことに関係してくるのは、元は複数の神だったのが一つにまとめたので、複数の神についての話が、一人の神のことになって諸説・諸話があるということにもなります。ローマ神話も、同じように発展して来たので、完全にまとめることはしなかったのですが、アプロディーテーとウェヌスを同じ神だと同定したりしたのです。
- ローマ神話での何の神に対応というように記述し、ローマ神話の神の記事は別個に造るのがよいと思います。リダイレクトにしてもよいですが、本来、別の記事です。(ギリシア神話の神々や固有名詞をラテン語で書いた結果、混乱して来たとも云えます)。--Maris stella 2006年9月12日 (火) 08:50 (UTC)
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- ギリシア神話の神々の記事にローマ神話において対応する神について注記するという点では異論はないようですが、どのような形式でいくかが問題ですね。最初は、定義文の後で「対応するローマ神話の神は……。ギリシア神話と異なり○○の属性を持っている」など数行程度追記する構成を考えましたが、上の方で定義文に慣用的な古称などの注記を定型化しようとの議論があるので、この後に続いて、例えば「……(ローマ神話においては××)」など追記する形も一案としてあり得ます。--Charon 2006年9月13日 (水) 11:26 (UTC)
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- それで、「神」記事の書きぶりについて、現状で定まったものはないわけですが、ひとつには信仰の成立から語っていくという時系列が考えられます。この場合、ローマ神話の場合はさほどの問題はないように見えました。しかし、ギリシア神話の場合、先にローマ神話との対応関係を述べるとすると、後戻りして成立史、後段でもう一度ローマ神話へのつながりに触れるということになります。書き方の工夫次第でこの構成もとれるでしょうが、記事量が十分でない場合など、ちょっと書きにくいと感じる可能性もあると思います。
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- 私としては、現状で対応関係が一応書いてあればよし、としていいかとも思います。もう少し「統一感」を出すのであれば、どの神かでモデルケースを設定して、構成をいろいろ試してみてはどうでしょう。--みっち 2006年9月14日 (木) 05:46 (UTC)
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[編集] 具体例:アプロディーテー
それでは、と上の方に挙げられている案に「ローマ神話における表記」を追加してみたものを二案出します。神名表記は上の議論から、定義文は現在のアプロディテ2006年9月14日 (木) 15:26(JST)の版の冒頭部を合わせたものです。ただし、日本語での慣用形は重複しているのと複数表記があり煩瑣なため、後の方にまわしてみました。他にも何かいい案や修正点などはありませんか?--Charon 2006年9月16日 (土) 13:19 (UTC)
- A案:アプロディーテー(ギリシア語:Αφροδιτη)[別名、アプロディータ]は、愛と美と性を司るギリシア神話の女神でオリュンポス十二神の一柱。また、戦女神としての側面も持つ。日本語ではアフロディテ、アフロディーテーなどとも表記される。ローマ神話におけるウェヌスに相当する。
- B案:アプロディーテー(ギリシア語:Αφροδιτη)[別名、アプロディータ](ローマ神話での神名:ウェヌス)は、愛と美と性を司るギリシア神話の女神でオリュンポス十二神の一柱。また、戦女神としての側面も持つ。日本語ではアフロディテ、アフロディーテーなどとも表記される。
- わたしとしては、一番下に「節」を造り(ただし、外部リンク等の上)、ここで「対応するローマの神」などとして、どの記事でも同じフォーマットにするのがよいのではとも考えていました。この考えは、もしギリシア神話の神などの項目のなかに、対応ローマ神話の神などについても、簡単に触れるには合理的な方法だと思います。しかし、この「節」を造るというのに加えて、「名前のテンプレート」を造るのも有効ではないかとも思います。ウィキペディアのテーブル記法は、どうも慣れないので、次に、html で、神名(あるいは記事名)のテンプレートの例を示します。
アプロディーテー | |
別名 | アプロディータ |
日本語名 | アフロディテ |
アフロディタ | |
ローマ神話名 | ウェヌス(Venus) |
PR:ギリシア神話 |
