タクティカルコマンダー
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タクティカルコマンダー(英語表記:TACTICAL COMMANDERS)は、韓国のゲーム会社NEXON及びKRU interactiveが開発したオンラインゲームである。戦略SLGに分類される。
日本ではネクソンジャパンが運営を担当し、2001年5月25日からClosedβテストが行なわれ2001年10月5日に製品版が発売された。しかし、参加人数減少による収益性の悪化で2005年8月31日にサービス終了となった。
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[編集] 概要
1000人以上のプレイヤーがゲームに接続でき、1つの戦場で最大50人が同時に参加する事ができる。プレイヤーは四国のうちどれか一国に所属し、指揮官として自らの部隊を指揮し、他の指揮官達(=プレイヤー)と協力して他国の部隊と戦う。部隊を編成するユニットにはそれぞれ長所と短所、得手不得手がある。
MMORPG的な要素も持っており、プレイヤーにはレベルとステータスの概念が存在し、所持するユニットにもそれぞれ個別にレベルが設定されている。また種類は少ないながらプレイヤー用のアバターも用意されており、仲間意識を高めるためレジメント(他のMMORPGで言うところのギルド)に所属する事も可能。
公開当初は当時オンラインゲームとしてはまだ珍しかったRTS(リアル・タイム・ステラテジー)の要素を持っており、各方面で好評価を得ていた。しかし正式サービス以降、ユーザー数は徐々に減少していった。原因については諸説有るが(宣伝不足、アップデートの遅さ、ユーザー同士の確執など)、はっきりとした事は不明である。 2004年中頃になってサービスは無料化され、一時的にユーザー数は増加したものの最盛期に迫るほどのものではなく、それもやがては減少の一途を辿っていく事となった。またユーザーサイドの一部掲示板では古参プレイヤーと新規プレイヤーとの間に深刻な確執が発生し、これはサービス終了直前まで長く尾を引く問題となっていた。
海外ではShattered Galaxyという名称で運営されており、日本での運営終了後は、英語の敷居の高さにもかかわらず多くのユーザーがShatterd Galaxy に移っていった。
[編集] ゲームシステム
[編集] レベル
ヒーローレベルとユニットレベルの大別される。まず戦闘を終えると勝敗に関係なく経験値が入り、それによって戦闘に参加したユニットはレベルアップしていく。ユニットのレベルが上がると今度はプレイヤーに経験値が入り、それによってプレイヤーはヒーローレベルを上げる事が出来る。プレイヤーにはそれぞれ四つの兵科レベルが存在し、使用するユニットによって上昇するレベルが異なるが、どのレベルが上がろうとプレイヤーの能力に何らかの差異が現れる事はなく、四つの兵科レベルの合計値がプレイヤーの真のレベルであると言える(ただしゲーム状のヒーローレベルの表記は最も高い兵科レベルのものとなっている)。兵科レベルが上昇するとステータス用のボーナスポイントが一点手に入り、それを四つのパラメータの何れかに振り分ける事が出来るようになる。パラメータは以下の四種類。
- TACTICS
- この数値を上げると同時に出撃できる(=操作できる)ユニット数が増加する。またユニットのHPにもボーナスがつくため、最も重要なステータスと言える。
- CLOUT
- この数値を上げると所持できるユニットの数が増加する。また自分よりCLOUTが10以上低いプレイヤーの所持ユニットを戦略マップ画面(後述)にて確認する事が出来る。
- EDUCATION
- この数値を上げるとユニットの技術レベルが向上し、より質の高い装備品を扱えるようになる。またユニットのアップグレードも容易になる。
- MECH APT
- この数値を上げるとユニットの最大載積量が増加し、より重い装備を搭載する事が出来るようになる。また僅かながら技術レベルにもボーナスがある。
[編集] 惑星
プレイヤーのレベル毎に三つの惑星が存在し、それぞれレベルが下の惑星から順にHecate、Morgana、Minervaとなっている。プレイヤーはまず惑星Hecateからスタートし、レベルを上げていく事により上位の惑星であるMorgana、Minervaへと籍を移す事が可能になる。そのため、ユーザー間では順に下位、中位、上位と呼ばれている。最上位惑星であるMinervaでは一定の条件を満たすと「帰還」が可能となり、レベルとステータスはリセットされるものの、それと引き替えに様々な特典を得た状態で、中位惑星Morganaから再スタートする事になる。
また、通常は行く事が出来ない惑星にNyx(通称彗星)というものがある。ここでは非常に強いエイリアンがマップ全域を支配しているが、これを排除し続ける事で経験値と資源が稼ぎ放題となる。戦争にて活躍し、国力を一定値まで高めた国だけがその恩恵に与る事が出来る、いわゆる戦勝国へのご褒美。
[編集] マップ
