ジェノザウラー
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ジェノザウラー(GENO SAURER)は、タカラトミー(旧トミー)より発売されているゾイドシリーズのひとつであり、またその背景設定に登場する架空の兵器である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] キット
本機専用に開発された動力部を有し、単四電池2本で稼動する。歩行ギミックは、リンク機構により膝及び足首を能動的に駆動する形式である。連動ギミックとして、尻尾の左右振り、腕(前脚)の前後振り及びこれに連動した手の開閉、並びに下あごの開閉を行う。尻尾を引きずらない、いわゆる新解釈の獣脚類のスタイルを再現した(発売時は完全二足歩行と称した)ため、尾の振りとあいまって身体全体をうねらせるような荒々しい歩行を見せる。
電源の3V化の恩恵として、眼には赤色LEDによる電飾が施されている。また、歩行中に周期的なスピンアップ音を発生することが凶悪さを演出しているが、これは意図されたものではなく、単に小電力の電源に負荷の変動が大きい歩行ギミックを組み合わせた結果である。
手動ギミックとして、旧ゾイド以来の各火器の旋回及びコクピット(胸部)の開閉に加えて、主兵装である荷電粒子砲の発射姿勢を再現するため、頭部の姿勢変更(下げ)、頸部・尾部放熱部カバーの開放及び脚部反動吸収アンカーの展開を行うことができる。特に頭部の下げと連動して砲口を内蔵した口が大きく開く機構が特徴的で、この状態では、いわば「顎が外れた」状態になるため、連動ギミックとしての口の開閉は作動しなくなる。
[編集] 機体解説
ジェノザウラー GENO SAURER |
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番号 | EZ-026 |
所属 | ガイロス帝国 |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 23m |
全高 | 11.7m |
重量 | 112t |
最高速度 | 260km/h |
武装 | 集束荷電粒子砲 アンカー ロングレンジパルスレーザーライフル×2 レーザーセンサー ハイパーキラーファング ハイパーキラークロー×2 レーザーガン ハイパーストライククロー×2 |
ガイロス帝国軍のティラノサウルス型大型ゾイド。新シリーズ最初の新型ゾイドでもある。名称、デザインともデスザウラーの多大な影響が見られるが、最近の古生物学の解釈を取り入れて直立型から前傾姿勢に改められている。初めてオーガノイドシステムを搭載し、登場時点では最強クラスの攻撃力を有したゾイドであった。最大の武器は口腔内に装備した集束荷電粒子砲で一撃で中型ゾイドを蒸発させる威力を持つ。背部のレーザーライフルも同クラス機の主砲級。機動性、格闘能力もシールドライガーを凌駕している。高性能かつ多機能だが、そのぶん高速戦闘に特化したブレードライガーには後れをとってしまった。また、操縦が非常に困難になっており、乗りこなせるものが少ない。後に出力を引き下げて安定性を高めた量産型が登場した。
[編集] 作中での活躍
- バトルストーリー
バトルストーリーではテストパイロット、リッツ・ルンシュテッドが搭乗。ZAC2099年、次期主力ゾイド候補として採用をかけた模擬戦闘でレッドホーンGCとセイバータイガーATを一瞬にして葬り、その高性能を見せつける。初陣のエルガイル海岸上陸戦では共和国軍守備大隊を収束荷電粒子砲の一掃射で壊滅状態に追い込んだ。その後は相次いで投入される新型機の間に埋もれていったが、それでも量産型が各地の戦闘に登場している。
- アニメ
アニメ『ゾイド -ZOIDS-』ではデスザウラー復活計画において偶発的に生まれ、主人公バンの宿命のライバル、レイヴンの乗機として第21話「荷電粒子砲」で初登場。第33話「宿命の対決」でバンにより撃破されている。 第43話「皇帝の休日」にてカラーリングが変更され再登場。トーマのディバイソンが放ったメガロマックスと荷電粒子砲を対峙させ、ディバイソンを中破、トーマを重症に追いやった。 第66話「滅びの刻」にて3機の搭乗者不明(無人?)のジェノザウラーがジェノブレイカーに襲い掛かったが、1機はエクスブレイカーで首を切られ、2機目は頭部のブレードで荷電粒子砲の発射口を突かれ、3機目は牙で首を落とされ大破した。
[編集] 機体バリエーション
- プロトブレイカー
- ジェノブレイカーの先行試作機として作られた改造ジェノザウラー。ジェノブレイカーのフリーラウンドシールドは未装備だが、左右一基ずつのエクスブレイカーとCP-11マニューバースラスターユニットによってブレードライガーと互角に戦える戦闘力を持つ。西方大陸戦争において北ルートを通って撤退する撤退部隊を救出するため、ジェノトルーパーと共に特殊部隊に編成されて派遣された。
- ジェノトルーパー
