スクリプト言語
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スクリプト言語(-げんご)とは、アプリケーションソフトウェアやソフトウェアツールの動作内容を、台本(Script)のように記述するための、簡易的なプログラミング言語の総称である。
[編集] 概要
上記の意味より、さらに転じて、比較的単純なプログラムを記述するための、簡易的なプログラミング言語全般をいう。動的型付け言語を、スクリプト言語と呼ぶ定義もある。ただし、厳密な定義ないし区別は存在しない。いずれの場合も、多くはインタプリタ方式を採用している。
前者の例としては、Unixのシェルに対するシェルスクリプト、Emacsに対するLisp言語、Webブラウザなどに対するJavaScript言語が挙げられるだろう。
後者の例としては、Perl言語やPHPが挙げられる。Perl言語は、その初期においては、テキスト処理ツールの動作を記述するという前者の意味が強かったが、近年ではプログラミング言語として、後者の意味の点で発展したといえるだろう。
なお、大変まれながら、特定のソフトウェアを実装するために使用したプログラミング言語のことを、スクリプト言語と呼ぶことがあるので注意したい。この意味では、「記述言語」と呼ぶ方が望ましい。たとえば、Unixの記述言語はC言語である、といえる。
次のような定義もありえる。あるプログラム全体のビルドをやり直すことなく、ある機能を付け加えることを可能とするために用いる言語のこと。たとえばemacsに新しい機能を付け加えるために用意されたのがEmacs Lispであり、HTTPサーバーに機能を付け加えるために考えられたのがSSIやPHPである。これらは多くの場合インタプリタ方式で動作するが、Emacsの場合のようにコンパイルして高速に動作させる機構を有しているものもある。
スクリプト言語という名前は、いくつかの基本機能を順にならべて新しい機能を定義することだけでも十分に有用であることから、「台本記述」といった意味合いでつけられたものであろう。Flashがスクリプト言語と呼ばれるのは、まさに「台本」を記述するからであろう。しかし、簡易に動作を記述するだけではない。多くのスクリプト言語が十分に複雑な動作が記述できるよう、プログラミング言語としてのデータ構造記述、制御構造記述能力を備えている。
[編集] スクリプト言語の例
- ActionScript
- AppleScript
- Groovy
- HSP
- HyperTalk
- JavaScript
- JCL
- LotusScript
- Perl
- PHP
- Python
- REXX
- Ruby
- Scheme
- SuperTalk
- Tcl
- VBScript
- シェルスクリプト
[編集] 関連項目
- 軽量プログラミング言語(Lightweight Language)
- マクロ言語
- グルー言語