アプロディーテー(ギリシア語:Αφροδιτη)[別名、アプロディータ]は、愛と美と性を司るギリシア神話の女神でオリュンポス十二神の一柱。また、戦女神としての側面も持つ。日本語名は、アフロディテ、アフロディタで、対応するローマ神話の神は、ウェヌスである。
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- こういう感じではどうかということです。少々、右のテーブルが煩いのと、ギリシア神話の標準テンプレートも貼る必要も考えると、右は開けておいた方がよいのかも知れませんが、一目で分かるとも思います(この名前のテンプレートは、別の場所においてもよいとも思います)。本文でも述べて、テンプレートでも示すのはどうだろうかということです。別名がたくさんある場合とかは、テンプレートを変えないとなりませんが。--Maris stella 2006年9月16日 (土) 16:03 (UTC)
- 追加:Charon さん、スタブテンプレートのアイコンとかどうするのか意見を述べてください。(そんなに急がなくともよいので、時間をかけて考えるということでもよいですが、サンプルを出しすぎた感じもしています)。--Maris stella 2006年9月16日 (土) 16:03 (UTC)
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- 階層構造として、(((アプロディーテー,アフロディテ,アフロディーテー),アプロディータ),ウェヌス)なので、アプロディーテーに近い関係であるべきカナ表記違いが後のほうに来るのは違和感を感じます。また、「(ローマ神話での神名:ウェヌス)」というのは、読者にギリシア神話とローマ神話の関係についての前提知識を要求していて、説明不足かと。あとスタイルの問題ですが、全角記号や、別名以外の部分を強調するのはよくないでしょう。また、ギリシア神話といっているので、あえてギリシア語と断ったり、日本語版であえて日本語と断る必要はないかと。また、ラテン転記もあったほうがいいでしょう。
- --U3002 2006年9月16日 (土) 18:33 (UTC)
別名のアプロディータというのはラテン語形でしょうか。だとしたらギリシア語表記はないですね。--U3002 2006年9月17日 (日) 12:47 (UTC)
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- 長い文章を書きましたが、すべて省略して、簡単に書きます。サッポーの詩に「アプロディーテー讃歌」があります。少し文字が見えないのですが、以下のラインの最後の単語は、Αφροδιτα です。この読み方は、「アプロディタ」「アプロディータ」「アプロディーター」のどれかです。辞典を引かないと分かりません(わたしは「アプロディータ」だと思っていました=Hymn to Aphrodite)。
- Ποικιλόθρον᾽ ὰθάνατ᾽ ᾽Αφροδιτα,
- とまれ、以上のことだけは述べます。ラテン語の名ではないのです(なお、上の形は、主格か呼格で、Αφροδιτη の変化形では、こういう形はありません)。--Maris stella 2006年9月17日 (日) 17:19 (UTC)
- 長い文章を書きましたが、すべて省略して、簡単に書きます。サッポーの詩に「アプロディーテー讃歌」があります。少し文字が見えないのですが、以下のラインの最後の単語は、Αφροδιτα です。この読み方は、「アプロディタ」「アプロディータ」「アプロディーター」のどれかです。辞典を引かないと分かりません(わたしは「アプロディータ」だと思っていました=Hymn to Aphrodite)。
- 階層構造はそうかと思いますが、項目上だったら正式名が先にきて、略称などは後もありかもとおもいます。
- こんなのはどうでしょう。--M-Falcon ( talk / hist ) 2006年9月17日 (日) 09:30 (UTC)
- M-Falconさんの案は強調が少ないので見やすく、スタイルとしても洗練されていて推したい気がします。ギリシア文字は斜体が見やすいですね。あとはCharonさんのA案もよさそうに思います。--みっち 2006年9月19日 (火) 01:06 (UTC)
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- 異称がかなり増えてきたので(上記に加えて、広く使われている英語表記とその日本語転写もあるでしょうし)、テンプレートに逃がして本文での異称列挙は圧縮した方がスマートかもしれないと思いました。テンプレートを使うのなら、歴史人物記事のように血縁関係・神格の属性・主要祭神殿・守護対象などといった周辺情報も入れた方がいいでしょう。--Charon 2006年9月19日 (火) 12:20 (UTC)
