ガトー級潜水艦

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ガトー級潜水艦

艦級概観
艦種	潜水艦
艦名	魚の名
前級	タンバー級潜水艦
次級	バラオ級潜水艦
性能諸元
排水量	（水上/水中）：1,825トン / 2,410トン
全長	95メートル
全幅	8.2メートル
吃水	4.6メートル
機関	水上航行用ディーゼルエンジン4基6,500hp（4.8メガワット）エレクトリックモーター4基2,740hp（2.0メガワット）、2軸推進
最大速力	（水上/水中）：20.75ノット / 8.75ノット
航続距離	水上：21,900キロ（11,800海里）/ 20.75ノット水中：177.6キロ（96海里）/ 2ノット
乗員	80名程度
武装	21インチ（533mm）魚雷発射管10門（艦首6、艦尾4） 3インチ（76mm）砲1門、20mm機関砲2門

ガトー級潜水艦(Gato class submarine)は、アメリカ海軍が運用していた潜水艦の艦級。ディーゼルエンジンとエレクトリックモーターを用いる通常動力型潜水艦で第二次世界大戦時におけるアメリカの主力潜水艦として有名。改良型のバラオ級潜水艦（Balao class）及びテンチ級潜水艦（Tench class）もガトー級潜水艦と呼ばれることがある。

[編集] 概要

ガトー級潜水艦はタンバー級潜水艦の設計を受け継いだものであり、若干大型化して水中及び水上航続距離が伸びている。本艦級は全部で1941年から翌年にかけて73隻が就役した。

バラオ級潜水艦はガトー級潜水艦の船体を高張力鋼で建造したものであり、可潜深度がガトー級に比べて向上している。その他の点では余り変わりがない。本艦級の建造数は132隻で、1943年から1947年にかけて就役。テンチ級潜水艦はバラオ級潜水艦の設計を小改良したもので、バラストタンクや燃料タンクの位置が変更されている。146隻の建造が予定されていたが、第二次世界大戦の終結により大半が建造中止となり31隻が就役するにとどまった。1944年から1951年にかけて就役。

これらの潜水艦は日本やドイツ相手に通商破壊を行って戦略物資の輸送を滞らせ、戦争勝利への陰の立役者となった。また、1944年6月にカバラ（SS-244）が日本海軍の空母「翔鶴」を撃沈し、アルバコア（SS-218）は空母「大鳳」の撃沈に貢献した。1944年10月にはダーター（SS-227）が重巡「愛宕」を撃沈、デイス（SS-247）が重巡「摩耶」を撃沈し、ガトー級潜水艦は輸送船だけでなく戦闘艦も脅かした。また、バラオ級のチャー（SS-328）が軽巡「五十鈴」の撃沈に貢献し、アーチャーフィッシュ（SS-311）が終戦間近に空母「信濃」を撃沈、ジャラオ（SS-368）が軽巡「多摩」を撃沈、レッドフィッシュ（SS-395）が空母「雲龍」を撃沈、スペードフィッシュ（SS-411）が空母「神鷹」を撃沈し、潜水艦を掃討する役目であった駆逐艦や海防艦も多数撃沈した。

終戦までにバーブ（SS-220）、シルヴァーサイズ（SS-236）、フラッシャー（SS-249）、ラッシャー（SS-269）が合計90,000トン以上の艦船を撃沈した。戦後、各艦は訓練艦や標的艦として使用され、海上自衛隊の「SS501 くろしお」となったミンゴ（SS-261）など一部は他国に供与された艦もあった。コッドはオハイオ州、クリーブランドのナショナル・ヒストリック・ランドマークに、カヴァラはテキサス州北部ガルベストンのシーウルフ・パークに、ドラムはアラバマ州、モービルに展示され、ガトー級5隻、バラオ級8隻、テンチ級2隻の全部で15隻が記念艦として保存された。アルゼンチンに売却されたガトー級潜水艦のキャットフィッシュはフォークランド紛争で損傷放棄されイギリス軍によって海没処分された。