サセックスの吸血鬼
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サセックスの吸血鬼 (The Adventure of the Sussex Vampire、1927年)は、、アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズ作品の1つ。「ストランド・マガジン」1924年1月号、「ハースツ・インターナショナル」1924年1月号初出。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
サセックスに住むファーガソン氏から依頼の手紙が来た。依頼によると、ファーガソン氏の後妻が自分の赤ん坊の首に噛み付き、血をすすっているのを目撃したとのことである。これ以上子供に危害を加えられたくないというのだ。翌朝、サセックスからロンドンまでやってきたファーガソン氏に、ホームズとワトスンは話を聞く。夫人は赤ん坊の血をすすっただけでなく、先妻の子にも二度までもひどい折檻を加えたという。
ホームズはワトスンとともに現場に行く。屋敷にある南米の数々のコレクションにホームズは興味を示した。また、飼っているスパニエル犬が、4か月ほど前に急に身体に麻痺を起こしたという。ワトスンは医者としてファーガソン夫人に、ホームズは2人の子供に会い、この家族の微妙な関係を知る。
ホームズとファーガソンは夫人との面会を拒まれていたが、ホームズがワトスンに言付けをしたことで、面会が果たされる。夫妻の前で、ホームズは事件の真相を語る。それはファーガソン氏にとって大きな打撃となるものであった。
[編集] 使われた毒物について
聖典中ではクラーレが使われたと言及されているが、毒物を仕込まれた犬の振る舞いが、実際に毒物を仕込まれたときとは異なっている。シャーロキアンたちの中には、犬の麻痺は毒物とは全く関係ないか、毒矢を打たれたときに神経が傷つけられたのではないかと考えるものが多い。
[編集] 備考
- ワトスンによれば、電報が使える場所にいる限り、滅多に手紙など書かない男だったというホームズが手紙を書く、珍しい作品のひとつである。ホームズは、この問題を最初に彼に持ち込んだモリソン・モリソン・アンド・ドット社に、「吸血鬼に関して(Re: Vampire)」として返信している。その全文が明らかになっているホームズの手紙は、「最後の事件」でワトスンにあてた「遺書」を別にすれば、これがただ一通のみである。