シルエットノート
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『シルエットノート』は、RPGツクールXPで作成されたシェアウェアのアドベンチャーゲーム。作者はSmokingWOLF。「シルノート」「シルノ」又は「汁帳」という略称で呼ばれる事もある。
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[編集] 概要
シルフェイド見聞録やシルフェイド幻想譚に連なるシルフェイドシリーズの作品であるが、世界観はこれまでのファンタジー的なものから近未来的な世界観になった。作者はこれを「現代的なギャグネタを使いたかった」からだと言っている。故にタイトルに「シルフェイド」がついておらず、シルフェイドシリーズの世界観との関連性は非常に薄いと考えられる。また、登場する別作品のキャラも全くの別人となっている。
本作は同氏の初のシェアウェア作品でもある。そのため、ウェブマネー等のシステムにあまり馴染みのないユーザーの事も考慮し、同作品を購入するというストーリーの体験版を配布。これは単なる体験版であるだけでなく、ゲームの購入方法を順を追って説明した、至れり尽くせりな内容となっている。故に体験版と製品版では話の繋がりがなく、また一部設定が異なる。
システム的にはシルフェイド見聞録を踏襲しつつ、それに改善を加えた形になっている。作者の最大の特徴とも言えるギャグネタはこの作品でも遺憾なく発揮されており、好き嫌いは分かれるものの概ね好意的に受け入れられている。一方で本編となるストーリーはシリアスかつシビアで、一週目のエンディングは若干後味の悪いものとなっている。しかし主人公であるシシトの淡々とした冷静な語り口や、後述する裏シナリオの存在もあってか、さほど暗いイメージが定着した事はない。また、ミニゲームとして作者オリジナルのシューティングゲームである「シルフドラグーン」をプレイする事が可能。これは同氏の初のシューティングゲーム作品でもある。他にも二次創作機能が付属しており、自由度はそれほど高くはないものの、ユーザー側に新たな遊びを提供する事となった。
本作はいわゆるスター・システムを採用しており、アルバートをはじめとする過去のシルフェイドシリーズに登場した様々なキャラクターが姿、形を変えて登場している。前述の通り世界観的な繋がりは薄く、基本的には全て別人という扱いになっているが、一部例外もある。
初公開は2005年11月30日。この時点では小規模販売という形で、告知無しでひっそりと販売を開始。その後、重要なバグを幾つか修正し、同年12月3日に正式に販売が開始された。
2007年02月28日現在、追加シナリオが開発中であるとされている。
[編集] 評価
作者は既にシルフェイド見聞録及びシルフェイド幻想譚で評価を得ており、また初のシェアウェア作品という事もあって、前評判は相当なものであったと思われる。事実、本作の売れ行きも好調だったようで、相当数の購入者がいると見られる。また作者自身も制作日誌にてそれを匂わせるコメントを残している。
特にシステム面での大幅な改善はプレイアビリティは飛躍的に向上させ、その細やかな作り込みが高く評価された。またミニゲームであるシルフドラグーンも、その中毒性の高いシステムから、本編そっちのけで熱中するユーザーも現れた。
しかし一方で「ボリューム不足である」、「全体的にシルフェイド見聞録にやや劣る」、といった意見もあり、必ずしも絶賛されているとは言い難い評価も幾らか見受けられる。1500円という値段にも「中途半端」「ちょっと高い」という意見が多く、実際にどう感じるかはユーザー次第であるとは言えるものの、本作に値段相応の価値があるとは言い難い面がある。新たに作り直された戦闘システムも賛否両論で、「距離システムが面白かった」といった意見もある一方で、逆に「複雑で解り辛い」といった意見も少なくはなかった模様である。また、個性的なキャラが多いながらも、一部のキャラクターの出番が(ある意味ネタになってしまうほど)少ないというところも、ファンの中では残念がる声も少なからずあがっている。
作者自身もそういった声には納得していたようで、この事が追加シナリオ制作の一つの切っ掛けとなったと思われる。
[編集] ストーリー
物語は主人公である村上シシトとその母親スズナが、太平洋に浮かぶ海上都市、三号アクアフロートへと引っ越してくる所から始まる。新しい生活に思いを馳せるシシトを待ち受けるのは、自身の過去と向き合う事になる事件だった……。