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- アプロディーテーの場合は、表記のバリエーションが多いので、それらを列挙しようとするとどうしても冒頭部がゴチャゴチャしてしまいますよね。このようなケースを標準とするならば、右上に表をつくって異表記(ギリシア語のラテン文字転写や英語読みも含む)はそこに移し、本文はスッキリさせるというのも良い案だと思います。一方、Charonさんが挙げた血縁関係などは、表に収まるように簡単に書けないケースも多いことから、節をつくって本文で解説した方がいいと私は思います。
- 「アプロディーテー」も、れっきとした「日本語」です。M-Falconさんの案のように「日本語では○○とも表記される」というのであれば間違いではないです。ただし、「日本語では」はなくてもいいという点に関しては、U3002さんと同意見です。
- 上にも書きましたがお返事をいただけないので再度。「アプロディーテー」が古典ギリシア語の発音を忠実にカナ表記化したものであることを明記することは不可能でしょうか? また、ギリシア語は、古典ギリシア語と現代ギリシア語とでかなり異なるので、ちゃんと書いた方がいいと思います。
--oxhop 2006年9月19日 (火) 14:49 (UTC)
- 細かいですが、「日本語では……」ですが、他の言語でも同様の発音/表記があるなら無くてもいいかもしれません。
- が、日本(語)特有なら、記載しておいたほうがよいかとは思います。
- まあ、その項目を編集されるかたの負担にならない程度に正確であれば問題ないだろうとは思いますので。指針には不要でしょう。 --M-Falcon (talk/hist) 2006年10月6日 (金) 12:59 (UTC)
このあいだにあった、カタカナ名の表記問題議論は、議論が終了しましたので、以下の過去ログに移動しました:
- Wikipedia‐ノート:ウィキプロジェクト ギリシア神話/過去ログ1
- --Maris stella alias Star of Sea 2007年1月17日 (水) 07:44 (UTC)
[編集] 参考書籍
現在、提案している転写規則が実際にどれぐらい使用されているのかと、いま一つ、ガイドラインとして公式化したとき、記事を執筆する人に、どういう書籍の表記を参照にすると、妥当な転写法になるのか示す目的でも、「参考書籍のリスト」を準備する必要があると思います。わたしは目下、色々な本を自由に出せない状態なので、確認できるものが限定されますが、以下に、参考書籍の簡単なリストを挙げます。他の方も、参考書籍を追加して戴ければ幸いです。(できるだけ、高津氏の転写方式の本がよく、そうでない場合は、簡単に説明を加えるのがよいと思います。Hc はハードカヴァーの本、「標準転写」はここで提案している転写ガイドライン準拠です)。--Maris stella 2006年12月10日 (日) 08:42 (UTC)
- 高津春繁 『ギリシア・ローマ神話辞典』 岩波書店 HC(もっとも重要な辞典であるが、現在品切/絶版で、入手困難)。
- アポロドーロス 『ギリシア神話』 岩波文庫 訳者:高津春繁 (入手が容易。また当然、標準転写)。
- ロバート・グレーヴス 『ギリシア神話』 紀伊國屋書店 HC(入手可能。標準転写。ただ、1万円前後して高価)。
- 呉茂一 『ギリシア神話』 新潮社 HC (入手可能。標準転写)。
- 『イーリアス』 岩波文庫 (古い呉茂一訳は標準転写のはず。新しい翻訳は、転写法が確認できない)。
- 『オデュッセイア』 岩波文庫 (同上)
- ヘシオドス 『神統紀』 岩波文庫 (長音を表記しないが、ph はパ行転写。現在入手可能)。
- ヘーシオドス 『仕事と日』 岩波文庫 (標準転写。現在品切れ。入手困難)。
- ケレーニイ 『ギリシアの神話』 中公文庫 (長音表記だが、ph をファ行で転写。現在入手困難)。
- ヒュギーヌス 『ギリシャ神話集』 講談社学術文庫 (標準転写)。
- ……
ヒュギーヌスは、たまたま手元にあったのですが、これ以外にもギリシア神話の本は一杯あります。上に挙げた書籍で、ph をファ行で転写しているのは、ケレーニイの翻訳だけです。また上記の書籍は、『ギリシア・ローマ神話辞典』は少し特殊ですが、それ以外の本は、文庫本が多いことから分かるように、一般向けの本です。(なお、以上は大まかに調べたので、間違いがあるかも知れません。確認願います)。--Maris stella 2006年12月10日 (日) 08:42 (UTC)
私も所有する本をあまり自由に取り出せる環境にないのですが、とりあえず上記と重ならないうちで手元にあったものを並べてみます。
- 高津春繁・斎藤忍随『ギリシア・ローマ古典文学案内』岩波文庫別冊(標準転写)
- アリストパネス『ギリシア喜劇 I・II』 ちくま文庫 訳者代表:高津春繁(長音を表記しないが、ph はパ行転写)
