ティガー・ムービー プーさんの贈りもの
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ティガー・ムービー プーさんの贈りもの(オリジナル・タイトル:The Tigger Movie)は、『くまのプーさん』シリーズの長編映画として、日本語吹き替え版が2000年7月に劇場公開されたディズニーのアニメ映画である。プーさんシリーズの中でも、初めてトラのティガーを主人公に設定した作品。「プーさんの贈りもの」は日本語独自の副題で、英語にはない。上映時間は約77分。
ティガーのことを思っている、カンガルーの子供「ルー」がそれまでにない大活躍をする。オリジナルの『クマのプーさん』童話では、ティガー(トラー)は最も登場が遅く、カンガルーの家に住むことになっているので、最初からティガーとルーは“兄弟同然”の関係になっているが、ディズニー・アニメのプーさんシリーズではこの関係が初めて本格的に描写される。プーさんは初めて脇役に回るが、やはり親友のピグレットと一緒に行動している。普段からティガーのとびはねる癖を好まないラビットが、いくらか悪役の雰囲気を帯びている。(地リスのゴーファーはこの作品には登場しない。)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
「100エーカーの森」一番のお調子者、ティガーが“家族”を探しに出かける物語。開始部分でティガーとナレーターが会話し、ティガーが物語の表題“Winnie the Pooh”を壊して“The Tigger Movie”と変える場面から始まる。場面は晩秋に設定されている。ティガーの持ち歌「ワンダフル・シング・アバウト・ティガー」をラップ音楽調で歌いながら、プーさん、ピグレット、カンガの家へいつもの調子で飛び込んで行くが、皆は冬越しの準備に忙しい。誰も自分につきあってくれないことで、ティガーはがっかりする。普段は落ち込んでもすぐに立ち直るティガーだが…。作品全体を通して、ティガーが小さな友達であるカンガルーの子供、ルーの心遣いに気づかず、自分と対等な存在としての“家族”を探し続ける。「家族からの手紙」をはじめとして、森の仲間たちが考えたアイデアはことごとく裏目に出てしまい、最後は真冬の吹雪の中へティガーが出て行ってしまう。仲間たちは心配してティガーを探しに行き、ティガーの手から吹き飛んだ「家族からの手紙」がルーのところへ…。ティガーが大事に持っていたハート形のロケットは「大好きな弟」ルーに贈られる。
[編集] キャスト
[編集] 出演者
(以下は英語版オリジナル/日本語吹き替え版の順に記す。)
- ティガー:ジム・カミングス/玄田哲章 (英語版の初代ティガー、ポール・ウィンチェルが出演しない)
- プー:ジム・カミングス/八代駿 (英語版ではカミングスが、プーとティガーの2役を兼任)
- ピグレット:ジョン・フィードラー/小宮山清
- イーヨー:ピーター・カレン/石田太郎
- カンガ:キャス・スーシー/片岡富枝
- ルー:ニキータ・ホプキンス/小倉裕大
- ラビット:ケン・サンソム/龍田直樹
- オウル:アンドレ・ストイカ/上田敏也(台詞)、福沢良一(歌)
- クリストファー・ロビン:トム・アッテンボロー/進藤一宏
- ナレーター:ジョン・ハート/青森伸
[編集] 音楽
- 主題歌:Your Heart Will Lead You Home (ユア・ハート・ウィル・リード・ユー・ホーム)
- ケニー・ロギンスとシャーマン兄弟による作詞・作曲。「君の心が家へと導く」の意味。物語が終わってから歌われる。
- 作品中で歌われる曲(6曲)
- ワンダフル・シング・アバウト・ティガー(The Wonderful Thing About Tiggers) ティガーのいつもの持ち歌。ここではラップ音楽調で歌われる。
- サムワン・ライク・ミー(Someone Like Me) ティガーが“ひとりぼっち”とさみしがる歌。
- ウープ・ディー・ドゥー・パー(Whoop-de-Dooper Bounce) ティガーとルーの2人で歌う。
- ララビー(Pooh's Lullabee) プーさんの子守歌。
- 俺の家族(Round My Family Tree) ティガーがはしゃぎながら歌う。本作品最大のスペクタクルとも言える。
- ハウ・トゥ・ビー・ア・ティガー(How to Be a Tigger) ルーの提案で、森の仲間たちがそれぞれ“ティガーのようになる”方法を考える歌。
[編集] スタッフ
- 監督・脚本:ジュン・ファルケンシュタイン
- 製作:シェリル・アボット
- 原案:エディ・ガゼリアン
- 楽曲:リチャード・M・シャーマン&ロバート・B・シャーマン兄弟(『くまのプーさん 完全保存版』の3部作と同じ)
- 音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
- 美術監督:トビー・ブラス
- (日本語訳詞:片桐和子&佐藤恵子、字幕吹替翻訳:佐藤恵子)