[編集] ゲームシステム
- 進行
- 移動と会話を繰り返し、ゲームを進行させていく点に関しては、シルフェイド見聞録と同様である。また一度ゲームをクリアすると、シークエンス移動という新機能が追加される。これは特定の章の好きなシーンにワープする機能で、これによりプレイアビリティは飛躍的に向上した。今作ではセリフのスキップ機能も追加されており、二週目以降のプレイもストレス無く進める事が出来るようになった。
- 戦闘
- 今作の戦闘は常に1vs1で進行する。大雑把に言うと、シルフェイド幻想譚の戦闘システムに距離の概念を取り入れたもの、と考えると分かり易い。
- 敵キャラクターにはそれぞれ攻撃方法が設定されていて、攻撃の威力、射程が異なる。プレイヤーは前進と後退を上手く使い分け、敵の攻撃をかわしつつ、こちらの攻撃を当てていく事になる。特に初期段階では接近状態でなければ当たらない「正拳」しかコマンド(=スキル)が無いため、如何にダメージを受けずに相手に接近するかが重要となる。後半になると様々な効果を持ったスキルを習得する事ができ、またお馴染みのWILLゲージを消費する事により各コマンドを一時的に強化して使用するといった事も可能になる。但しスキル枠はシル見同様に5個しかなく、またWILLゲージは強力なスキルを使うと一気に消耗してしまうため、戦術の組み立てはある程度考えなければならない。
- 前述したように、このシステムは一部のユーザーからは複雑で解りづらいという批判も挙がっており、次回作となるシルフェイド千夜一夜では再び戦闘システムの見直しが計られる事となる。
- 表シナリオ・裏シナリオ
- シークエンス1にて発生する分岐イベント。表シナリオを一度クリアし、一定の条件を満たした状態でシークエンス1を終えると裏シナリオのシークエンス2に突入する。裏シナリオは恋愛シミュレーション風味のギャグシナリオとなっており、スケイルをはじめ裏シナリオにしか登場しないキャラクターも多い。特に表シナリオではあまり目立たなかったり、シリアスな役所だったキャラクターに幾つかの見せ場が与えられている(無論その殆どはギャグである)。
- 作者によれば「裏シナリオが本番」との事で、エンディングも三種類が用意されており、表シナリオに比べてもボリュームがアップしている。また戦闘の難易度も裏シナリオでは上昇し、やりごたえのある戦闘を楽しむ事が出来る。
- ミニゲーム(シルフドラグーン)
- 作者オリジナルのシューティングゲーム。
- 最初に三種類の武器の中から一つを選ぶ事になるが、一度ゲームを開始するとゲームオーバーになるまで武器の変更は出来ない。また同様のセットアップ画面ではゲームマネーを使用して自機を強化する事が可能。ゲームマネーはシシトが持つ現実のお金で購入するか、ゲームにて多くのスコアを獲得する事で手に入れる事が出来る。
- 操作する事になる自機は、移動時に慣性の法則に従ってするすると滑るように動き、移動速度が上がるほどにそれが顕著になっていく。最終的には派手にスリップするようになってしまい、非常に操作が難しくなってしまうため、腕に自信がなければ移動速度の強化は程々で止めておくのが賢明である。
- 二次創作
- ユーザーの手でオリジナルのシナリオを作る事の出来る機能。ただしエディタは付属しておらず、テキストを開いて直に編集する必要がある。元々はテキストデータをイベントに変換する処理を間違って残してしまったものであったらしく、正式にシステムとして採用されたのはユーザーの要望が多かった為である。その為か使用できる機能もかなり制限されており、選択肢や戦闘などのシステムを組み込む事は出来ず、事実上一本道のサウンドノベルしか作る事は出来ない。
- それでも多くのユーザーは自作シナリオという新しい遊び方に大いに興味を惹かれ、現在も多くのシナリオが制作、発表されている。その形も一発ネタの短編から長編連載、ギャグネタからシリアスなシナリオと多岐に渡る。初期の頃から少しずつではあるが新しい機能も追加され、また独自のカスタマイズを試みるユーザーも登場し(作者の了承を得ている)、未だ発展の余地を残している。
- また次回アップデートの際には作者のお勧め作品として、幾つかの二次創作シナリオを同梱する旨を発表している。
[編集] 登場人物
[編集] 村上家
- 村上シシト
