タケカワユキヒデ
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タケカワ ユキヒデ(本名:武川 行秀、1952年10月22日 - )は、埼玉県浦和市(現・さいたま市浦和区)生まれのシンガーソングライター、ゴダイゴのメインボーカル、作家。
父は音楽大学教授、音楽評論家で、『「第九」のすべて』(芸術現代社)の著者としても知られる武川寛海。
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[編集] 略歴
埼玉県立浦和高等学校、東京外国語大学英米語学科卒業。1975年、日本人初の全編英詩(作詞は奈良橋陽子)のアルバム「走り去るロマン」でデビュー。翌1976年ゴダイゴを結成。「ガンダーラ」、「モンキー・マジック」、「銀河鉄道999」、「ビューティフル・ネーム」など数々のヒットを放ち、人々を魅了する。
1989年アルバム『I LOVE YOU』を発表し、ソロ活動を再開。1998年からはNHK天才てれびくんシリーズの音楽監督もしている。現在は音楽活動はもちろん、コメンテーター、文筆業など幅広い分野で活躍中。子煩悩としても知られ、5女1男の良き父親であり、1999年には故小渕恵三首相らとともにベストファーザー賞を受賞した。5女のうち2人は芸能界入りしていて、2人のユニットはT's COMPANYと呼ばれる。
[編集] 趣味
多彩な趣味人として知られる。旅行(国内、海外問わず)・アウトドア・写真・料理など幅広い趣味を持っており、テレビ番組で紹介されることも多い。
特に漫画好きは有名で、妻の実家がある山梨県某所に漫画専用の書庫を構え、『週刊少年サンデー』『週刊少年マガジン』『週刊少年ジャンプ』『週刊少年チャンピオン』の少年誌を中心に5000冊以上をストックしている。前述の四誌に加え『ビッグコミックスピリッツ』『コミックモーニング』『ビッグコミック』『ビッグコミックオリジナル』など、週に約7冊の漫画雑誌を読破しているという。
30年以上漫画雑誌を収集し続け、少年漫画・少女漫画を問わず造詣が深いことから、趣味の範疇を超えて漫画評論家としての側面も持っている。
[編集] ディスコグラフィ
[編集] ゴダイゴ時代
ゴダイゴの項を参照
[編集] ソロ
- 走り去るロマン
- いつもふたり
- アンクル・ジョン
- ハピネス(サントリービールCMソング。ソロ名義だが演奏はゴダイゴのメンバーが全員参加)
- あの頃
- ドキドキ・サマーガール(ソロ名義だが演奏はゴダイゴのメンバーが全員参加)
- 白い街角
- ROCK天国
- トゥナイト
- HAPPY BIRTHDAY
- I LOVE YOU
- 別れの予感…アリ
- やさしい風
- 夢中で君にプロポーズ
- マディソン郡のワルツ
- 僕たちの愛(ダイワハウスCMソング)
- ガンダーラ伝説
- おまえはとてもワンダフル
- I LOVE YOU 抱きしめて
- 失われた伝説(ゆめ)を求めて(アニメ機甲創世記モスピーダOP 作曲を担当)
- BE WITH YOU(アニメ「ぐるぐるタウンはなまるくん」エンディングテーマ)
- ハグしよう(映画「ドラえもん/おばあちゃんの思い出」主題歌)
- 気分は上々(花王リーゼCMソング)
- MOTHER TERESA/ねえマザーテレサ
- 永遠の親友 ~AND THOUGH YOU COULD HAVE ANYONE~(悠久幻想曲2nd Album SS版OP)
- 友達といるときは (悠久 THE BEST)
[編集] アルバム
- 『走り去るロマン』
- 『LYENA』
- 『白い街角』
- 『泥棒日記』
- 『DON'T TURN BACK』
- 『HELLO/GOOD NIGHT』
- 『I LOVE YOU』
- 『予感』
- 『ベストアルバム』
- 『ファンタジア』
- 『ガンダーラ伝説』
[編集] ゲーム音楽
[編集] 書籍
- タケカワユキヒデのもっと楽しもうよ!音楽
- ガンダーラ 新西遊記
- タケカワユキヒデのコンピュータミュージックだぞ
- サラダな家族
- 娘を持つ父親のための本
