オルデンブルグ朝
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オルデンブルク朝(Oldenburg)は、1448年から1863年まで続いたデンマークの王朝である。支流のホルシュタイン・ゴットルプ家は1544年から1773年までシュレースヴィヒ=ホルシュタイン公国を支配した。
[編集] 概要
1448年、ドイツの貴族でデンマーク王エーリク5世の女系の子孫にあたる、オルデンブルク伯家のクリスティアン1世がデンマーク王に選ばれて、オルデンブルク朝が始まる。王朝開始時には、カルマル同盟を引き継ぎ、北欧最大の領土と大国の座を維持し続けたが、1523年にスウェーデンに独立を許した。ただしノルウェーとの同盟関係は1814年まで維持していた。しかし、スウェーデンとの対立はデンマークの国力を弱体化させ、17世紀には三十年戦争と、大国化したスウェーデンとの一騎打ちに敗れ、ヨーロッパの中の小国となった。大北方戦争においても敗北を喫し、以後対外戦争には参加せず、国内の統治に腐心するようになった。しかしナポレオン戦争では、中立を維持できずナポレオン側について敗北。ウィーン会議でノルウェーを失い、ここにカルマル同盟は終焉した。衰退したデンマークに欧州列強は追い討ちをかけ、2度にわたるシュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争の結果、永年領有してきたスレースヴィー・ホルスタイン(シュレースヴィヒ・ホルシュタイン)はプロイセン王国に奪われた。この様な閉塞的な状況の中でオルデンブルク家は断絶した。しかし断絶した王朝にも残光は残された。オルデンブルク家の支流ホルシュタイン・ゴットルプ家はスウェーデン王家となり、またロシア帝国のツァーリの家系ロマノフ家も継承した。さらに別の支流から、現代まで続くデンマーク王朝グリュックスブルク朝(グリュクスボー朝)が開かれた。
[編集] 歴代国王
- クリスチャン1世(1448年 - 1481年) - 兼ノルウェー王・スウェーデン王
- ハンス(1481年 - 1513年) - 兼ノルウェー王・スウェーデン王
- クリスチャン2世(1513年 - 1523年) - 兼ノルウェー王・スウェーデン王
- フレゼリク1世(1523年 - 1533年) - 兼ノルウェー王
- クリスチャン3世(1534年 - 1559年) - 兼ノルウェー王
- フレゼリク2世(1559年 - 1588年) - 兼ノルウェー王
- クリスチャン4世(1588年 - 1648年) - 兼ノルウェー王
- フレゼリク3世(1648年 - 1670年) - 兼ノルウェー王
- クリスチャン5世(1670年 - 1699年) - 兼ノルウェー王
- フレゼリク4世(1699年 - 1730年) - 兼ノルウェー王
- クリスチャン6世(1730年 - 1746年) - 兼ノルウェー王
- フレゼリク5世(1746年 - 1766年) - 兼ノルウェー王
- クリスチャン7世(1766年 - 1808年) - 兼ノルウェー王
- フレゼリク6世(1808年 - 1839年) - 兼ノルウェー王
- クリスチャン8世(1839年 - 1848年) - ノルウェー副王
- フレゼリク7世(1848年 - 1863年)