スピネル
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スピネル(spinel) は、鉱物の一種。マグネシウムとアルミニウムの酸化物で、尖晶石ともいう。組成式はMgAl2O4。等軸晶系で八面体の結晶。モース硬度は8。比重は3.60。無色または半透明で、赤、青、緑、黄、褐などがあり、宝石として加工される。石灰岩、片麻岩、蛇紋岩、カンラン岩中に存在する。
産地としては、ミャンマー、スリランカが有名である。ミャンマー産のレッドスピネルのよい色のものは秀逸であるが、価格が非常に高い。それ以外にも、青、ラベンダー、ピンク、そしてそれらの中間色のものがよく産出される。青色のものはしばしば鉄分をふくみ、ややくすんだ青になる。が、それもまた面白いものがある。スリランカではレッドスピネルは少ないが、その代わりピンクのきれいなものが良くとれる(それ以外の色のものもある)。
それ以外の産地として有名なのは中央アジアのピンクスピネルであり、これは大変希少である。マダガスカルからも少量産出することも知られている。
特殊効果としてはキャッツアイ効果、カラーチェンジ、スター効果がある。すべてスリランカのものが有名である。ただし、キャッツアイにせよ、スター(4-rays、6-raysの両方がある)にせよ、ほとんどの石は地色がチョコレート色の地色なので、コレクターアイテム以上の使い道は期待できない。カラーチェンジについては、コバルトを含有したもののなかで、美しいブルーからピンクに鮮やかに変色するものがまれにある。ただ、これもコバルトスピネルが希少なものであり、この上、カラーチェンジがあるからといって価格があがるということはないと思われる。
長い間、ルビーとレッドスピネルは混同されていた。たとえば、イギリス王室の戴冠式用の王冠に飾られている「黒太子のルビー」はルビーではなく、レッドスピネルである。
石言葉は内面の充実・安全。
[編集] スピネル型結晶構造
スピネル型結晶構造をとる化合物には、電子材料として重要なものが多い。
- フェライト - AFe2O4, AはMn,Ni,Cu,Zn等
- NTCサーミスタ - Ni,Mn,Co,Feなどからなる複合酸化物
- マンガン酸リチウム - LiMn2O4, リチウムイオン二次電池の正極材料