- 元総理探偵・霧島幸四郎の推理
- MORエッセイ タッタ君あらわる
[編集] 逸話
自身の生まれの町、さいたま市の市歌「希望(ゆめ)のまち」の製作も担当した。
小学生の頃は、突然曲が浮かぶといけないので、草野球をする時にまで五線譜を持っていく、変わった子供だった。
中学2年の時来日したビートルズに衝撃を受け、バンド活動を始める。当時ロックは大人たちから不良視されていたが、タケカワは何とかロックを認めてもらいたくて、こともあろうか教師たちの前で演奏する。ところが、意外なことに教師たちからは大喝采を受ける。これがさらにタケカワのミュージシャンへの志を決定づけた。
高校3年の夏に、友達と4人で鳥取砂丘で麻雀をした。
デビューしたときは未だ学生で、その後の曲のヒットなどにより多忙になり、一時は大学の卒業があやぶまれたが、学則で認められた8年の在学と3年の休学使いきり、タケカワは無事に卒業した。当時のエッセイで入学時に大学に問い合わせて11年の在学が可能であることを確認していたと明かしている。なお卒業式では総代を務め、芸能マスコミがこれを伝えた。
今ではある程度英語が得意だが、意外にもデビュー当時は苦手だった。ゴダイゴデビューの時プロデューサーのジョニー野村は、タケカワが韻を踏むことばかりを考え単語を並べて作った、意味がめちゃくちゃな歌詞を見て、爆笑したという。このため、それ以降のゴダイゴの歌詞のほとんどを奈良橋陽子が手がけることとなる。
1978年に放送開始されたテレビアニメ「キャプテン・フューチャー」のオープニングテーマ「夢の舟乗り」でヴォーカルを務めている。この歌の作曲は同作の劇伴も手がけた大野雄二で、純粋にヴォーカリストとしての参加。なおこの曲は番組開始からしばらくの間は「人造人間キカイダー」の主題歌等で知られるヒデ夕樹が歌うヴァージョンが使用されていたが、途中からタケカワの歌うものが使用される様になった。現在入手可能なサウンドトラック集「コロムビア・サウンド・アーカイブス キャプテンフューチャー オリジナル・サウント・トラック-完全盤-」には、両ヴァージョンともTVサイズとフルサイズの両方が収録されている。大野は予てからタケカワとの共演を熱望していたが、諸般の事情でなかなか実現は果たせず、本作はそんな大野の念願叶っての一作となったという。大野はゴダイゴのメンバーであるトミー・スナイダーも何度かボーカリストに起用しており、こちらは「ルパン三世」の挿入歌などが有名である。
1986年、「超新星フラッシュマン」の主題歌(オープニングテーマ「超新星フラッシュマン」/エンディングテーマ「ファイティングポーズ・フラッシュマン」)を作曲。歌唱者は北原拓だが、タケカワの長男は実際に歌を聴くまでタケカワが歌うものだと思い込んでいたという。
1992年1月にエニックス(現スクウェアエニックス)から発売されたスーパーファミコン用アクションRPG「ソウルブレイダー」の音楽を担当。国内で20万本、海外(北米+欧州)で9万5千本のセールスを記録したが、当時の家庭用ゲーム市場を事実上制覇してたゲーム機が勢いを増していた時期の発売だったため数多くのタイトルの中に埋もれてしまった感もありあまり知名度は高くない。しかしながらプレイした人間には、作品の世界観を補完し盛り上げる楽曲が高い評価を受けている。サウンドトラックはエニックスのゲームミュージックアルバムを多数発売していたバンダイ・ミュージックエンタテインメント(当時の社名は株式会社アポロン)からリリースされた。BGM20曲に加えてエンディング曲「恋人のいない夜」に歌詞を付け、タケカワ自ら歌ったヴォーカルヴァージョンも収録されている。
天才てれびくんシリーズでは、1993~1995年の間は音楽コーナー「ポコ・ア・ポコ」(上記)に出演、1994年にはエンディング・テーマ「がんばってダーリン!」を、1996年にはエンディング・テーマ「キミはステキさ!ベイビーメイビー」を書くなど、それまで音楽面に多大な貢献をしてきた。このため、1998年から始まった音楽コーナーミュージックてれびくんでは音楽監督を任されている。
日本のアーティストでは坂本九などに影響を受けている。