バーサークフューラー
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バーサークフューラー(BERSERK FÜHRER)は、タカラトミー(旧トミー)より発売されているゾイドシリーズのひとつであり、またその背景設定に登場する架空の兵器である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 機体解説
バーサークフューラー BERSERK FÜHRER |
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番号 | EZ-049 |
所属 | ガイロス帝国 ネオゼネバス帝国 バックドラフト団/チーム・ベガ(スラッシュゼロ) チーム・サベージハンマー(フューザーズ) |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 22.7m |
全高 | 12.3m |
重量 | 127t |
最高速度 | 340km/h |
武装 | 荷電粒子砲 荷電粒子ジェネレーター×3 アンカー バスタークロー(マグネーザー/Eシールド/AZ185mmビームキャノン)×2 ハイマニューバスラスター×2 バーニアスラスター×10 エレクトロンファング ストライクスマッシュテイル ストライクレーザークロー×2 ストライククロー×2 |
ライガーゼロの兄弟機として開発された鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)の旗艦ゾイド。ティラノサウルス型の完全な野生体をベースとした事で、オーガノイドシステムに匹敵するパワーを手に入れた。計算上の戦闘力はジェノブレイカーをも凌ぐとされる。最大の武器は背部に2基装備された「バスタークロー」であり、これは高速回転ドリル「マグネーザー」と基部のAZ185mmビームキャノン、Eシールドを併せ持つ攻守に優れた万能兵器である。この武装は後に改良型がライガーゼロファルコンにも装備された。口腔内に装備された荷電粒子砲は集束式と拡散式の切り替えが可能になっている。
バーサークフューラーにはライガーゼロ同様、「チェンジングアーマーシステム(CAS)」が搭載されており、戦局に合わせて装備を換装させることが出来る。しかし、実戦に投入されたのはカスタマイズパーツCP-27 シュトゥルムユニットに換装したシュトゥルムフューラー及びそのバリエーション機であるシュトゥルムテュランだけであり、それ以外の装備はメーカー元のトミーの方針の転換によって廃案となった。なお、後に開発されたヘリック共和国軍のゾイドである凱龍輝にはバーサークフューラーの素体が流用されている。
鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)司令ヴォルフ・ムーロアの愛機としてヘリック共和国軍閃光師団(レイフォース)所属のレオマスター、レイ・グレック中尉のライガーゼロと死闘を繰り広げた。最初はレイに敗北するもその後はレイと同じく愛機の本能を信じ、装甲を全て外して精神リンクだけで機体を動かし、レイのライガーゼロと相討ちに持ちこんだ(両者とも生還)。
アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』では伝説的存在となっており、「アルティメットX」とも呼ばれる。バックドラフト団が海底から発掘し、ゾイドウォリアーには10歳の少年ながら天才的ゾイド乗りであるべガ・オブスキュラが選ばれた。4年に一度の祭典ロイヤルカップの最終局面で主人公ビット・クラウドのライガーゼロと激闘を繰り広げる。
[編集] 機体バリエーション
[編集] シュトゥルムフューラー
シュトゥルムフューラー STURM FÜHRER |
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所属 | ネオゼネバス帝国 |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 23.4m |
全高 | 14.4m |
重量 | 140t |
最高速度 | 450km/h |
追加武装 | アクティブシールド(エクスブレイカー)×2 シュトゥルムブースター ヘッドアーマー |
バーサークフューラーにカスタマイズパーツCP-27 シュトゥルムユニットを装備した高速格闘戦形態。
巨大なシュトゥルムブースターにより最高速度は450km/hにまで向上し、圧倒的な機動力と荷電粒子砲による火力を活かした高速機動戦を得意とする。アクティブシールドはガンブラスターの一斉砲撃を受け止めるほどの防御力を持つ。だが、パイロットに著しい負担をかけてしまうので実戦に投入されたのはごく僅かであり、鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)による中央大陸制圧時にのみその姿を確認出来た。
[編集] シュトゥルムテュラン
シュトゥルムテュラン STURM TYRANN |
