出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トヨタ・G型エンジンは、トヨタ自動車の直列6気筒エンジン。M型に代わる主力エンジンとなったが、M型のような排気量拡大は行われず、全て排気量1988ccで、内径×行程は75.0×75.0。型式は「1G」のみ。
初代クレスタが最初の搭載車種であり、その後クラウン、マークII、チェイサー、ソアラ、セリカXX、スープラ、アルテッツァ等にも搭載された。
[編集] バリエーション
[編集] 1G-E(U)
- 1988cc、2バルブSOHC EFI。
- M型に代わる新世代エンジンとして軽量・小型化を重視して開発されたが,M型に比べ耐久性に劣るという評も存在した。
- 後に1G-GEなどバリエーションモデルで採用されたエンジン制御方式を移植し1G-II型に進化する。
- 参考スペック:92kw(125ps)/5,400rpm 172Nm(17.5kgm)/4,400rpm(グロス値 クラウンGS110後期,GS120前期)
- 96kw(130ps)/5,400rpm 172Nm(17.5kgm)/4,400rpm(グロス値 マーク2・チェイサー・クレスタGX71 ソアラGZ10後期)
- 77kw(105ps)/5,200rpm 157Nm(16.0kgm)/4,000rpm(ネット値 ソアラGZ20前中期 クラウンGS120後期,GS130初期)
- 1988cc,4バルブDOHC EFI。トヨタでは初の4バルブ6気筒DOHC。(3M~6M型は2バルブ)
- 1Gに各部の強化を施し,ヤマハの協力を得て4バルブDOHC化。レッドゾーンは2000rpm近く引き上げられ7700rpmに設定。
- 高回転化の弊害で低速トルクがかなり落ち込んでしまい低回転域での非力さが目立った。
- 参考スペック:118kw(160ps)/6,400rpm 181Nm(18.5kgm)/5,200rpm(グロス値 マーク2,チェイサー,クレスタGX70前期 クラウンS120 ソアラGZ10)
- 103kw(140ps)/6,200rpm 162Nm(16.5kgm)/4,600rpm(ソアラGZ20 1986.1-1986.12 スープラA70 1986.2-1986.12)
- 103kw(140ps)/6,200rpm 173Nm(17.6kgm)/4,000rpm(マークⅡ,チェイサー,クレスタGX70後期 ソアラGZ20 1987.1-1988.12 スープラA70 1987.1-1988.8 クラウンS130 1987.9-1988.9)
- 参考スペック:110kw(150ps)/6,200rpm 182Nm(18.6kgm)/5,600rpm (マークⅡ,チェイサー,クレスタGX81 クラウンS130 1988.9-1990.8 ソアラGZ20 1989.1- A70スープラ1988.8-)
[編集] 1G-GTE(U)
- 市販車世界初のツインターボ車(GX71型GTツインターボ)1988cc,4バルブDOHC EFI(水冷インタークーラーターボ)。
- 日産の4バルブDOHC6気筒ターボRB20DETに対抗すべくツインターボを装着し大出力と好レスポンスの両立を計った。
- 後にハイオクガソリン対応,インタークーラー装着などのチューンが施されネット値で185PSから210PSにパワーアップ。
- 参考スペック:136kw(185ps)/6,200rpm 235Nm(24.0kgm)/3,200rpm(マークⅡ,チェイサー,クレスタGX71)
- 136kw(185ps)/6,200rpm 240Nm(24.5kgm)/3,200rpm(ソアラGZ20前期 スープラA70前期)
- 147kw(200ps)/6,200rpm 275Nm(28.0kgm)/3,400rpm(ソアラGZ20後期1988.1-1988.12)
- 154kw(210ps)/6,200rpm 275Nm(28.0kgm)/3,800rpm(マークⅡ,チェイサー,クレスタGX81 ソアラGZ20後期1989.1- スープラA70後期)
[編集] 1G-GZE
- 1998cc,4バルブDOHC EFIスーパーチャージャー。
- 1G-GTEUの設定のないクラウンや,マークII3兄弟の上級グレードなどセダンタイプの車種に設定。
- 1G-GEのトルクアップには貢献したが,パワーと燃費のバランスを崩す結果となった。
- 参考スペック:118kw(160ps)/6,000rpm 206Nm(21.0kgm)/4,000rpm(クラウン GS120 レギュラーガソリン)
- 125kw(170ps)/6,000rpm 226Nm(23.0kgm)/3,600rpm(マークII GX81 プレミアムガソリン)
[編集] 1G-FE
- 1998cc,ハイメカツインカム。2本あるカムシャフトの一方のみを駆動し,ギヤを用いて連結することで2本を動かす。
- 形式上は4バルブDOHCであるが,トヨタでは「TWIN CAM24」の表現は使わず「24VALVE」と表記される。
- BEAMS,VVT-iなどのエンジン技術を導入し現在もクラウンセダンなど現行車種に搭載されている。
- 参考スペック:99kw(135ps)/5,600rpm 177Nm(18.0kgm)/4,400rpm(クレスタ GX90)
- 103kw(140ps)/5,600rpm 181Nm(18.5kgm)/4,400rpm(マークⅡ,チェイサー,クレスタGX100前期 クラウンS150後期1997.7-1998.8)
- VVT-i仕様 118kw(160ps)/6,200rpm 200Nm(20.4kgm)/4,400rpm(マークII GX110)
[編集] 1G-GPE
- 1998cc,4バルブDOHC EFI LPG仕様。
- 参考スペック:70kw(95ps)/5,200rpm 143Nm(14.5kgm)/2,400rpm(クラウンセダン GXS12)
- 1995年12月~2001年2月 81kw(110ps),5,600rpm 152Nm(15.5kgm)/2,400rpm
[編集] 1G-GP
- 1998cc,4バルブDOHC LPG仕様。
- 参考スペック:81kw(110ps)/5600rpm 152Nm(15.5kgm)/2400rpm(S130クラウンタクシー)
[編集] 関連項目