カット
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カットは英語 "cut" からの外来語で、元来は「切る」の意の動作動詞、あるいは「切断」の意の名詞であるが、そこから発展して様々な意味がある。日本語でもそれぞれの意味を借用し、多くの分野において専門用語として定着している。動詞として用いる場合は「カットする」となる。
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[編集] 映像作品における「カット」
映画、テレビ番組、アニメーション等の映像作品において、カットは連続的に撮影された前の映像から次の映像へ転換する事。又は映画を編集する際、フィルムを実際に切断する行為の事。そのように映像を切り繋げていく作業をカット割り(する)という。
撮影された映像の途切れない単位としてショットの同義語とみなされる事もあるが、ショットはカットされずに(切れ目なしに)撮影、編集、映写された映像そのものを指す。例えば、フィルムをカットするという言い方はあるが、ショットするとは言わない。
映画監督は、撮影を止める際に「カット」と言う。
[編集] 野球における「カット」
野球で、ツーストライクになってからストライク(またはストライクかボールか判断できない投球)が投げられ、その投球を打つことが容易でないと判断した場合に、打者が故意にファウルボールを打つこと。三振を逃れ、フォアボールや打ちやすい投球を待つことができるため、カットの技術にすぐれた選手は三振がすくなく、粘りがある好打者とされる。なおバントをするとカットが容易になるため、これを防ぐ目的で俗に「スリーバント失敗」と呼ばれるルール(2ストライク後のバントがファウルボールであった場合、打者は三振となる)が設けられている。 また、外野へのヒットやフライの後に外野手から投げられたボールを中継することもカットと言い、中継する内野手(主に遊撃手、二塁手)のことをカットマンと呼ぶ。
[編集] 卓球における「カット」
卓球で、ボールに強いバックスピン(逆回転)をかけること。あまり強い打球とはならないが、相手側コートでボールが戻り気味に跳ねるのと、打ったときのラバーの摩擦で落ちるので対戦相手が打ち返しにくくなり、相手はカット(ツッツキ)かループで返さなくてはならない。ナックルを入れることで相手がカットで返したときボールが大きく弧を描く様にとんでオーバーすることもある。この手法を頻繁に使う卓球選手は「カットマン」と呼ばれる。なお卓球ではこの動作に限ってボールを「打つ」と言わずに「切る」と言う。
従来カットマンは卓球のスタイルは守備的なものであったが、以前ルール改正によりボールの直径が38mmから40mmになり、ボールの安定性が増し、カットを返球するのが容易になってしまったため守備だけでポイントするのが困難になり、攻撃性も必要になってきた。
[編集] バスケットボールにおける「カット」
バスケットボールで、ボールを持ったオフェンスの選手が特定の場所に移動すること。及び、ボールを持ったオフェンスに対して他のオフェンスが特定の場所に移動すること。これは動詞的に「カットする」と呼ばれる。このカットを応用して、オフェンスがドリブルでローポスト(ゴール付近)に切り込んでいく行為や、ディフェンスを交わして相手の内側に入り込むことを「カットイン」「Vカット」と言う。他にもパスされたボールをディフェンダーが直接奪ったり、弾いてアウト・オブ・バウンズやルーズボールを狙うことを「パスカット」と言う。
スクリーンにおいてもカットという言葉が用いられる。基本的なスクリーンの動きにおいては、スクリナー(スクリーンに入った選手)を利用して、ボールを持ったオフェンスの選手がディフェンスの内側に入り込むことを「カッター(カットをする人)」、その選手がカットすることを「カット・オフ」と言う。また、スクリナーがスクリーンに入った直後にゴール付近に移動することを「カット・アウェイ」と言う(ディフェンダーがスイッチで対応した際に用いられることが多い)
[編集] ラグビーにおける「カット」
ラグビーで、サイドステップによるフェイントのこと。1対1での場面とオフェンスラインの選手がパスを受ける予備動作として使う技術。外側へ行くと見せてから内側へ切り返してパスをもらい、相手の内側を抜ける動きのことを「カットイン」と呼ぶ。また内側を抜こうと見せかけてから切り返し、パスをもらって外側を抜けることを「カットアウト」と呼ぶ。「カットを切る・踏む」と表現する。
[編集] 挿絵
挿絵のことをカットと呼ぶ。かつては、本や雑誌などの印刷で、本文は金属の活字を用いたのに対して挿絵は木版(wood cut)で組んでおり、その名残でこう呼ばれている。