- ブルフィンチ『ギリシア・ローマ神話 付インド・北欧神話』 岩波文庫 訳者:野上弥生子(長音を表記しないが、ph はパ行転写)
- トマス・ブルフィンチ『ギリシア・ローマ神話 上下巻』 角川文庫 訳者:大久保博(標準転写)
- アーサー・コットレル『ヴィジュアル版 世界の神話百科 ギリシア・ローマ/ケルト/北欧』原書房 HC ギリシア・ローマ神話の訳者:松村一男(長音を表記しないが、ph はパ行転写)
野上弥生子訳によるブルフィンチの『ギリシア・ローマ神話』は、元々はローマ神話名の英語表記だったようですが、1953年の改版時に、呉茂一によって現在の表記に修正されました。ただし、ギリシア神話の解説部分でもローマ神話名を使っている所もあり、完全に統一されているとは言えません。一方、大久保博訳では基本的にギリシア神話の標準転写で統一されています(こちらは北欧神話表記に疑問がありますが、ここでは関係ありませんね)。また、アーサー・コットレルの『ヴィジュアル版 世界の神話百科』シリーズはギリシア神話だけを扱った事典ではないため一般性も高いと思いますが、帯に「オルペウスの悲恋」と堂々と記述されています。--shikai shaw 2006年12月18日 (月) 02:35 (UTC)
図書館で調べたものと手持ちの書籍を合わせて表記を調べてみました。図書館では「世界文学」の棚で見たので、他の分野で探せばまだ見つかると思います。この節ですでに紹介のある書籍は重複を避けました。新書・文庫など特記しないものはハードカバー(だったと思います)。パラパラめくった程度で、精査した結果ではありません。また、手持ちの書籍は新しいものでも20年ほど前に購入したものなので、現在の傾向や入手のしやすさについては補足できていません。
- 「標準転写」によるもの
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- 『アイスキュロス・ソポクレス』 高津春繁編、筑摩書房・世界古典文学全集8
- 『エウリピデス』 松平千秋編、筑摩書房・世界古典文学全集9
- 『ギリシア・ラテンの文学』 呉茂一・中村光夫、新潮社版文学案内1
- 『ギリシア喜劇全集』(I - II) 村上堅太郎ほか訳、人文書院
- 『ギリシア悲劇全集』(I - IV) 呉茂一ほか訳、人文書院
- 『ギリシア神話』(「神々の時代」・「英雄の時代」) カール・ケレーニイ著、高橋英夫訳、中央公論社(以下手持ち)
- 『アポローン ギリシア文学散歩』 斎藤忍随、岩波書店
- 『ギリシア神話 テーバイ物語』 R.L,グリーン著、眞方陽子訳、ちくま文庫
- 長音表記の省略があるもの
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- 『男たちのギリシア悲劇』 三枝和子、福武書店 (一部長音を表記している)
- 『ホメロスとヘロドトス』 松平千秋、筑摩書房 (他の文献を引用しており、長音表記もある)
- 『ギリシア・ローマ神話 I』 グスターフ・シュヴァープ著、角信雄訳、白水社 「アルゴー」表記あり
- 『ギリシア叙事詩の誕生』 松本仁助、世界思想社
- 『イソップ寓話集』 山本光雄訳、岩波クラシックス
- 『ホメロス物語 イリアス・オデュッセイア』 森進一、岩波ジュニア新書
- 『ギリシア悲劇』(I - IV) 呉茂一ほか訳、ちくま文庫(上記世界古典文学全集の文庫化。以下手持ち)
- 『ギリシア神話ろまねすく』 創元社編集部編
- 『ギリシア神話小事典』 バーナード・エヴスリン著、小林稔訳、教養文庫 「アンピトリテ」表記あり
- phをファ行転写しているもの
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- 『ホメーロスの諸神賛歌』 沓掛良彦訳註、平凡社 (長音表記)
- 『ギリシア神話を知っていますか』 阿刀田高、新潮社 (長音略)、「アフロディテ」や「オルフェ」表記になっているが、「ギリシア神話ではオルペウスと呼ばれる」との説明がある。以下手持ち。
- 『ギリシア神話の世界観』 藤縄謙三、新潮選書(新書) (長音略)
- 『古代地中海 血ぬられた神話』 森本哲郎編 文春文庫ビジュアル版 (長音略)。「トロヤ」、「テーベ」、「ミケーネ」などの表記あり。どちらかといえば文明史や考古学的見地から述べたもの。
- 特殊なもの
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- 『古代エーゲ・ギリシアの謎』 吉村作治監修、光文社文庫 (長音略) 「アプロディテ」、「ピロクテテス」の一方、「シシュッポス」、「ソフォクレス」もあり。これも考古学的見地からのアプローチ。手持ち。
