ジョン・アンダーソン
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ジョン・アンダーソン(Jon Anderson, 1944年10月25日 - )はイギリスのミュージシャン、ヴォーカリスト。プログレッシブ・ロック・バンド、イエスのリード・ヴォーカリストである。
ザ・ウォーリアーズ、ザ・ガンといったバンドを経て、1968年にメイベル・グリアーズ・トイショップに在籍していたクリス・スクワイアと出会う。意気投合した彼らはビル・ブラッフォード、ピーター・バンクス、トニー・ケイと共にイエスを結成し、1969年にデビュー・アルバム『イエス・ファースト・アルバム』を発表する。1976年には初のソロ・アルバム『サンヒローのオリアス』を発表している。
1979年にリック・ウェイクマンと共にイエスを脱退する。その後しばらくソロ活動を行うが、1983年にイエスに復帰し『ロンリー・ハート』が大ヒットを記録する。しかし、音楽性の違いからまたしてもバンドを脱退。1989年にはイエスのキャリア中に出会ったメンバーとアンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ名義でアルバム『閃光』を発表している。
目次 |
[編集] ディスコグラフィ
[編集] ソロ
- 1976 Olias of Sunhillow(邦題:サンヒローのオリアス)
- 1980 Song of Seven
- 1982 Animation
- 1985 3 Ships
- 1988 In The City of Angels
- 1994 The Best of South America
- 1994 Deseo
- 1994 Change We Must
- 1995 Angels Embrace
- 1996 Toltec
- 1996 Lost Tapes of Opio
- 1997 The Promise Ring
- 1997 Earth Mother Earth
- 1998 The More You Know
[編集] コラボレーション
- 1980 Short Stories
- 1981 The Friends of Mr. Cairo
- 1983 Private Collection
- 1984 The Best of Jon & Vangelis(ベスト盤)
- 1991 Page of Life(Arista盤)
- 1991 Wisdom Chain(CDシングル)
- 1994 Chronicles(ベスト盤)
- 1998 Page of life (OmTown盤)
[編集] サンヒローのオリアス
『サンヒローのオリアス(Olias of Sunhillow)』とは、ジョン・アンダーソンが1976年5月に発表した初のソロ・アルバムである。当時、イエスのメンバー全員が順にソロ・アルバムを出すという企画が遂行されており、『サンヒローのオリアス』は、その企画の最後を飾る作品として発表された。同アルバムはイギリスのメロディ・メーカー誌のアルバム・チャートで最高12位まで上昇し、本企画最高の売り上げを記録している。
公式には、このアルバムの歌唱及び殆どの演奏を、ジョン・アンダーソン自身が手がけたという事になっている。ところがアルバム・ジャケットにはヴァンゲリスの名前がクレジットされ、日本盤CDに至っては、帯にデカデカとヴァンゲリスの名前が記載されていた。
さらに作品を聴いてみると、シンセサイザーやハープのアレンジや演奏が、どう聴いてもヴァンゲリス独特のサウンドであった為、聴いた者の多くが、この作品は実質的にはジョン・アンダーソンとヴァンゲリスの共同制作である、と受け取った。実際、当時のヴァンゲリスが所属していたRCAの上層部もそう思い、ヴァンゲリス本人に真相を問いただしたと伝えられている。この後ヴァンゲリス側は、「このアルバムには参加していない」と正式にコメントした。
この時期、イエス及びジョン・アンダーソンはアトランティック・レコードと契約しており、一方ヴァンゲリスはRCAと契約していた。所属のレコード会社が異なるアーティストがそれぞれの作品に参加する場合は、それぞれの会社に許可を貰う必要がある。『サンヒローのオリアス』の場合は、RCAのヴァンゲリスが、アトランティック・レコードのアーティストであるジョン・アンダーソンのアルバムに参加する許可を貰わなければならなかったのだが、いかなる理由か、許可は得ていなかった。
そういった経緯で、『サンヒローのオリアス』は公式にはジョン・アンダーソンのソロ・アルバムとなっている。