トヨタ・ダイナ
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ダイナ(DYNA)はトヨタ自動車が製造する小型、普通トラックである。
[編集] 歴史
[編集] 前史
1956年5月、R型エンジンを搭載した、1~1.5トン積のトヨペット・トラックRK23型(後のスタウト)のシャーシを利用し、荷台の広いセミ・キャブオーバーとした、トヨペット・ルートトラックRK52型を発表。これがダイナのルーツとなる。
1957年1月、モデルチェンジでRK62型となる。
この新しいルートトラックは、曲面一枚ガラスの新しいデザインのキャブをまとい、さらにR型エンジンを48HPから55HPへパワーアップ、ライバル達の攻勢に対抗した。
簡素で実用一点張りのトヨエースに較べ、バタ臭く、高級感あふれるスタイリングは関東自工の協力によるもので、生産も関東自工が担当した。
1958年4月、2トン積みのRK70型を発表。R型エンジンは55HPから58HPになり、トランスミッションも2~4速がシンクロメッシュとなった。
同年7月、法改正により小型車の規格が変わったことにより、ホイールベースを2,530mmから小型の上限である2,750mmとしたRK75型を発表した。
1959年4月、国産車では初となる「ティルティング・キャブ(チルト・キャブ)」を採用したRK85型を発表、さら変速レバーをフロアからコラムシフトに変更し、3人乗りを実現した。
[編集] 初代 RK70~160系(1959-1963年)
1959年5月、ユーザーのなかで、ボンネット型とセミ・キャブオーバー型の二つのトヨペット・トラックの区別が分かりづらいとの声が増えてきた。
そのため、トヨタ自動車工業、トヨタ自販、トヨペット・トラック販売店の社員による愛称募集が行われ、応募総数3,013通の中から、ボンネット型は「スタウト」、セミ・キャブオーバー型は「ダイナ」と名づけられた。モデル途中での改名である。
[編集] 2代目 RK、JK170系(1963-1968年)
1963年3月モデルチェンジ。同時に「ライトバス」、RK170Bも登場する。
このクラス初となる4灯式ヘッドライトを採用。スタウトと共用だったフレームは専用のものに一新される。
1960年9月に登場した「いすゞ・エルフ」ディーゼルは爆発的なヒットとなり、ダイナは新車効果をもってしても、販売台数2位を保つのがやっとの状況となっていた。それに一矢報いるため、4気筒、OHV、2,336ccの過流室式ディーゼルエンジンのJ型を搭載したJK170型を1964年3月に追加、同年9月には再び首位を奪い返すことに成功した。
[編集] 3代目 RU1#、BU1#、JU10、HU15(1969-1977年)
1969年2月、ダイハツとの提携で、当時もっとも成功した例となった、U10系が登場。
以後、3回(1970・72・74年)マイナーチェンジを繰り返している。
「ダイハツ・デルタ」と共通化が図られる。デルタにはダイハツエンジン搭載車が設定された。
信頼性に難のあったJ型に代わり、ダイハツが設計の一部と生産を担当するB型をメインに据え、ディーゼル中心のラインナップとなり、好評を博した。B系列は最終的に4.1Lまで拡大され、直噴、ターボ、LPG仕様(1996~2002年)など、バリエーションを増やし、30年以上にわたり、トヨタの商用エンジンの屋台骨を支え続けた。
一時、より大きな排気量の4気筒ディーゼルエンジンの開発が停滞していたため、3トン積みなどの重量車には6気筒、OHV、3,600ccの過流室式H型ディーゼルエンジンを搭載した。長い6気筒をつんだためラジエター位置が大きく前進し、メンテナンスにも支障が出るため、苦肉の策として、フロントグリル中央に給水口のアクセスドアを設けることになった。
[編集] 4代目 RU2#、3# BU2#、3#、4#、5#
JU20 HU26、30、40、50 (1977年8月-1984年8月)
1977年8月フルモデルチェンジ。ダイハツ・デルタに加え、日野・レンジャー2として日野自動車向けにOEM 供給が開始される。
前後異径タイヤの「ジャストロー」が設定される。OEM先のダイハツ・デルタにも「ローデッキ」の名で設定。
1980年8月、エンジンの排出ガス規制対応改良と、ワイドキャブ車の追加が行われる。
2世代に渡って続いた6気筒モデルは終わりを告げる。
[編集] 5代目 200/300シリーズ YU6#、70 BU6#、7#、8#、9#
WU75、85、9# (1984年9月-1995年5月)
100シリーズ YY5#、61 LY5#、6# (1985年8月-1995年5月)
1984年9月、200/300シリーズ登場。
ディーゼルエンジンは従来のB、3B型ディーゼルに加え、直噴のレーザー11B、13B、13B-T、14B、14B-T型ディーゼルが追加され、主流となる。6気筒ディーゼルのH型は廃止され、後継には日野製の4.0L直噴、1W型が採用される。
また、ガソリンエンジンもR型からY型へ変更される。
1985年5月、ハイエースと共通化が図られた軽積載のダイナ100シリーズ(Y5#、6#)が追加される。
[編集] 6代目(1995年-1999年、KC-BU100/200系、KC-FB4J/5B系)
1995年5月登場。3t級のワイドキャブ車は日野レンジャーFB系のOEMとなる。
[編集] 7代目(1999年- U300/400系)
1999年登場。日野との共同開発車となり、日野・デュトロと共通となる。KK-規制対応。
2001年1t車フルモデルチェンジ。キャブは2t車と共通となる。
2002年マイナーチェンジ。
2003年ディーゼルとモーターで動くダイナハイブリッドが追加される。ちなみにトヨタと日野で共同開発された。
2006年9月マイナーチェンジ。ディーゼルエンジンは平成17年(新長期)排出ガス規制に対応したエンジンN04C-T系に一新される。
[編集] 販売店
[編集] 関連項目
- トヨタのエンジン型式一覧
- トヨタ・マッシーダイナ
[編集] 外部リンク
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