全体として、専門書やハードカバーを中心とした「固い」系統では「標準転写」が支持されており、これを核としつつ、新書や文庫など周辺に展開されるにつれて可読性のために長音表記を省略する傾向が見て取れました。また長音を省略する場合でも、機械的でなく、読みとの関係で部分的にはあえて表記する場合があります。個人的に、例えばアゲーノール、デーメーテール、オーリーオーンの順に煩雑さが強くなるので、これは理解できます。phのファ行転写は少数で、しかも「ギリシア神話」の文脈ではさらに限定的です。--みっち 2006年12月18日 (月) 03:20 (UTC)
[編集] 痴愚神モリアについて
最近、『痴愚神礼讃』について簡単な記事を書きましたが、本書に登場する痴愚の女神モリアについて疑問が生じました。
モリアはギリシア語で「痴愚」「狂気」などを意味する語であり、エラスムスからトマス・モアに捧げられた序文によれば、エラスムスがトマス・モアの名前から連想して創作した架空神格ということになっています。それで私はエラスムスによる純然たる創作神と思っていましたが、大出晁訳『痴愚礼讃』の凡例によれば、「ギリシア語ではモリアの語に元々は神の意味はなかったが、ローマ時代に入ってから「愚神」として用いられるようになった」とあります。実際のところギリシアなりしローマで「痴愚神」信仰は存在したのでしょうか。あったとすればパンテオン入り?
また、ある人によって「モリアエ」という読みが与えられていますが、こう読めるものですか?
こういう少し突っ込んだ考証となると判断がつきませんので、ご教示願えれば幸いです。--Charon 2006年10月22日 (日) 12:48 (UTC)
- レスポンスが遅くなりました。手持ちの「ギリシア神話」本3種類(アポロドロス、グレーヴス、ケレーニイ)を当たったのですが、モリアもしくはモリアエという固有名詞は見つけられませんでした。仮に神格があったとしても、古代ローマ以降ではないかと思います。--みっち 2006年11月24日 (金) 06:14 (UTC)
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- 造語ではないかと思います。ラテン語に、morus(モールス)という形容詞があります。これはギリシア語起源のようですが、形容詞語幹に、-ia という接尾辞を付けると、抽象名詞が造られます。morvs (morus, -a, -um) というのは、「白痴的・馬鹿な」という意味の形容詞なので、moria(モーリア)は、「白痴性・愚かさ」という意味の女性名詞になります。これを女神に見立てているのではないかと思います。moriae(モーリアイ)は moria の複数形で、こういう風に -ae に終わるのはラテン語で、ギリシア語の複数の場合は、-ai になります。ギリシア語では、μωρος(モーロス)という形で形容詞のようですが、ここからギリシア語名の女神を造ると、複数形が、μωριαι(モーリアイ)になります。多分、ラテン語での造語と考えられます。--Maris stella 2006年11月27日 (月) 23:22 (UTC)
- moriae は、中世・近世のラテン語だと、「モーリエー」で、古典ラテン語だと「モーリアイ」で、古典時代でもすでに古めかしい感じがした古代ラテン語では、「モーリアエ」という発音になるはずです。Julius Caesar は、古代では「ユリウス・カエサル」で、古典時代は「ユリウス・カイサル」で、近世になると、「ユリウス・チェーザル」「ユリウス・セーザル」になります。この「チェーザル」「セーザル」の英語での発音が「セーザー」「シーザー」です(ラテン語は普通、長母音を省略するので、「モリアイ」「モリアエ」とも読めます)。
- なお、ギリシア語だと、モーロスではなく、ヘーシオドスによれば、モロス(μορος)は「死の定め」で、モイライ(運命の女神)などと関係する原初の神です。ニュクス(夜)の一族だということになっています。何か関係があるのかも知れません(ギリシア神話では、人間の色々な特性の原因として抽象名詞を神に見立てたので、「愚かさ」も神になっていたのかも知れません)。--Maris stella 2006年11月27日 (月) 23:22 (UTC)
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- 成程、ラテン語の抽象名詞からの造語でしたか。あつかましいお願いですが、この部分の考察、記事本文にも反映していただけるとありがたいです。(私は参考にした翻訳書の解説の受け売りで、ラテン語だのギリシア語だのには手がつけられませんので)--Charon 2006年12月2日 (土) 08:39 (UTC)
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