コンウェイのチェーン表記
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コンウェイのチェーン表記とは、イギリスの数学者ジョン・ホートン・コンウェイによって導入された巨大数の表記法である。
[編集] 定義
タワー表記の拡張による。まず、3つ組を定義する。0でない自然数 a,b,c について
4つ以上の数字を連ねて書いたときは、以下の規則によって変形できるものとする。
- チェーンの数の最後が 1 のときは消去できる。
- a→b→...→y→z→1 = a→b→...→y→z
- チェーンの数の最後から2番目が 1 のとき、これと最後の数をまとめて消去できる。
- a→b→...→x→1→z = a→b→...→x
- 次のような変形によって最後とその前の数を減らすことができる。
- a→b→...→x→y→z = a→b→...→x→(a→b→...→x→y-1→z)→z-1
これらのルールにより、2つの数字の場合は a→b = ab となることが導かれる。なぜなら、
[編集] 例
- 3→3→3
- = 3↑↑↑3 = 3↑↑3↑↑3 =
- 3→3→2→2
- = 3→3→(3→3→1→2)→1 = 3→3→(3→3) =
- 3→3→64→2
- = 3→3→(3→3→63→2)→1 = 3→3→(3→3→(3→3→62→2)→1)
- 3→3→3→3
- = 3→3→(3→3→2→3)→2= 3→3→(3→3→(3→3→1→3)→2)→2
- = 3→3→(3→3→(3→3)→2)→2 =
チェーン表記は、タワー表記では扱いにくかったとても巨大な数を表記するのに適しており、グラハム数を例にすると、不等式
が成り立つ。これはG64(1) < G64(4) < G65(1) の意味である。
[編集] 参考文献
- http://www-users.cs.york.ac.uk/~susan/cyc/b/big.htm
- http://home.earthlink.net/~mrob/pub/math/largenum-4.html
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