スズキ・GSX1300Rハヤブサ
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GSX1300R Hayabusa(ジーエスエックス1300アール ハヤブサ)はスズキ株式会社が開発した、輸出市場向けの4ストローク並列4気筒1300ccのモーターサイクル。
メーカーではスーパースポーツを超える究極のマシンとして、アルティメットスポーツと呼んでいる。
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[編集] 沿革
1998年9月に開催された、ドイツインターモトショー98に発表され、1999年に発売された。
なお、名称に隼が与えられており、小型の猛禽類である隼が、時速300km/h以上の速度で飛ぶことができることや、食物連鎖の頂点に位置しているることから、GSX1300Rも公道用車両の頂点に、そして後述する最高速度300km/hを超える性能を持って君臨するようにと、名づけられた。
そして最大の特徴として挙げられたのが、ただのハイスピードツアラーマシンではなく、当時量産市販車では最速であるCBR1100XXの持つ最高速度300km/hを超える性能を純正状態で可能にした事であった。この記録はギネスブックに登録された。ハヤブサが国内外の2輪メーカー、各界に与えた影響は大きく、その後ハイスピードバトルがさらに加熱し、カワサキからはZZRシリーズと共に、300Km/hオーバーマシンとしてNinja ZX-12Rも発表されたが、2001年にヨーロッパ市場で、これ以上の最高速競争は危険と判断され速度規制の動きが起こり、その沈静化として2輪業界は2001年モデルより最高速を300Km/h未満に抑えるスピードリミッターの装備という自主規制を発表、以降発売されるすべての2輪車に規制を開始した。 1999年(初期)、2000年(第2期)モデルまでは中古車でも発売当時のコンセプトと性能で市場に出回っている。
自主規制の開始に伴い、もともと国内発売の無かったGSX1300Rは(国内に存在する車両はすべて逆輸入車、平行輸入車)最大の特徴であったハイスピードマシンとしての影は潜め、豊富なトルクでリッターマシンとしては元々乗りやすい性格だったため、現在ではスポーツツアラーとしての性格になっている。
それに伴ってか名称そのものがGSX1300R HayabusaだったものがHayabusa 1300と変更されている。もっとも、テールカウルのステッカーには現在でも旧名のステッカーが貼られている。
99年の発売以来、大きなモデルチェンジはうけておらず、カタログ馬力も軽量なGSX-R1000等に追い抜かれてしまっている。しかしながらその人気は2006年現在でも全く衰えていない。同時期のライバル、CBR1100XXやZX-12R(馬力ではハヤブサより上だった)が存在感が薄れてしまったのとは対照的である。 実際に自分が限界速度を出すことはなくとも、唯一の実測300km超えマシンであるというある種のライダーのロマンや、曲面を多用した、非常に存在感と個性が高い外見などがその要因であろう。新規登録台数も逆輸入スポーツバイクにおいてはいまだ上位であり、オートバイ雑誌「ヤングマシン」誌上の2005年の人気投票で、2年に一度のモデルチェンジを繰り返すリッタースーパースポーツをおしのけて総合一位にも選ばれた。
[編集] 名前の由来
- 発売前に1985年に発表したコンセプト車「ファルコラステコ」の名称を用いる予定であったが、他社(2輪メーカー以外)が勝手に商標登録をしてしまっていた為、急遽「ファルコ」の日本語訳である「隼」を選択した。
[編集] リコール
- 1999年及び2000年モデル チェーンテンショナー(アジャスター)交換。
- 対策済み車両は ステム付近にOKシールが貼ってある。
[編集] 関連項目
- フォーミュラ・スズキ隼 - 同車両のエンジンを流用した市販レーシングカー。