カーテンウォール
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カーテンウォール (curtain wall) は、建築構造上取り外し可能な壁であり、建物の自重および建物の荷重はすべて柱、梁、床、屋根等で支え、建物の荷重を直接負担しない壁をいう。間仕切り壁と同様の非耐力壁である。またカーテンウォールを直訳して帳壁(ちょうへき)とも呼ばれる。
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[編集] 概要
一般的な高層建築では鉄骨鉄筋コンクリート構造を採用することが多く、外壁は柱や梁と同様、荷重を支えるほか地震や風圧によって建築物にかかる力に対抗する役割を果たしていた。しかし高層建築がさらに進んだ場合、外壁自体の重量が設計上無視できない問題として浮上するようになってきた。また高層建築で柔構造が採用された場合、地震の際に壁面が変形しそれに伴いガラスが割れ、破片が飛び散ってしまうことも問題視された。
それら諸問題を解決するために建築物の荷重を支える構造は柱と梁によるものとし、外壁はそれらの構造物に貼り付けるのみとする工法が開発された。これによって外壁重量の軽量化、建物のしなりによるゆがみの影響を極力小さくすることなどが可能となった。
[編集] 種類
- アルミカーテンウォール
- ハニカムアルミパネル
- ガラスカーテンウォール
- チタンパネル
- セラミックパネル
- プレキャストコンクリート(PCa)カーテンウォール
など
[編集] 歴史
・世界最初のカーテンウォールは1851年、ロンドンのクリスタルパレス(水晶宮)で、鉄骨構造の建築に鉄とガラスを組合せたプレハブ工法の先駆的な建物。
・日本最初期のカーテンウォール建築としては、1965年の山口銀行本店(日本建築学会賞)が挙げられる。
[編集] 意匠形式
- ウィンドウタイプ
- フラットタイプ
- グリッドタイプ
など
[編集] 工法
- 方立工法
方立と呼ばれるたての部材を構造躯体にファスナーで取付、それに横の部材や可動開口部分を組合せ取付ていく工法。現地で構成材を組み立てるのでノックダウン方式ともいう。この「方立」は英語で「mullion(マリオン)」と呼ばれる。代表的なものに、ルーズスティック方式(lose-stick)がある。
- ユニット工法
あらかじめ工場で窓などを組み込んだ壁をユニットを組み立てておき、建設現場ではユニットを順番に取り付けていく工法
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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