- 主人公。作者曰く、シルフェイド見聞録の主人公エシュターと、シルフェイド幻想譚の男主人公を足して二で割ったキャラであるとの事。物事を淡々と受け止める性格で、衝撃的な事件・事実(主にシリアスな意味で)に遭遇した際にも特に取り乱すそぶりを見せないなど、肝の据わった一面を見せる。一方で強いショックを受けると半狂乱の表情で叫ぶなど、落ち着いているのかそうでないのか良く解らない人物。
- 基本的には貧弱な普通の男子高生であるが、緊急時には2000Mの距離を僅か二分弱で走破するなど、化け物じみた身体能力を発揮する。その他様々な奇行や一風変わった趣味のせいで、周囲の人間からは悪い意味で一目置かれる存在になっている。
- 過去に銃撃されるという事件に見舞われており、その際に心臓の移植手術を受けている。この事件が切っ掛けとなり、シシトは警察官を志す事となった。この事件の詳細は本編が進む中で少しずつ明らかになっていく。
- 村上スズナ
- シルフェイド見聞録よりゲスト出演。今作ではシシトの母親として登場する。極めて暢気、且つマイペースな専業主婦。滅多なことでは動じず、大抵のことは笑って受け流してしまう。かなりハードなやおい趣味を持ち、たびたびシシトを洗脳しようとする。更に息子(シシト)を遅刻3分前に起こし、慌てるのを楽しむのも趣味である。その他様々なネタでシシトを弄るが、息子に愛情がないわけではないようだ(手術費の500万円を安いと言うなど)。かなりの面倒くさがり屋なのか、まともに食事を作ったためしがなく、時にはエアー(=空気)を夕食という事にするなどの行為に及ぶ事も。どこから調達したのか、スタンガンや自動小銃らしきものを所持している。因みに、夫の存在については作中では明言されていない(一応「シシトの父は伝説の勇者である」と語った事もあったが、スズナの冗談であると思われる)。
- 村上シイナ
- シルフェイド見聞録よりゲスト出演。今作ではシシトの姉として登場する。仕事で各地を転々としており、家族と会うのも久しぶりらしい。極めて出番が少なく、顔グラフィックも一種類しか用意されていないという、非常に影の薄い存在。時たまその出番の少なさがネタにされる事もあるが、あまりに目立たないため存在そのものを忘れているユーザーもいる。
- 職業などを含め設定に謎が多く、加えてシルフェイド見聞録では人気キャラであったため、ニ次創作では様々な独自の設定が施された。その活躍を受け、作者も顔グラフィックの追加を検討するようなコメントを残している。
- マッサイ
- 本名は松本才蔵(まつもとさいぞう)。シシトの祖父で天才発明家。モラルや倫理観に欠ける、生粋のマッドサイエンティスト。専門はロボットらしいが、クローンを作ろうとしたり怪しげな食べ物や薬などを作ったりと、多方面でその力を発揮している。発明品はよくバグを起こす。表シナリオでは殆ど出番は無かったが、裏シナリオではマッドサイエンティストとしての技量を存分に発揮、シシトの日常を更なる混沌へと陥れた。市民IDを持たない人物のIDを偽造するなど、ハッカーとしての腕も超一流である。終盤ではオヤジンジャーにも加入した(オヤジンジャーマッド)。
- スケイル
- シルフェイド幻想譚よりゲスト出演。今作では海女(うみおんな)という設定で、下半身が魚のいわゆる人魚である。裏シナリオでのヒロイン的存在。ある事情により、村上性を名乗ってシシトの家に居候する事になる(つまり、厳密には村上家の人間ではない)。好奇心旺盛な性格はそのままだが、シル幻の頃と比べると若干気弱になった印象がある。
- 下半身が魚であるため歩くことができず、マッサイお手製の電動車イスで移動する。最初は世間一般のことにはほとんど無知な状態であるが、知能は高く物語が進むにつれ良くも悪くも様々な知識を習得していく。また、極度の悪食である。
- 元々人気の高いキャラクターであったのに加え、本作でもその活躍ぶりはまさに真ヒロインと言うに相応しいもので(これは対抗ヒロイン勢があんまりな顔ぶれであったという事もあるが)、人気投票では堂々の1位の座に輝いた。
[編集] マジカルパレス
- 女神様
- シルフェイド幻想譚よりゲスト出演。マジカルパレスの主。魔界からやってくる魔物達に対して日々対策を練っており、魔法使いの資質を持つ者を見つけては使者を送り込み、正義の味方として協力を要請している。が、選定がいい加減だったり名前を微妙に間違っていたりとどうにも抜けており、リス君は度々その事を愚痴っている(が、全て当人に筒抜けである)。使者達や魔法使いのあんまりなネーミングや、ナイフを持って突っ込んでくるなど、幻想譚の時の性格がより強調されている。