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所属 | ネオゼネバス帝国 |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 22.7m(プロイツェンの反逆より) |
全高 | 15.2m(プロイツェンの反逆より) |
重量 | 145.0t(プロイツェンの反逆より) |
最高速度 | 400km/h(プロイツェンの反逆より) |
追加武装 | 荷電粒子砲 エレクトロンファング ストライクレーザークロー×2 ストライククロー×2 ストライクスマッシュテイル 荷電粒子ジェネレーター×3 アンカー×2 スラスター×10 イオンブースターパック シュトゥルムブースター×2 ハイマニューバスラスター×2 アクティブシールド(エクスブレイカー)×2 |
シュトゥルムフューラーのうち、深紅の機体がシュトゥルムテュランと呼ばれる。ゾイドバトルストーリーにおいてはゾイド公式ファンブック4巻の中央大陸へ侵攻する鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)の中にその姿が確認できる。
初出は『ZOIDS妄想戦記』「紅の未来・黒き過去」。こちらでは「ネオゼネバスの紅い疾風」ことカール・ウェンザー(妄想戦記劇中での表記はカール・ウィンザー)少佐の駆る赤いパーソナルカラーのシュトゥルムフューラーである。また、テュランとはバーサークフューラーの第二次生産ロットとされている。
成型色を変更したバーサークフューラー及びカスタマイズパーツCP-27 シュトゥルムユニットを同梱したキットが、2003年05月29日頃ハピネット加盟店にて定価4980円で限定発売された。
[編集] バスターフューラー
バスターフューラー BUSTER FÜHRER |
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番号 | FZ-006 |
所属 | チーム・サベージハンマー(フューザーズ) |
分類 | ティラノサウルス/ワシ型 |
全長 | 24.5m |
全高 | 16.5m |
重量 | 151t |
最高速度 | 340km/h |
武装 | 荷電粒子砲 荷電粒子ジェネレーター×3 アンカー バスタークロー(マグネーザー/Eシールド/AZ185mmビームキャノン)×2 ハイマニューバスラスター×2 バーニアスラスター×10 エレクトロンファング ストライクスマッシュテイル ストライクレーザークロー×2 ストライククロー×2 バスターキャノン×2 対空ミサイル×4 対地ミサイル×4 爆撃用ボム×2 |
バーサークフューラーとバスターイーグルのユニゾンゾイド。アニメ『ゾイドフューザーズ』にて、主人公・RDのライバルであるブレードが搭乗する。ただでさえ強力な武装と性能を誇るバーサークフューラーに、バスターイーグルの強力な実弾射撃能力と飛行能力を持たせた機体だが、劇中ではあまり活躍できず、エナジーライガーによって再起不能にされてしまった。
紫味を帯びた白だった装甲の成型色をわずかに濃くしたバーサークフューラー、ブラウンだった嘴や爪の成型色を赤に変更したバスターイーグル、新規ユニゾンパーツ及びシールを同梱したキットが2004年09月頃定価5229円で発売された。
[編集] ヤクトフューラー
バーサークフューラーの砲撃戦形態。ライガーゼロパンツァー同様、長距離キャノンと多数のミサイルポッドで火力を強化されている。CASの一つとして設定が起こされていたが廃案となり、商品化されなかった。後にZOIDS SAGA シリーズに登場した。
[編集] ゼネバスバーサークフューラー
ZOIDS SAGA シリーズに登場するバーサークフューラーの超高速形態。最高速度は600km/hに至り、ミサイルポッドで武装している。
[編集] バーサークフューラーシャドーエッジ
漫画『機獣新世紀・ZOIDS』に登場するレイヴン仕様のオリジナル機体。オーガノイド・シャドーとの融合状態での運用を前提として博士(ドクトル)Fによりカスタマイズされたバーサークフューラーで、その戦闘力はデススティンガーを凌駕する。ベース機では背部にバスタークローとハイマニューバスラスターを装備していたが、シャドーエッジとなった際にこれらの装備はオミットされた。主な武装は口腔内の荷電粒子砲と、背部及び脚部に装備された8枚のレーザーブレード。このブレードを一斉に展開、敵機に斬りかかる必殺モード(※1)を持つ。シャドーが真の主であるプロイツェンの元へと去った為、シャドーなしで稼動させることを前提にデチューンしたバーサークフューラー・クアドラエッジ(狂帝龍 四重翼)というバージョンも存在する。シャドーを失ったことで総出力が低下したため、ブレードを4枚に減らしているものの、同時に機体の軽量化も果たしており格闘戦性能はシャドーエッジと比較して遜色ないレベルに仕上がっている。
(※1) 作中では堕天使光翼刃(ルシファーブレード)という名称がついているが、後に出たクアドラエッジの注釈とで使われ方が違っており、ブレード自体の名前なのか必殺モード名なのか判然としない。
[編集] 凱龍輝
凱龍輝 GAIRYUKI |
