ダリネゴルスク
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ダリネゴルスク(Дальнегорск、Dalnegorsk)はロシアの極東部、沿海地方のポグラニーチヌイ地区に属する街。北緯44度54分、東経135度51分に位置し、日本海から30キロほどシホテアリニ山脈山中に入った場所にある。沿海地方東部の日本海側ではもっとも大きな街である。街の旧名称はテチューヘ(Те́тюхе、Tetyukhe、中国語表記では「野猪河」、ピンイン表記は
[編集] 概要
町の設立は1896年。人口は2003年時点で41,800人の鉱工業都市であり、1989年に市制施行された。ルドナヤ川(旧称テチューヘ川)が流れている。
沿海地方の最大都市ウラジオストクなどからの路線が就航する空港がある。ウラジオストクからは道路で517km。最寄の港は日本海に面したルドナヤプリスタニで35km離れている。最寄の駅は198km離れたチュグエフカ(シベリア鉄道から東のシホテアリニ山中へ分かれる支線の終着駅)。
[編集] 産業
市民の多くは「JSC Bor」と「JSC Dalpolimetal」という企業に雇用されている。「Bor」はこの地方の種類の豊富な鉱床から多くの原料を作り出す化学工場である。「Dalpolimetal」は1897年に操業を開始したロシアの鉛の58%を生産する企業で、ルドナヤプリスタニの港に大きな精錬所を所有している。いずれも生産量の4分の3ほどを日本はじめアジアやヨーロッパ諸国に輸出している。しかし一方では大気汚染など重金属による環境への影響も深刻である。
ダリネゴルスクは工業都市であるが、ポグラニーチヌイ地区の90%はチョウセンゴヨウ(またはチョウセンマツ)や広葉樹に覆われた多くの生物のすむ山林地帯であり、エコツーリズムの可能性を秘めている。またダリネゴルスク周辺から産出される水晶などの鉱物は、世界の多くの鉱物市場やミネラルショーなどで取引され広い層に珍重されている。
[編集] 豆知識
ダリネゴルスク近郊のイズヴェストコヴァヤ山(Mount Izvestkovaya、別名611高地)は、1986年に光の球が目撃され、UFOが墜落または着地したと称される「611高地UFO事件」の起こった場所である。