キャスティング・ボート
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キャスティング・ボート(英:Casting vote) は、少数勢力が影響力を及ぼすこと。「キャスティングボード」は誤記。
日本では、国会において二大政党の勢力が拮抗している時の少数政党や、政党(主に自民党)内における二大派閥(勢力)以外の派閥(勢力)が、いずれかの陣営に付くことで政局の動向を左右できる場合に「キャスティング・ボートを握っている」という風に使われる言葉である。具体的には、55年体制下において公明党、民社党が、このキャスティング・ボートを握っており、55年体制の崩壊直後は日本新党・新党さきがけが同様の存在であった。近年は公明党がこれを握っていると言われる。このようなキャスティング・ボートを握る政党に対しては、しばしば二大政党から様々な取引の持ちかけが行われる。
旧西ドイツでは、自由民主党(FDP)がキャスティング・ボートを握り、保革の二大政党であるキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)、ドイツ社会民主党(SPD)のどちらかと連立政権を組んで、戦後のほとんどの期間政権に参加し続けていた。特にFDPのキャスティング・ボートが顕著に現れたのが1982年にSPD・FDP連立のシュミット内閣が倒された時である。この時FDPはSPDと連立を解消し、CDU/CSUと連立を組むことによって連邦議会内の勢力を逆転させ、コール政権を誕生させている。
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