シャルトリューズ
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- シャルトリューズ (Chartreuse、シャリュトリューズ、シャルトリュース、シャルトルーズ、シャートリューズ、シャートルーズ、)とは、フランス南東部、スイス・イタリア国境近いグルノーブル山中の地名で、ラ・グランド・シャルトリューズ修道院が在する。
- フランス産のリキュールの一種。後述。
- 色の名前。明るく淡い黄緑色を指す。チャートリュー。
- 猫の品種。青灰色の短毛の被毛に、黄緑色の瞳を持つ。フランス原産。シャルトリュー(Chartreuse cat)。
シャルトリューズ (Chartreuse) とは、シャルトリューズ修道院に伝えられた薬草系リキュールの銘酒で、「リキュールの女王」とも称される。
アルコール度数の高さと甘味の強さのため、そのまま飲むよりも、菓子などへの香り付けや、カクテルの材料として用いられることが多い。
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[編集] 歴史
シャルトリューズの製造の歴史は古く、不老不死の霊薬として1605年にカルトジオ会で解読(作成?)された処方がフランス王アンリ4世の式部官であったマレシャレ・デストレに奉げられ、1764年にシャルトリューズ修道院に渡り、1767年に製造がはじまったとされる。これに更に神父ジェローム・モベックが注釈をつけた処方が現在のヴェール(緑)の製造法の原型であり、さらにその後1838年になって、神父プルーノ・ジャケによってジョーヌ(黄)の処方が作成された。
1970年以降は民間企業で製造されるようになったが、その詳細な製造法は、現在でもシャルトリューズ修道院の修道士3人のみが知る秘伝となっている。ブランデーをベースとして、アンゼリカ、クローブ、コリアンダーをはじめとする130種類のハーブを加え、5回の浸漬と4回の蒸留を経て調製されるということだけが公開されている。
[編集] 種類
- ヴェール(緑)
- ジョーヌ(黄)
大きく分けてこの2種類があり、ヴェールはスパイシーでハーブの香りが豊かである。ジョーヌは蜂蜜の甘味が強くまろやかな味わいである。アルコール度数はヴェールが55度、ジョーヌが40度。
- ヴェールVEP
- ジョーヌVEP
ヴェール・ジョーヌそれぞれを、大樽で8年以上の期間熟成を行った高級品。アルコール度数はヴェールが54度、ジョーヌが42度。
- エリクシル・ヴェジェタル(植物の霊薬の意)
ヴェール・ジョーヌとはまた異なる、原初の製法に近い処方で作られるもので、甘味はかなり弱く、ハーブ香が強い。アルコール度数は71度。
- ナインス・センティネアー
1984年に、1084年のシャルトリューズ修道院創設から900周年を記念してリリースされたもので、ヴェールとジョーヌの中間のような味。アルコール度数は47度。
- 1605
2005年の、シャルトリューズの最初の処方が作成されたとする1605年から400周年を記念してリリースされたもので、1605年の製法を再現したという。アルコール度数は56度。エリクシル・ヴェジェタルとヴェールの中間的な味わい。
- エピスコ・パレ(EPISCOPALE)
2003年に発売された5000本限定品で、350ml入りのロットナンバーを刻印した銀メッキボトルに、ヴェール1/3、ジョーヌ2/3をブレンドしたものが詰められている。アルコール度数は45度。
[編集] シャルトリューズを使った主なカクテル
- アラスカ
- イエロー・パロット
- グリーン・アラスカ(別名エメラルド・アイル)
- ゴールデン・スリッパー
- サン・ジェルマン
- シャルトリューズ・トニック
- シャンゼリゼ
- スプリング・フィーリング
- パッセンジャー・リスト
- ビジュー