コチャバンバ
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コチャバンバ(Cochabamba)は、ボリビアのほぼ中心にある県。また、その中心都市の名前でもある。北側がベニ県、南側がポトシ県とチュキサカ県、東側がサンタクルス県、西側がラパス県とオルロ県に接している。
アンデス地域とアマゾン地域の中間にあたるバジェ (valle)地域に属し、温暖な気候を持つ。果樹の栽培に適した気候で、ラパスなどのボリビア国内主要都市に農作物を供給している。
県内にはコカ生産農家が多いチャパレ村がある。 近年、アメリカ合衆国の麻薬撲滅政策の後押しを受けてボリビア政府はコカ栽培を他の作物の栽培に転換するよう指導している。しかし、コカ農家はこれに反発し、チャパレ村近辺ではしばしば暴動などの紛争が発生している。このため、日本国政府(外務省)は日本人旅行者などにこの地域への立ち入りをしないように求めている。
[編集] コチャバンバ市
コチャバンバ市はボリビアで3番目の規模の都市である。標高約2600mで、温暖で果樹栽培などに適したバジェ地方に属する。しかし、市内は上水道設備の整備の遅れなどから慢性的な水不足になっている。午前中しか水が供給されないことも多く、ある程度裕福な家では屋根の上にタンクを設置し、給水できるときにそこに水を溜めるという対策をとっている。
1571年、高地の鉱山地帯およびポトシへの農産物供給の目的で建設された。鉱業の隆盛と共に栄え、18世紀には鉱業の沈滞とともに一時衰退したが、その後19世紀後期にはボリビア全域への農産物供給センターとして復活した。
キリスト像と植物園が観光名所である。キリスト像は市内を見下ろすコンコルディア (Concordia)の丘に2000年に建てられた。高さは約40mあり、重量は2,200トンに及ぶという。
チチャと呼ばれる酒とシルパンチョと呼ばれる料理が有名である。特にチチャは一般家庭でもよく作られ、チチャが飲み頃であることを示す四角形の旗が軒先にかかっている家をよく見かける。この旗がかかっている家には、知人ではなくても勝手に入ってゆき、小銭を払って一杯飲むという風習がある。
市内のサンシモン大学のカーニバルダンスチームはボリビア国内の大会(カーニバル)で何度も賞をとっている。