ウィーンの変位則
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ウィーンの変位則(-・のへんいそく、Wien's displacement law)とは、黒体からの輻射のピークの波長が温度に反比例するという法則である。
ここでTは黒体の温度(K)、λmax はピーク波長(m)、0.002898 が比例定数である。CGS単位系では 0.29 cm·K である。
[編集] 例
物体の温度が高ければ、放射される波長は短くなる。例えば、太陽の表面温度 5780 K の場合ピーク波長は 500 nm にある。 白熱電球をみると、温度の低い時、黄色っぽい光になりさらに温度が低い時赤くみえる。
[編集] 導出
ヴィルヘルム・ヴィーンによって発見されたが、プランクの式から導くことができる。.
黒体輻射のプランクの式は
波長λの最大値を求めるために、波長分布 u(λ)をλで偏微分して、0 になる波長を求めればよい。
ここでとすると、
この方程式は解析的には解けないが、ランベルトのW関数を用いて、
- x = W( − 5e − 5) + 5
と表現することができる。これを数値計算すると、x は
となる。x からλを求めると、
となり振動数は
となる。