マップは、戦略マップと戦術マップに分けられ、双方共にリアルタイム制で進んでいく。戦略マップは、将棋盤のように一マスずつ区切られたいわゆる全体マップであり、パズル状に戦術マップが嵌め込まれている。この画面では敵味方の領土や現在戦争を行っている区域、戦術マップにいるプレイヤー数とその国籍などを確認することが出来る。戦術マップは、プレイヤーが実際に移動や戦闘などを行うマップである。同一戦術マップに違う国籍のプレイヤーが存在する時にそのマップに侵入すると、即座に該当マップにて戦争が開始される。戦争ではプレイヤーの指揮下にあるユニット6体~12体までを同時に操作し、攻撃側であれば敵拠点を制圧、守備側であれば自軍拠点を防衛する事が目的となる。この時敵領土に侵入したプレイヤー側の国が攻撃側となる。基本的にひっきりなしに領土が入れ替わるため、プレイヤー個々の技能が試される戦闘だけでなく、マップ全体を見据えた戦略眼も重要とされている。
[編集] ユニット
プレイヤーが指揮(操作)する事になるユニットは、INFANTRY(歩兵)、MOBILE(車輌)、AVIATION(飛行)、SPECIALIST(特殊)の四種類に大別される。それぞれ先頭のアルファベット三文字を取ってINF、AVI、MOB、SPEと略称されている。
- INFANTRY(歩兵)
- 主なユニットはヒューマノイド、ツインバルカンなど。その多くが多彩な武器を持つため汎用性が高く、MISCと呼ばれる特殊装備の種類も多いため、多目的に使える。ただし総合的な攻撃力はあまり高いとは言えず、機動力もそこそこ程度。どちらかと言えばサポート的な意味合いの方が強いユニット群である。
- AVIATION(飛行)
- 主なユニットはエクソリン、オリオンなど。航空ユニットであるため地形による移動の制限を全く受けず、全ユニット中最大の機動力を誇る。攻撃力も高いユニットが多く、専ら偵察や敵ドロップシップの撃破、ストール(劣勢時の時間稼ぎ)等が主任務となるが、絨毯爆撃や遠距離砲撃を行えるユニットもあり、その多様性はINFに次ぐ。AVIの数が戦局を左右するとまで言われるほどの、超重要なユニット群である。
- MOBILE(車輌)
- 主なユニットはライドバイク、ライトキャノンタンクなど。基本的にこのユニット群はどれも高い攻撃力を持つため、進軍の要となる。また序盤では遠距離砲撃を行えるユニットはこのカテゴリにしか存在しないため、その重要性は高い。
- SPECIALIST(特殊)
- 主なユニットはドロップシップ、レーダースクエードなど。攻撃力は全く持たないがそれぞれが地雷や回復などの特殊能力を持ったユニット群であり、特に上述した二つのユニットは足の遅いユニットの輸送・転送、レーダーによる広域スキャンといった極めて重要な能力を持っている。
[編集] 国家
国家は色別に4つに分かれており、惑星別に名称が異なる。国家の首都は、それぞれ「戦略マップ」の四隅に存在しており、その位置は固定ではなく2ヶ月毎に変更されている。
- Hecate(下位)
- オメガ(赤)
- カパ(紫)
- ガンマ(黄)
- セタ(緑)
- Morgana(中位)
- ミュラン(赤)
- クロム(紫)
- ゴグ(黄)
- タンタル(緑)
- Minerva(上位)
- ベイロン(赤)
- ジオク(紫)
- グロス(黄)
- タイタン(緑)
[編集] ローカルルール
これは公式サイトで制定された正規のルールではなく、ユーザー達が独自に作り上げたルール群である。このようなものが作られるようになったのは二つの要因があり、一つはゲームシステムの不備と、もう一つはユーザー数の減少である。つまり、ユーザー数に対して広すぎるマップでは大規模な戦争を楽しむ事が出来ず、各地で散発する少人数戦に終始してしまうという状況を打破するための、いわゆる苦肉の策であった。
このルールは主に戦争の方針を定めたものであり、大まかに分けると、二国間で戦略マップ半分の領域を使いつつ戦争を行う通常戦、二国間にて戦場を一カ所に限定して行う遭遇戦、四国が中央の戦術マップにて一斉に戦争するE4指定戦、従来通り戦略マップ全域を使って四国での戦争を行う乱戦の四つ。これらは当事国同士の外交役と呼ばれるプレイヤー同士の話し合われ、主にその時ログインしているプレイヤーの人数を考慮して決定される。
これら以外にも細かく分けると更に幾つか細かい戦争方法があり、またこういったユーザー主導のスタイルが更に増長され、後に戦争以外のことに関しても幾つかの決め事が作られた。これにはゲーム内にプレイヤーがある程度の地位と権力を確立できる、政治制度を模したシステムが存在する事も一つの原因となっており、この事は後々新規プレイヤーと古参プレイヤーとの間に大きな確執を生む遠因、或いは直接の原因となった。
特に無料化以後の新規プレイヤーの中にはこのローカルルールについて戸惑いを隠せない者も少なくなかった模様で、無料化後ユーザー数が一時的に増えた後、再び減少してしまったのはローカルルールのせいだ、と批判する者もいた。但しこれは無料化以後の一部プレイヤーがローカルルールを履き違えて推進してしまったためだ、という反論もなされており、真偽の程は不明である。
[編集] 問題点
無料化する前に大きく人数の減少した時期があった。 メンテナンス後に一部の人にキャラクターデータの消滅があり 種類もさまざまにユニットデータ、キャラクターステータス、勲章、人によってはIDそのものが消えた事もあった。
そこのとにネクソンジャパンは何ら告知・謝罪・復旧・保障が発表されることはなく、多くの人が去って人数減少に拍車をかけることになった。