- ナナシ
- シルフェイド幻想譚よりゲスト出演。今作ではマジカルパレスより魔界のモンスター退治を使命として与えられた、謎の魔法少女。であるにも関わらず、何故か全く魔法を使う事が出来ない。そのため様々な格闘術を身につけ、それを駆使して敵と戦い、日々街の平和を守っている。その他の特徴として、ネコミミと尻尾が生えており、またその姿は電気で動くカメラに映る事が無い。因みに、体験版と製品版とではその正体が異なる。女神様とは実際に対面したことがなく、ツノがあるという説明しかされていないため、容姿がサイであると誤解している(ご丁寧にサイの顔グラフィック付きである)。
- 戦闘ではプレイヤーが操作する事になる唯一のキャラクターである。敗北時には強烈な奇声を発する。
- リス
- 通称リス君。オス。その名の通り、見た目は小動物のリスそのものである。現在4歳(因みにリスの寿命は5年ほど)。その正体はマジカルパレスより遣わされた女神様の使いで、シシトにある品物を渡す事が目的である。人語を理解し、自らも喋る事が可能(本人曰く「魔法パワーによるもの」)。物語序盤でシシトと出会い、以後相棒的存在になる。
- 可愛い(?)見た目に反して非常に落ち着きのない性格で、意味もなく暴れ回ってはシシトから様々な方法で制裁されている。また凄まじく性欲が旺盛であり、ことある毎に煩悩に満ち溢れた妄想が展開され、シシトを感嘆(というか呆れ)させた。その性格、言動のために周囲からの信頼はあまり得られていないが、各所でのサポート・アドバイスなどは非常に適切である。
- 身体能力はマジカルパレスの使者だけあってそれなりに高いらしく、波動やリスヒールといった魔法(フォース?)を使いこなす。また相手の動きを封じるホールドという秘技を持つが、余りにも体力を消耗するため滅多に使わない。
- クロウ三世
- シルフェイド幻想譚よりゲスト出演。今作ではマジカルパレスの使者で、リスとは同僚の間柄。そのため当然のように喋る事が出来る。因みにメス。裏シナリオにしか登場しない準ヒロイン。はっきりとは明言されていないが、シルフェイド幻想譚に登場したトーテム・クロウの子孫である模様。しかしクロウ三世はトーテムではなく、実体を持つ歴とした犬であるため、厳密にはそうと断定できない。一見シルフェイド幻想譚に登場したオリジナルのクロウと似たような性格。が、なかなか食事にありつけないため常に腹を空かせており、食べ物を与えてくれた人物に対して激しい忠誠を誓う激情家。メロンソーダが大好物。
- 緊急要員という立場であり、特定のパートナーはいない。また任務のためか、盲導犬の資格も取得している。母親と同居しており、家にいる時は堅苦しい喋り方はしないようである。
[編集] シシトの友人・クラスメート等
- 岸リョウヘイ
- シシトの中学時代からの友人で、今時の若者といった風貌の高校生。高校ではシシト、アルバートの両名とクラスメートとなり、以後一緒に行動する機会が多くなる。数少ない常識的且つ良識派の人物で、そのために影の薄さが否めないキャラクターであるが、他の人物に比べこれと言ったトラブルに巻き込まれないあたりは強運の持ち主であるとも言える(それ故に影が薄くなってしまっているのだが)。頻繁にゲーセンで遊んでおり、様々なジャンルで腕の立つゲーマー。シシトと同様貧弱で、二人掛かりでアルバートを持ち上げられないほど。情報通と言う一面があり、セトに真先に頼られることから見てもその信頼性は高い。
- アルバート
- シルフェイド見聞録及びシルフェイド幻想譚よりゲスト出演。今作でも主人公の友人という立ち位置で登場し、シシトと同じように最近になってアクアフロートに引っ越してきた。性格や設定などは基本的にシル見準拠となっているが、前述の通り世界観の繋がりなどはなく、日系アメリカ人という事になっており、右目の眼帯も包帯になっている。因みに高校の制服が一張羅のため、他の服装で登場する事は基本的にはない。
- 根が善人で正義感も強い事が災いし、作中ではシシトに次いでトラブルに巻き込まれる事が多い。ただしあまり重要なファクターではないためか、過去作品と比べて人気は伸び悩んだ。
- 今作では同姓に対して激しい友情を抱く描写は見られないが、ナナシに対しては偏執的なまでの執着を見せ、その過程でどんどん危ない知識を身につけていってしまい、シシトやリョウヘイから白い目で見られる事となってしまう。
