ウィリアム・ウォレス (哲学)
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ウィリアム・ウォレス(William Wallace, 1843年5月11日 - 1897年2月18日)はイギリス・スコットランドの哲学者。イギリスにおけるヘーゲル主義者(観念論哲学)としてしられ、イギリス哲学の伝統といえる経験論に対向していった。
スコットランドのファイフシャーの生まれ。大工職の長男として生まれる。16歳から22歳までセントアンドリューズ大学で学び、その後オックスフォード大学ベィヤルカレッジにで、MAを取得。マートンカレッジの大学講師と司書になる。トーマス・ヒル・グリーンの後を受けて、道徳哲学教授となった。講義は、熱心でなおかつ速攻でやるものとして知られ学生からも尊敬されていた。1898年に、不注意から自転車事故で死去。
哲学としては、当時興隆していた新ヘーゲル主義の流れを受けて、ヘーゲルの哲学解釈で知られ、平明でいてなおかつ文学的な翻訳は、現在においても評価は高い。ヘーゲルのエンチュクロペディーの概要も併せられている「論理学」の翻訳(1873年)が主著として知られているほか、カント(1880年)、アルトゥール・ショーペンハウアーの生涯(1892)などがある。