サバ
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サバ(鯖、英名:Mackerel、マッカレル)は、スズキ目サバ科のサバ属 Scomber およびグルクマ属 Rastrelliger に属する魚の総称。日本近海では、マサバ・ゴマサバ・グルクマの3種が見られる。
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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英名 | ||||||||||||||||||||||||
Mackerel | ||||||||||||||||||||||||
下位分類群 | ||||||||||||||||||||||||
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目次 |
[編集] 種類
日本産のサバは以下の3種。
[編集] 文化
古くから日本人になじみの深い食用魚である。平安時代には中男作物として貢納され、また鯖売りの行商が行われていたなどという記録がある。そのため、文化の面でも幾らかの影響を与えており、弘法大師が旅僧の姿で鯖を請うたのに、商人または馬子が荷物の鯖を与えなかったため罰せられたという伝説があり、古い坂や峠に僧が鯖を手にもつ像 (鯖大師本坊(徳島県海陽町)) を祭っていることがある。
鯖の名称の由来は、鯖には小さい歯が多くあり、古代はそれを「小歯」と書き、「さば」と読むことからきている。
年を誤魔化す時などに使われる「サバを読む」という言葉だが、鯖が大量に捕れ、かつ鮮度低下が激しいため、漁師や魚屋が数もろくに数えず大急ぎで売りさばいたのが起源という説がある。
また、フランスでは四月バカのことを Poisson d'avril (4月の魚)という意味で鯖をさしているが、これは鯖が4月に入るとたくさん釣れるためという説もある。
[編集] 漁業
[編集] 陸揚げ漁港
[編集] 食材
〆鯖(シメサバ)、塩焼き、味噌煮(鯖味噌ともいう)などで食べられる。鮮度が良い場合刺身にもされるが、アニサキスなどが寄生している確率が高い。よく酢で締めて〆鯖(シメサバ)にされるが、アニサキスは酢で締めても死滅しないので安全とはいえない。サバの寄生虫は主にサバの南方海域への回遊中に寄生する場合が多いので、回遊せずに日本近海で生育した個体(相模湾・伊勢湾・豊後水道などに見られる)は比較的安全で、刺身用として珍重されるが、鮮度には慎重を期すべきである。
「鯖の生き腐れ」と呼ばれるように、鮮度の低下が著しい。ヒスチジンを多く含むためにアレルギー源となるヒスタミンを生じやすく、蕁麻疹の原因となることがある。
豊後水道の関サバや岬(はな)サバ、屋久島の首折れ鯖、土佐清水市の清水サバ、三浦市松輪の松輪サバなど、一種のブランドが存在する。
DHA(ドコサヘキサエン酸)や EPA(エイコサペンタエン酸)などの高度不飽和脂肪酸が多く含まれている点も注目されている。
近年では養殖技術の発達により、養殖ものの鯖も市場に出回るようになっている。サバの養殖は大分県や鳥取県で盛んに行われている。海外では主にノルウェーから輸入されている。