ジョン・ハート
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ジョン・ハート(John Hurt, 1940年1月22日-)は、イギリス出身の俳優。本名John Vincent Hurt。
父は聖職者。一家の期待もあり画家を志していたが、学生時代に断念。代って興味を持った芝居の世界に惹かれて舞台に立った結果、好評を博した。1962年、本格的に初舞台を踏み、66年に初出演を果たした映画『わが命つきるとも』での高い演技力で注目された。
以降は映画を中心に活動の拠点を置き1971年の『10番街の殺人』、翌72年『二人だけの白い雪』のヒットで一気に知名度があがる。70年代後半からはTVシリーズにも出演。『裸の公僕』が代表作となった。日本ではオスカーにノミネートされた『ミッドナイト・エキスプレス』やハリウッドのSF大ヒット作『エイリアン』のクルー役あたりで名前が知られる。
そして、デヴィッド・リンチ監督のカルト的な人間ドラマ『エレファント・マン』では、特殊メイクで扮した悲劇の青年ジョン・メリック役で「エレファント・マン」になりきり、再びオスカーにノミネートされている。
以降は、知的で心優しい父親や教師、中年男性役で登場。演技力を生かして悪役や時代物の独裁的権力者など、幅の広い役柄を演じきった。80年代はなかでも『気球の8人』、『バイオレント・サタデー』、『チャンピオンズ』の熱演が光った。マイケル・ラドフォード監督作、ジョージ・オーウェル原作の近未来SF大作『1984』では、国家権力に翻弄されながらも意志を貫く悲劇の主人公を好演。
90年代、2000年代も作品に恵まれ、名バイプレーヤーの域に達している。また、『サバンナ・スピリット/ライオンたちの物語』などの子供向けの動物番組や、アニメーションにおいては優しい語り口でのナレーションで好評を博している。ラース・フォン・トリアー監督による「アメリカ三部作」でも彼の詳細なナレーションが決定的な役割を果たしている。
[編集] 出演作
- わが命つきるとも A Man for All Seasons (1966)
- 10番街の殺人 10 Rillington Place (1971)
- ミッドナイト・エキスプレス Midnight Express (1978)
- 指輪物語 The Lord of the Rings (1978) 声
- エイリアン Alien (1979)
- エレファント・マン The Elephant Man (1980)
- 天国の門 Heaven's Gate (1980)
- パートナーズ Partners (1982)
- リア王 King Lear (1983)
- バイオレント・サタデー The Osterman Weekend (1983)
- チャンピオンズ Champions (1984)
- 1984 Nineteen Eighty-Four (1984)
- ジェイク・スピード/熱砂の大冒険 Jake Speed (1986)
- ゴッホからの手紙 Vincent (1987) 声
- アリア Aria (1987)
- ベンガルの夜 La Nuit Bengali (1988)
- スキャンダル Scandal (1989)
- フランケンシュタイン/禁断の時空 Frankenstein Unbound (1990)
- ザ・フィールド The Field (1990)
- ラルフ1世はアメリカン King Ralph (1991)
- カウガール・ブルース Even Cowgirls Get the Blues (1993)
- セカンド・ベスト/父を探す旅 Second Best (1994)
- サイゴン・ベビー 1995年
- ロブ・ロイ/ロマンに生きた男 Rob Roy (1995)
- デッドマン Dead Man (1995)
- ワイルド・ビル Wild Bill (1995)
- ラブ&デス Love and Death on Long Island (1997)
- コンタクト Contact (1997)
- ロスト・ソウルズ Lost Souls (2000)
- コレリ大尉のマンドリン Captain Corelli's Mandolin (2001)
- ハリー・ポッターと賢者の石 Harry Potter and the Philosopher's Stone (2001)
- ドッグヴィル Dogville(語り)(2003)
- ヘルボーイ Hellboy (2004)
- マンダレイ Manderlay(語り)(2005)
- スケルトン・キー The Skeleton Key (2005)
- Vフォー・ヴェンデッタ V for Vendetta (2005)