ジル・ド・レイ
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ジル・ド・レイ(Gilles de Rais, 1404年 - 1440年10月26日、ジル・ド・レ、ジル・ド・レエとも)は、フランス王国のブルターニュ地方ナントの貴族。フランス元帥。
1404年生まれ。幼くして両親を失い遺言で禁じられていたにもかかわらず祖父に弟ともども引き取られた。甘やかされて育ったという。この祖父は領地を広げるためにジル・ド・レイを近隣の領主の娘と無理やり結婚させた。成長し軍人となると百年戦争のオルレアンの戦いにおいてジャンヌ・ダルクに協力し、戦争の終結に貢献し「救国の英雄」とも呼ばれた。
しかし、自分の領地に戻ると湯水のように財産を浪費し錬金術に耽溺。何百人ともいわれる幼い少年たちを手下を使って居城マシュクール城に拉致、虐殺することで性的興奮を得ており、それによる犠牲者は150人から1,500人だと伝えられている。それ以外に黒魔術にも傾倒した。そして、浪費が発端となり政敵となったナントの大司教を監禁した際にこれらの行為が発覚、告発され捕らえられる。公開裁判では、すべてを告白し泣きながら懺悔し、その場にいた人間たちに許しを請うた。このため絞首刑になり死体が火刑になった。火刑の際にレイの魂が救われるよう、民衆が祈りを捧げたと言う。但し、レイの評伝の一部は宗教裁判の審理において述べられたものであり、裁判官である司祭(財産を狙う政敵達)により故意に誇張された一面があることも否定できない。
ジャンヌが異端として捕らえられ、火炙りになったことから精神を病んだのだとも言われる。 のちに青ひげのモデルとなったと言われている。
[編集] ジル・ド・レイに関する著作
- 澁澤龍彦『異端の肖像』(幼児殺戮者)
- ミシェル・トゥルニエ『聖女ジャンヌと悪魔ジル』
- 清水 正晴『『青髯』ジル・ド・レの生涯』
- ジョリス=カルル・ユイスマンス『彼方』
- 篠田真由美『彼方より』
- 荻野真『孔雀王 退魔聖伝』
- 諸星大二郎『青ひげおじさん』