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番号 | BZ-070 |
所属 | ヘリック共和国 |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 23.8m |
全高 | 12.6m |
重量 | 118.0t |
最高速度 | 290km/h |
武装 | 集光荷電粒子砲 バイトファング キラークロー×4 集光パネル×11 イオンブースター×2 コアブロック×2 ビームバルカン×4 マグネッサーウィング×2 |
ヘリック共和国軍のティラノサウルス型ゾイド。バーサークフューラーのリデコ商品であり、バトルストーリーでも「共和国製バーサークフューラー」という設定で登場した。
2003年8月28日発売のRZ版キットに付属するバトルストーリー(ゾイドファンブックEX)ではネオゼネバス帝国の新型ゾイド、セイスモサウルスによって中央大陸は完全に制圧され、それに伴いヘリック共和国軍残党は東方大陸へ撤退していた。共和国軍はその劣勢を挽回すべく、ガイロス帝国より供与されたティラノサウルス型野生体及びその技術、共和国軍のゴジュラス系ゾイドの製造技術、ZOITECのBLOX技術を集約し、集光パネルを装備した「対セイスモサウルス用ゾイド」として凱龍輝を極秘裏にロールアウトした。初戦では原型機であるバーサークフューラーを撃破する活躍を見せている。
凱龍輝の特徴である「ブロックスチェンジングアーマーシステム(B-CAS)」とは、装甲を分離しサポートブロックスとして運用するシステムである。分離した装甲は鳥型の飛燕、カブトガニ型の月甲の二体のゾイドブロックスとして、それぞれ上空と水中から凱龍輝本体を支援し、また他のゾイドの強化パーツともなる。凱龍輝で確立されたB-CASの技術がライガーゼロフェニックス、さらにライガーゼロファルコンへと発展する。
「集光パネル」とは凱龍輝に搭載された新しい防御システムである。敵のビームエネルギーを吸収し、さらにそれを自機のエネルギーとして活用する事が可能となっている。これによって増幅したエネルギーから繰り出される「集光荷電粒子砲」は、このクラスのゾイドとしては最高レベルの破壊力を誇る。このシステムの発展型が後にRZ-075 レイズタイガー(GZ-008 ソウルタイガー)に搭載された。
凱龍輝はディスペロウ、エヴォフライヤーとの連携が想定されており、チェンジマイズ(合体)することで凱龍輝デストロイ、凱龍輝スピードと呼ばれる形態になる。またバスターイーグルのバスターキャノンの装着も可能であり、この形態は凱龍輝バスターと呼ばれる。
当初凱龍輝のB-CASは三体のブロックスに分離する事が考えられており、ホビージャパン誌上では三体目のブロックスであるイノシシ型の雷電の自作コンペが行われる筈であったがうやむやになった。その後、アニメ『ゾイドフューザーズ』放映時に雷電を作る事の出来る追加パーツを加えたFZ-018 凱龍輝・真が発売されたが、アニメでは雷電は未登場である。
[編集] 凱龍輝・真
凱龍輝・真 GAIRYUKI SHIN |
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番号 | FZ-018 |
所属 | チーム・サベージハンマー(フューザーズ) |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 23.8m |
全高 | 12.6m |
重量 | 125.0t |
最高速度 | 280km/h |
武装 | 集光荷電粒子砲 バイトファング キラークロー×4 集光パネル×12 イオンブースター×2 コアブロック×3 ビームバルカン×4 マグネッサーウィング×2 AZ電磁キャノン 4連装マルチプルキャノン AZサーチセンサー |
アニメ『ゾイドフューザーズ』での凱龍輝の登場に際し、上記の凱龍輝に雷電用の新規パーツを追加、シールを変更して2004年12月頃定価3360円で発売されたキット。ただし雷電はキットオリジナルであり、フューザーズ劇中には登場しない。また、キットでは解説されていない飛燕の機首(凱龍輝の尾部先端の装甲にあたる)の火器が、劇中で使用されている。
[編集] 作中での活躍
- バトルストーリー
バトルストーリーではセイスモサウルスの超収束荷電粒子砲(ゼネバス砲)を吸収するなどの活躍を見せた。凱龍輝がゼネバス砲を吸収している間にディメトロプテラが電子戦の主導権を握り、ゴジュラスギガで接近戦を挑むという戦法がとられたようである。
- アニメ
アニメ『ゾイドフューザーズ』ではバスターフューラーに替わり、ブレードが搭乗する新たなライバル機として登場した。ファイヤーフェニックス、アイアンコング、ディメトロプテラなどを破壊してその高い性能を見せつけ、最終的にはライガーゼロファルコンと協力してアルティメットセイスモに立ち向かっている。また、ディスペロウやエヴォフライヤーとの戦闘に勝利しこれらを従え、Ziユニゾンを果たして凱龍輝デストロイ、凱龍輝スピードとなった。
- その他
ソイドカードコロシアムではレベル9のカードであり、ブレードが搭乗することで「凱龍輝デストロイ」にバリエーションチェンジする。