スタイル・カウンシル
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スタイル・カウンシル(The Style Council)(略称TSC)とは、イギリスのポップス/ソウルユニット。1983年結成、1990年解消。メンバーは流動的であったが、基本的にはリーダーであるポール・ウェラー(Paul Weller/メインボーカル、ギター)、ミック・タルボット(Mick Talbot/オルガン、シンセサイザー)を基本メンバーとし、加えてD.C.リー(D.C.Lee/コーラス、サイドボーカル)、スティーブ・ホワイト(Steve White、ドラム)の4人で構成されることが多かった。 "Style Council"(スタイル評議会)という名が示すように、単なるブルー・アイド・ソウルにとどまらず、ファンク/ボサノヴァ/ジャズ、果てはハウスまで、ありとあらゆる音楽を取り入れるという実験的な試みを見せ、4枚(未発表のものを含めれば5枚)のオリジナルアルバムを発表した。
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[編集] 足跡
[編集] ユニットの結成
イギリスのパンクバンド、ザ・ジャム(The Jam)のリーダーとして1977年にデビューしたポール・ウェラーは、その後の音楽的興味の変化から、バンドが絶頂にあった1982年に突如としてジャムを解散し、ミック・タルボットと共にスタイル・カウンシル(The Style Council)を結成。1983年にシングル「スピーク・ライク・ア・チャイルド(Speak Like A Child)」を発表。ジャム時代の方向性とのギャップから、多くのファンを驚かせた。
[編集] 躍進
その後シングルを何枚か発表した後、ミニアルバム「Introducing」を発表、そして1984年、ファーストアルバム「カフェ・ブリュ(Cafe Bleu)」を発表する。ジャズやソウルなど、様々な音楽がミックスされた洗練されたポップスは高評価を得ることになった。そして翌年、2ndアルバム「アワ・フェイバリット・ショップ(Our Favourite Shop)」が発表されると、スタイル・カウンシルのは評価はさらに高まった。特に日本においては、当時のバブルの世相にも乗って、「おしゃれな音楽」として認知され、本国イギリスよりも高い人気を誇ることになった。この時期出した「マイ・エヴァ・チェンジング・ムーズ(My Ever Changing Moods)」「シャウト・トゥ・ザ・トップ(Shout to the Top)」や「タンブリング・ダウン(Walls Come Tumbling Down)」などは名曲として知られる。特に「シャウト・トゥ・ザ・トップ」は『とくダネ!』のオープニング曲や自動車のCMソングに使われ有名。
[編集] 衰退
だが、イギリスでの人気はだんだんと下がり、ウェラーの音楽に対する情熱も薄れはじめたことが原因となって、3rdアルバム「コスト・オブ・ラヴィング(The Cost Of Loving)」(1987年発表)の評判は芳しくなく、セールス的にも不振に終わる。続く88年の4thアルバム「コンフェッションズ・オブ・ア・ポップ・グループ(Confessions Of A Pop Group、ポップ・グループの告白)」では評論家にも酷評され、駄作との評価を受けることになった。そして89年、スタイル・カウンシルは自然消滅することになる。(90年に一時再結成した。)その後ウェラーはソロでデビューし、再び高い評価を得ることになる。
[編集] 音楽性と再評価
非常に高い実験性を持ったユニットであり、ウェラーのロック/パンク的素養に加えて、ジャズ/ボサノヴァ/ファンク/フレンチポップス/アシッドジャズ/ハウス/ネオアコ/ソウル/R&B等々、ありとあらゆる音楽を取り入れ消化していった(3rdアルバムには、カーティス・メイフィールドも参加している)。そのため音楽的なアイデンティティーを保つことが難しく、後期は若干勢いが落ちたものの、その精神は後進のアーティストにも影響を与えた。特に日本では、フリッパーズ・ギター、佐野元春などが強い影響を受けた。1985年のブラスを大胆に導入した佐野の大ヒット曲「Young Bloods」は「Shout to the Top」や「Walls Come Tumbling Down」の影響を言われた。全体に洗練された80年代的「お洒落な」雰囲気が漂い、当時の日本では大学生のアイテムとしてもてはやされ、カフェバーでも盛んにBGMとして使われたが、歌詞やタイトルは「ホワイトハウスへ爆撃」「インターナショナリスト」など、強い政治的メッセージを帯びたものも多い。これはウェラーの反骨精神のあらわれであり、また一時期、ウェラーが左派政治思想に傾倒したためであるとされる。 ジャム時代やウェラーのソロ時代の音楽性と、スタイル・カウンシルのそれとが大きく異なっているため、、ポール・ウェラー全体のキャリアからすると異端とみなされることもあるが、近年は日本などでも再評価の動きがあり、駄作との烙印を受けた3rd,4thアルバムもある程度評価されている。 また、発表前に解散したためお蔵入りとなった幻のラストアルバム「モダニズム~ニュー・ディケイド(Modernism: A New Decade)」も2001年、日本限定で復刻発売された。現在ではベストアルバムの数も増えてきている。 TVやラジオなどでよく使われる曲もある(フジテレビの情報番組「とくダネ!」など)
[編集] ディスコグラフィー
[編集] オリジナル・アルバム
- カフェ・ブリュ - Cafe Bleu (1984.3)
- アワ・フェイバリット・ショップ - Our Favourite Shop(1985.6)
- コスト・オブ・ラヴィング - The Cost of Loving(1987.2)
- コンフェッション・オブ・ア・ポップ・グループ - Confesstions of A Pop Group(1988.6)
[編集] 企画盤
- イントロデューシング(ミニアルバム) - Introducing The Style Council(1983.9)
- ホーム・アンド・アブロード(ライブアルバム) - Home & Abroad(1986.5)
- イン・コンサート(ライブアルバム) - In Concert
- エクストラズ(未発表音源集) - Here's Some That Got Away(1993.6)
- シンギュラー・アドベンチャーズ(シングル集) - Singular Adventures of The Style Council(1989.3)
- モダニズム:ア・ニュー・ディケイド(未発表アルバム) - Modernism:A New Decade(2001)(日本のみ発売)
- コンプリート・アドベンチャー(Boxセット) - The Complete Adventures of The Style Council(1998)
[編集] ベストアルバム(日本発売盤)
- THE BEST 1200 スタイル・カウンシル
- ベスト・オブ・ザ・スタイル・カウンシル
- ザ・スタイル・カウンシル・グレイテスト・ヒッツ
- カフェ・ブルー Cafe Blue "The Style Council Cafe Best"
- コレクション The Style Council Collection
- ヘッドスタート・フォー・ハピネス Headstart For Happiness-The Style Council Collection
- ザ・サウンド・オブ・ザ・スタイル・カウンシル The Sound of The Style Council
[編集] 映像作品
- ライブ・イン・ロンドン’85 (LD)
- スタイル・カウンシル・ライブ・イン (LD)
- アワ・フェイバリット・ソングス (LD)
- エルサレム (LD)
- スタイル・カウンシル・ライブ・アット・フルハウス(LD)
- ザ・スタイル・カウンシル・オン・フィルム (DVD)
- グレイテスト・ビデオ・ヒッツ(DVD)
- ザ・スタイル・カウンシル~ユニバーサル・マスターズ・DVDコレクション (DVD)
[編集] 外部リンク
ポール・ウェラー公式サイト(英語)