クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン
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クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン(The Crazy World Of Arthur Brown)は、イギリスのロック・ミュージシャン、アーサー・ブラウンが1968年に発表したアルバム及び、この作品の録音とツアーのために結成されたロックバンドの名称。グループとしての活動は、この1枚に留まっている。
音楽的な系譜ではサイケデリック・ロックとシアトリカル・ロックの過渡期に位置し、火の点いた蝋燭を中に入れたマスクを被って歌うアーサー・ブラウンのパフォーマンスは、アリス・クーパーなどに影響を与えている。アルバムはピート・タウンゼント(ザ・フー)がキット・ランバートと共同でプロデュースした。飛行機恐怖症でツアーへの参加を拒んだオリジナル・ドラマーの代役として雇われたのは、後にEL&Pで知られるカール・パーマーである。彼はこのバンドの解散後、キーボードのヴィンセント・クレーンと共にアトミック・ルースターを結成した。
グループ及びアルバムが今日まで知られているのは、シングル「ファイア」のヒットによる。この曲は全英シングルチャートの首位を獲得したほか、アメリカのビルボードHOT100でも2位に輝き、1968年を代表するヒット曲の一つである。これがバンドにとってもアーサー・ブラウンにとっても、唯一チャート・インしたシングルとなった。