- 犬山セト
- シルフェイド見聞録よりゲスト出演。今作ではシシトの中学時代の後輩として登場するが、現在では飛び級によりシシトと同学年となっている。但しシシトと通っている学校が違うため、表ルートでは一応重要なファクターとなるものの、目立った活躍などはしていない。しかし裏シナリオでの大活躍(?)が多くのユーザーに衝撃を与え、人気投票でも2位を獲得し、その人気の高さを見せつけた。そのために裏シナリオでの振る舞いが強調されがちだが、一人だけ転校組でないことを気にしたり、連絡の取れないサユキを足繁く探し回ったり、自身の銀髪を黒く染めようと考えていたりと、繊細な心の持ち主である描写も多い。
- 余談だが、これまでの制作日誌のスクリーンショットなどから、追加シナリオの主人公は彼女になるのではないか、という見方が強い。
- 冬村サユキ
- 本編のヒロイン的存在。薄幸の美少女といった形容が相応しい少女で、セトと同じ女子校に通っている。引っ込み思案で大人しい性格。シシトが過去に遭遇した事件と関わりがある。ある目的のためにアクアフロートに来た経緯があり、人気の多い場所にたびたび現れる。その中で培ったものか洞察力と推理力に優れており、ナナシの正体に気づいている節がある(それでもシシトロボのことは気づかない)。一方で熱狂的なゲームマニアという一面を持っており、シルフドラグーンのスコアランキング一位は彼女の記録だったり、愛読書はゲームの攻略本だったりと、相当のゲーマーである事が伺える。シシトの裸を何度か目撃しており、好事への興味も強いことが伺える。しかし本編ではいまいち影の薄い存在で(裏シナリオに至ってはチョイ役同然の扱い)、人気投票でも9位という結果に終わっている。
- 物理クラブ部長
- 未踏の領域への挑戦をこよなく愛する、シシトのクラスメート。熱心に物理クラブの勧誘活動をしているが、芳しい成果は得られていないようで、部員も今のところシャカシャカ君しか確認されていない。主な実験内容は「朝礼台から飛び降りながら縄跳びで四重跳びが出来るかどうか」など。とにかく物理クラブの活動に入れ込んでいるようで、休日にもシャカシャカ君と二人で部活に勤しんでいるほど。シシト達との絡みは比較的多く、リョウヘイとも電話番号を交換しているくらいの関わりはある。メインストーリーには関与しないが、シシトをトラブルに巻き込んだり、逆に巻き込まれたりとそれなりの活躍は見せた。
- シャカシャカ君
- いつも嬉しそうな顔で音楽を聞いている、シシトのクラスメート。物理クラブに所属。常にイヤホンから大音量で音楽を流しており、周囲に「シャカシャカ」と音が響くため、このようなあだ名(?)が付けられた。成績はクラスの中でもトップであり、他の生徒からも一目置かれる存在である。何かあるとイヤホンが耳を貫通し、鼻の穴から飛び出す。因みにこのイヤホン、実は何処にも接続されておらず、何処から(どうやって)音を出しているのかは謎である。
[編集] 薙島高校
- 校長先生
- 薙島高校の校長。校長になる以前は肌が白かったが、何故かその後一年間で一気に黒く染まった(「化けの皮が剥がれた」との疑惑もある。また、自力で皮膚の色を変えられる)。一応人種は黒人らしい。普段は片言で喋るが、たまに流暢になる。
- シシトを執拗につけ狙っていて、「シーシートーコワース」が口癖。日常的に破壊行為を行っている危険人物でもある。その際には日本刀を振り回すが、何故か警察には発覚しない。オヤジンジャーという戦隊を結成しており、ブラック兼リーダーを勤める。
- 担任の先生
- シシト達のクラスの担任。パンツを集めるのが趣味で、ある事件にて自慢のパンコレ(パンツコレクションの略)を紛失した際には再び集め直す決意をするなど、めげない性格である上に筋金入りのマニアである事が伺える。白人であり、オヤジンジャーではホワイトを勤めているが、その立場には疑問を感じている。
- 保建医
- 薙島高校の保健医。容姿・性格ともにシルフェイド幻想譚のオーバに酷似しているが、特にゲストキャラであると言う記述はない。気絶しているアルバートの服を脱がしたり、セクシーなポーズでベッドに寝転んだりと、かなり危険な行動に及んでいる問題人物。また、複数人存在する旨の発言もあるが、真偽の程は不明。
[編集] 警察
- 狐狩ヨウコ