- マグネッサーシステムを搭載した翼を装備し、飛行能力を得たジェノザウラー。とは言え、飛行ゾイドのように空中を自由に飛ぶと言うよりグライダーのように空中を滑空するものだと思われる。西方大陸戦争において北ルートを通って撤退する撤退部隊を救出するためにプロトブレイカーと共に特殊部隊に編成されて派遣された。だが、デススティンガーの暴走に巻き込まれ、プロトブレイカー共々破壊される。
- ジェノザウラーホロテック
- ビームなど光学兵器反射用の特殊クリア装甲を施したジェノザウラー。ガイロス帝国の高い技術力をもってしても実用段階に至らない実験機だが、暗黒大陸の戦いに投入された。元々はジェノザウラー・スペシャルカラーバージョンクリアブラックの名称で2003年7月18日ごろに発売されたトイザらス限定のゾイドである。
- サイコジェノザウラー
- アニメ『ゾイド -ZOIDS-』に登場。ジェノブレイカーのゾイド因子を複製して作り上げたリーゼ専用の青いジェノザウラー。戦闘能力はレイヴンのジェノザウラーとほぼ同等かそれ以上。頭部にはジェノブレイカーのブレードを取り除いた代わりに小型の2連装ビーム砲を装備し、脚部にはディバイソンのミサイルポッドに酷似した幻影発生装置が搭載されている。ただし、ゲームなどではこの装備は普通の8連装ミサイルポッドとされる。
[編集] ジェノブレイカー
ジェノブレイカー GENO BREAKER |
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番号 | EZ-034 |
所属 | ガイロス帝国 |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 23m |
全高 | 13.7m |
重量 | 137.5t |
最高速度 | 345km/h |
武装 | 集束荷電粒子砲 レーザーチャージングブレード NZR複合センサー エクスブレイカー×2 荷電粒子コンバーター(ウイングスラスターパック基部) フリーラウンドシールド×2 ウイングスラスター×2 ウエポンバインダー×2 AZ80mmビームガン×2 マイクロポイズンミサイルポッド×2 アンカー×2 AZ140mmショックガン×2 ハイパーキラーファング ハイパーキラークロー×2 ハイパーストライククロー×2 |
ブレードライガーと交戦したリッツの意見を基にブレードライガーの高速格闘性能を超えるため、ジェノザウラーを強化した機体。カラーリングは赤に変更されている。副腕として装備されたフリーラウンドシールドとエクスブレイカー、頭部の可変レーザーチャージングブレード。巨大な可変式スラスターを追加装備し、格闘力、機動性、防御力ともブレードライガーを凌駕している。射撃能力についても脚部に装着されたウェポンバインダー、背中の荷電粒子コンバーターにより荷電粒子砲の出力が30%向上し、連射、高機動中の射撃が可能となった。
後に同系のバーサークフューラーや凱龍輝が開発されているが、機動性や格闘力は今なおジェノブレイカーが優る。しかし余りに性能を重視しすぎたため操縦性はさらに悪化しており、現存するゾイドの中で最も扱いの難しいゾイドの一つとなった。エースパイロットの中でも乗りこなせるものは更に一握りと言われるピーキーな機体になってしまい生産数が極端に少ない。
[編集] 作中の活躍
- バトルストーリー
バトルストーリーではヘスペリデス大橋の撤退戦において、常識外れの3000キロを半日で走破してのけた直後に、量産型とは言えブレードライガーを目論見どおり一蹴。空中からの粒子砲で橋桁を粉砕して見事追撃部隊を阻止した。その後、宿敵アーサー・ボーグマンのブレードライガーABと死闘を演じ、さらにデススティンガーを打ち破る、知られざる英雄的行為でファンブック2をしめくくっている。
- アニメ
アニメゾイド -ZOIDS-では第47話「魔獣新生」においてエヴォリューション・コクーンによりジェノザウラーから進化。シャドーと合体して発揮できるフルパワーは制限時間わずか3分。だがその戦闘力は非現実的なまでのレベルに達しており、師団単位の戦力を瞬く間に壊滅に追い込んでいる。実は正面対決においてバンは一度もジェノブレイカーに勝利していない。(第57話「悪夢」で決着がつきかけたが、デススティンガーが放った荷電粒子砲の妨害を受けた。)最終話(第67話「明日への帰還」)においてはヒルツの操る完全体デスザウラーに捨て身の突撃を敢行するバンに対し、デスザウラーのEシールドを破って防御力を半減させる好アシストを見せた。バトルストーリーの機体とスペック以外の相違点として、Eシールド展開機能を有している。
- ジェノブレイカージェット(※1)
- ZOIDS妄想戦記「双子の魔女」で、格闘力と運動性能を強化し、黒色のステルスコーティングを施した特殊任務用として登場。霧深い山岳地帯のゲリラ戦で現地人勢力に運用され、地の利を活かして活躍し共和国軍に恐れられたが、ゴジュラスギガの前に敢えなく倒れた。パイロットは双子の姉のアイダベル。トイズドリームプロジェクトで限定販売された。ちなみにジェットとは黒玉の意。
- ジェノブレイカージェット(※2)
- 「双子の魔女」に登場したジェノブレイカージェットには、通常型と同形機(※1)と、簡易生産型の頭部と、副腕に展開式大型ブレードを持つ機体(※2)の二種が存在した。(※2)には双子の妹のフローラベルが搭乗。