- 御大とコンビを組んでいる女刑事で警部補。最近アクアフロートで起きた殺人事件を捜査している。またシシトが裸になる度に現れ、彼を(大抵裸のまま)しょっ引いている。これについては武器を隠し持てない有効性を言い訳(?)にしている。この他にもかなりの好事家(少年限定)であることが随所で見て取れ、スズナにも同士の目で見られている。またそういったものが絡むと驚異的な身体能力を発揮し、全力時でシシトの裸足の根性ダッシュ(120m/10秒)と同程度の速さで走れる。そんなこともあってか、健全な高校生男子には嫌われているらしい。
- 御大のボケに対してしばしば厳しい突っ込みを入れているが、嫌な顔一つしない所を見るとコンビ仲はそれほど悪くはないようだ。気の強い性格と外見のためか、カッコイイというイメージが定着しており、サブキャラの中ではかなり人気が高い。
- 御大ムツキチ
- 警部。通称大仏刑事。狐狩の上司であるにも関わらず、良いように使われている哀れな人。仕事用のパソコンに子ネコちゃん写真集を保存していたり、ネコミミのナナシを警察署のマスコットに勧誘したりと、大の猫好きでもある。何故か下ネタに対する反応が敏感で、よく狐狩に突っ込みを入れられている。
- 五里
- ゴリラによく似た外見で、関西弁を喋る。年末のタイガースの甲子園チケットを求めており、チケットの匂いで持ち主を判別できるほどである。裏ルートでは渡したチケットの枚数に応じて、特殊アイテムやスキルの本などと交換してくれる。表ルートでは写真でしか出番がないように思われるが、ある手順を踏むことにより彼が活躍する場面が発生する。因みにその時に名前(苗字のみ)と警察関係者であることが判明する。
- ジェイク・ドライエル
- セトの父親。妻の名前は犬山フミヨ。できちゃった結婚であるが、危険な仕事をしていたため、家族を巻き込まないためにとセトが生まれる直前に離婚している。セトに自分のことをパパと呼ばせたがる。警察の捜査に加わっていたことが各所で判明しており信頼も高いようだが、実際に警察関係者だったかどうかは不明。医術の心得もある。
- ある事件が原因で日本を離れていたが、その事件の調査のために、セトに接触を試みる。ファミリーネームはシルフェイド見聞録のセト・ドライエルから。
[編集] その他
- フォックス
- シシトの過去の事件に関わる、謎の人物。殺人犯として指名手配されており、普段は覆面を被ったり変装したりして行動している。格闘術と射撃に長けており、冷静な判断力と観察眼を持つ。が、裏シナリオでは同一人物とは思えないほど手際が悪くなっている。因みに体験版ではコンビニ強盗であった。
- 岸エイジ
- シルフェイド幻想譚よりゲスト出演。漢字で書くと『英次(えいじ)』で、自称『ピチピチの32歳』。10年前から32歳らしい。今作ではリョウヘイの父親として登場する。料理屋を営んでおり、釣りが趣味。一言で言えば間抜け且つ大雑把な性格で、スリに同情されてしまうほどの金欠でもある。折角金を手に入れてもすぐに紛失しまうなど相当に抜けており、息子からも呆れられてしまっている。オヤジンジャーではイエローを勤める。
- シイナ同様、ゲストキャラクターであるにも関わらず見せ場は殆どなく、脇役同然の扱いを受けている不遇のキャラクターである。
- リトル
- 通称リトルちゃん。名前の通り小柄で、カタカナ言葉で喋る。スケイル、クロウと同じく裏シナリオにしか登場しない準ヒロイン。とても大胆な性格の女の子で、ある事件が切っ掛けでシシトに猛烈な好意を抱くようになる。何故かメロンソーダが苦手。
- シシトロボ
- マッサイがシシトを弄ぶために作り出した変態ロボット。グラフィック上では全く似ていないのだが見た目はシシトそのものらしい。その強烈なキャラクターと起こした騒動のインパクトの強さから、ネタキャラとしては屈指の人気を誇る。
- リーザ
- 着やせするタイプの、隣のお姉さん。出会うたびにジョギング中で、たびたびシシトに健康のためにと進めてくる。日本に来て長いらしく流暢に喋るが、稀に片言になる。本来ならただの通りすがりのキャラだが、あるイベントで多くのプレイヤーの心を掴み、人気投票でも16位にランクインした。
- バルト
- セトの祖父。徘徊癖がある。随所でセトにぞんざいに扱われたり、シシトに障害物にするために道端に寝かされたりと、あまりいい待遇は受けていない。
- 余談だが、シルフェイド見聞録のセトの祖父(設定のみで未登場)もバルトという名であり、つまりシルフェイド千夜一夜の主人公の一人でもあるため、本来ならばかなり重要な人物の一人である。
- 悪田クミゾー
- アルバートの祖父で、如何にもといった風貌の悪の科学者。性格や行動パターンなどは、シルフェイド見聞録でのアルバートの初期の頃によく似ている。孫との交流は深いらしく、差し入れや電話でのやり取りも度々しているなど、随所で話題が挙がる。一方でアルバートの右目の怪我の原因でもある。また、決闘を趣味としており、勝利者の要求は何でも受け入れるというルールを己に課している。
- 元々の苗字は『山田』だったのだが、マッサイに日本中の管理コンピュータにハッキングを仕掛けられて『悪田』に変えられてしまったため、彼に対して復讐を誓っている。
- 専門はナマモノ(生物学?)らしいが、ロボットを作ったり、服だけを溶かす液体など、マッサイ同様様々な分野に秀でている。右目に謎の機械を装着しており、ビームが出るらしい(体験版のみで、製品版では特に触れられていない)。
- ドッペルゲンガー
- 魔界の殺し屋を自称する、変身能力を持った霧状の魔物。変身についての詳細は用語集にて述べる。因みに本来の身体では明確な実体を持たないため何もする事が出来ず、しかも人間界ではそのままでいると蒸発してしまうため、半ば自身の延命手段として変身を行っている。その哀れな境遇や、表シナリオ・裏シナリオ共に比較的重要なファクターという事もあってか、人気は上々。
- 同グラフィックで『ランプの魔人』という似て非なるキャラもいる。
- 予告のお姉さん
- シルフェイド見聞録よりゲスト出演。設定は全くと言って良いほど変わっておらず、素敵な笑顔で凶悪な事をさらりと言ってのける、このゲームに於ける最大の危険人物。予告の内容も今までに輪をかけていい加減且つでたらめであり、今作では卑猥な内容も増えて更にパワーアップした。しかしながら予告の中にはさりげなく大量の伏線が張られており、注意深く読み解くと非常に面白い。
[編集] 用語集
- アクアフロート
- 本州沖合いに位置する人工島。因みに埋め立て地ではなく、海上に浮いている。ゲームの舞台となる三号島の存在から、少なくとも三つ以上の島があると推測される。日本人なら小学生でも知っているほど有名。具体的な位置は不明だが、羽田から飛行機で二時間の所にある。水深の深い場所にあるという記述もある。
- 実験都市として運営されている側面があり、そのためあらゆる最先端技術が集約された都市である。電車は全てリニア 、金銭のやり取りは全てICカードで行われ、各施設の電子機器も非常に充実している。天災への対策も完璧であり、降雨・降雪はおろか、津波が来ても流されたり沈んだりといった事はない。
- 異常ともいえるセキュリティシステムを誇り、町中の至る場所に監視カメラや盗聴器が仕掛けられている。これは公道や個人住宅はおろか、男子トイレの個室や果ては個人のICカードや携帯電話にまで及んでいるほどで、加えて宇宙からの監視衛星まである。その甲斐もあって、犯罪発生率はほぼ0%であるが、すぐ捕まってしまうものの未だ銃や麻薬の所持者は多い。(序盤で示唆されることだが、これは本編の伏線となっている)。また、稀に監視カメラの及ばない場所があり、目的に応じて犯罪行為その他に利用されることがある。
- 学業の面でも充実が図られ、学校では大した手続きもなしに転入することができる。成績がよい者、親が死亡した者などは、家賃を免除されたり、金銭的な援助を受けることもできる。
- 施設はショッピング街からゲームセンターまで幅広く取り揃えられており、そのどれもが相当の規模を誇る。また中央公園や海岸公園といった景観の美しいスポットもあり、観光地としても機能させるつもりである事が伺える。
- 名前の由来や設定などは、恐らく『メガフロート』をもじったものと思われる。
- 薙島高校
- シシトが通う男子校。公立・私立などの区別は作中では不明。アクアフロートの施設だけあって、電子黒板やオートロックなど非常にハイテクな設備が多い。生徒証も各個人が携帯しているICカードにインストールするものである。前述の通り転入が非常に容易であるため、転校生が非常に多い(リョウヘイ曰く「一ヶ月に一人は来る」との事)。そのためか机や椅子が不足気味の模様。遅刻者には非常に厳しい措置が取られているが、具体的にどのようなものであるかは不明。成績に応じてクラス分けがされているのも特徴の一つ(因みにシシトはD組)。シルフェイド見聞録のノーマ学院ほどではないが、奇人変人の巣窟である。
- ICカード
- マイクロチップが内蔵された、財布や身分証明書代わりになるカード。アクアフロートでの金銭のやり取りは全てこのICカードで行われる。随所にプリペイドチャージャーが設置してあり、現金を入手した場合でも即チャージすることが可能(ゲーム中は自動で行われる)。ゲーム中ではチャージしている金額もアイテム名と同時に表示される。買い物の際は画面右上に別個に所持金が表示される。
- 余談だが、画面右上の所持金表示は二次創作でも表示させることが可能である。しかし、都合上必ず0円になってしまうためか、マニュアルなどでの表記はない。
- マジカルパレス
- 女神様が統治する、魔物の脅威から平和を守る組織。魔法の素質がある人間のもとへ使者を送り、共に悪と戦うために協力を要請するのが主な活動内容。使者達も様々な訓練を受けており、魔法少女の戦いをサポートする。ファンタジックな名前とは裏腹に、組織としての体裁は会社だったり(リスは自身を正社員と言っていた)、本社はシカゴにあるなど、現実的な側面がある。ただしどこか違う次元にあるという話もあり、真相は不明である。
- 魔法少女
- マジカルパレスからスカウトされた、平和を守る正義の味方。作品中ではナナシが該当する他、追加シナリオでのシェルティーの存在が確認されている(今のところ、シェルティーのマジカルパレスとの関連性は不明)。リスの発言を見る限りでは、他にもスカウトされて魔法少女になった人間がいるようだ。基本的には魔法を使って戦うが、攻撃魔法しか使えない(補助魔法は、マジカルパレスで専用の訓練を受けないと使えないため)。因みに、ナナシのように全く魔法が使えず、格闘術で戦うといった例はあまり無い模様。
- 肉体は常人のそれより遥かに強いが、流石に生身の人間である事には変わりないため、銃弾などをまともに受ければあっさりと死んでしまう。姿は女神様の趣味で決まるらしく、体の一部が動物に変化しており、またその動物の身体的特徴が得られる(これらの特徴は、過去作品のトーテムの特徴と類似している)。その他にも電気で動くカメラには映らないという特性がある。
- 余談だが、魔法は普通の人間でも使う事ができる。が、殆どの人間はそもそも魔法の存在自体を知らないため、実質的にマジカルパレス関係者及び魔物達の専売特許となっている。
- 魔物
- 魔法の世界(魔界)からやってくる、人間に害する生物。電気で動くカメラに移らないという特性がある。悪の手が迫っているはずのアクアフロートは何故か魔物の数は極端に少ない(悪の手が迫っていること自体は間違いではない)。因みに、電気のカメラに映らなければ魔物と見なされるらしい(魔法少女は別)。「地球外生物=魔物」という解釈も作中で見られる。
- ある事情により、魔法少女には魔物との交戦が必要不可欠であり、万が一周辺に魔物がいない場合、女神様に弱めの魔物を召喚してもらえる。
- 変身
- 本作では二通りの意味があり、一つは魔法少女への変身能力である。
- こちらはマジカルパレスにより資格を認められた人間に与えられる能力で、変身後の姿は常に一定となっている。また、魔法少女には決して他の人間に正体を知られてはならないという掟があり、その危険がある状態では変身及び変身解除を行う事が出来ない。他にも幾つかの制約や条件があり、それらのためにナナシは散々苦労させられるハメになる。
- もう一つの変身は上述したドッペルゲンガーという魔物の固有能力で、こちらは任意の対象に擬態する能力である。
- 変身を行うには二つの条件があり、一つは対象が既に死亡している事、もう一つは対象の身体能力や魔力などが一定水準以下である事。これらを満たしていない対象には変身できないか、変身に成功しても不完全な状態となり、能力などが大幅に劣化してしまう。
- 変身に成功すると、対象の所持品や衣服などを除き、容姿や元々持っていた能力、記憶などをそっくりそのままコピーする事が出来る。しかし、同時に自身の自我も失われてしまうという致命的な欠点も併せ持っている。そのため、必然的に任意での変身解除も出来なくなり、変身後は再び死なない限り、永遠にそのままの状態を維持する事になってしまう。しかも変身を解除してしまうと記憶や能力を全て失った上で元の姿に戻るため、魔物側にとってはまるで役に立たない能力であったりする。そのために、ドッペルゲンガーは単なる蘇生手段として扱われてしまう事となる。
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カテゴリ: 分割提案 | アドベンチャーゲーム