ドラキュラ伝説II
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ジャンル | アクション |
対応機種 | ゲームボーイ |
開発元 | コナミ |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人 |
メディア | 1Mbカートリッジ |
発売日 | 日本:1991年8月12日 北米:1991年8月 欧州:1992年11月26日 |
『ドラキュラ伝説II』(ドラキュラでんせつツー)は、1991年8月12日にコナミから発売されたゲームボーイ用のアクションゲームである。『悪魔城ドラキュラ』シリーズの一作品であり、同じくゲームボーイで発売された『ドラキュラ伝説』の続編に当たる。
1998年2月19日に発売された『コナミGBコレクション VOL.3』にも収録されている。
目次 |
[編集] ストーリー
前作の『ドラキュラ伝説』から15年後の話となる。前作で倒したはずのドラキュラ伯爵は実はまだ生きていた(この描写は前作のエンディングでも見られる)。しかし、魔力をほとんど失い、人間の体を保てないほどにまで弱っていた伯爵は、クリストファー・ベルモンドの息子であるソレイユ・ベルモンドが15歳の成人の日を迎え、正式なヴァンパイアハンターとなるのを待っていた。伯爵は最後の魔力を使い、聖なる力を得たソレイユを操り魔王にしたてあげた。そして、その力を借りて自分の体を復活させようとしたのである。クリストファーはソレイユが操られていることを知り愕然としながらも、息子を救い伯爵を倒すために、ソレイユを守るように現れた4つの城の攻略に向かう。
[編集] 概要
悪魔城ドラキュラおよびドラキュラ伝説の項の、システムに関する説明も参照してください。
主人公であるクリストファー・ベルモンドを操作し、全部で7つあるステージをクリアする2Dアクションゲームである。最初の4つのステージは『ロックマン』のように好きな順番でクリアすることができる。ただし、クリアした順番によってゲーム内容が変化することはない。また、一度クリアしたステージをもう一度プレイすることはできない。4つのステージをクリアすると5つ目のステージに移動し、そこから先は順番にステージをクリアしていくことになる。
『ドラキュラ伝説』から引き継がれた、ファミコンの『悪魔城ドラキュラ』とのシステムの違いとして次のことが挙げられる。
- ムチを強化するアイテムが手に入る場所が決まっている。
- ムチが二段階成長すると、ムチの先から火の玉が前方に向けて直線軌道で発射されるようになる。
- 階段が存在しない代わりに、捕まって上り下りができるロープが設置されている。
しかし、十字架と聖水に限られるもののサブウェポンが使えるようになったほか、ステージ内にブロックを仕切る扉が設置され、より『悪魔城ドラキュラ』に近いゲームシステムとなっている。
また、前作では強化されたムチを持っているときにダメージを受けるとムチが一段階弱くなってしまうという仕様が存在したが、今作ではムチが弱くなるのはある敵(一種類のみ)の飛び道具に当たったときに限られるようになった。さらに、主人公の移動速度やジャンプ力も前作に比べて上がり操作性が良くなった。こうした仕様変更とサブウェポンが使えるようになったことのおかげで、前作よりもアクションの幅が広がったほか、プレイ中にストレスを感じることも少なくなった。
主人公の性能以外にも、プレイヤーの快適さを損なわないための様々な変更が行われた。ミスをしたときの復帰点(扉の直後)がステージ内に多数設けられているほか、ステージの中盤までたどり着いていればゲームオーバーになってもステージの中盤からやり直せるようになった。また、ゲームオーバー時に表示されるパスワードを入力することで、電源を切っても途中から再開できるようになった。他にも、A+↓でロープを高速で降りられるようになった。ロープに捕まっているときも攻撃ができるようになった。ギリギリで飛び移れるような足場を渡る場面が無くなった。トゲに触れても一撃で死なないようになった。前作で高速の飛び道具を放っていた敵の飛び道具が遅くなった。などの変更が行われている。
敵キャラクターには前作でも登場したものと、今作で初めて登場したものがいる。『悪魔城ドラキュラ』で登場した敵キャラクターは、前作同様ドラキュラ伯爵のみ(カラス、コウモリ、半魚人はいるが、姿や行動パターンが微妙に異なり、名前も違う)で、シリーズ恒例の死神も登場しない。音楽も、前作で使われた一部の曲を除き全て新しく作曲されたものになっている。
キャラクター、ステージ、ステージの背景がどれもゲームボーイの限界まで緻密に描かれているほか、音楽も『悪魔城ドラキュラ』らしく、やや明るさを抑えたリズムの良い曲が多い。また、仕掛けやボスキャラクターも多彩なものとなっている。『悪魔城ドラキュラ』シリーズのゲームはゲームボーイでは3作発売されているが、このゲームの評価が最も高い。逆に、他の2作はシリーズ中でも最悪のゲームとして評価されることが多い。
[編集] サブウェポン
どちらも特定のロウソクを叩くことによって出現する。
- クロス
- 十字架。直進し、敵を貫通しながら飛行し、ある程度の距離を進むと手前に戻ってくる武器。当たり判定が大きく、ソレイユ戦で非常に有効。
- 聖水
- 聖なる水が入った瓶。敵を貫通して落下し、接地すると燃え上がる武器。射程は短いが炎で連続でダメージを与えられる。また、特定の敵キャラクターを完全に倒したり、爆発させずに溶かして倒すことができる。暗闇になるステージでは、炎が出ている間だけ明るくすることもできる。
[編集] アイテム
- コイン
- 点数が700点増える。
- 水晶
- ムチが一段階強化される。一段階目の水晶は出現するロウソクが多いが、二段階目の水晶は出現するロウソクはあまりない。
- ハート
- ハートが1つ増える。
- ビッグハート
- ハートが5つ増える。
- 肉
- 体力の目盛りが5つ回復する。天井のブロック、床のブロックなどに隠されており、見つけづらい場所が多い。
- 1UP
- プレイヤー人数が1つ増える。肉と同じ方法で手に入れるが、肉以上に取るのは困難な場所が多い。
[編集] キャラクター
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
- クリストファー・ベルモンド
- 操られた息子ソレイユを救い出しドラキュラを倒すために、前作に引き続き主人公を務める。前作(15年前)で既に正当なヴァンパイアハンター(15歳のときになることができる)であったことから、今作では少なくとも30歳は過ぎていることになる。おそらく、『悪魔城ドラキュラ』シリーズで最高年齢の主人公(人間としては)である。
- ソレイユ・ベルモンド
- クリストファーの息子。15歳の成人の日を迎え、聖なる力を得たところをドラキュラ伯爵に操られてしまう。6つ目のステージのボスとして登場する。3本の短剣を自在に操り、ムチの威力は父親よりも高い。倒すためにはパターンの構築が不可欠となる。ちなみに、味方の立場の者が敵として立ちはだかるという展開をシリーズで初めて見せたのは彼である。一人称は「僕」。
- ドラキュラ伯爵
- 7つ目のステージのボスとして登場する。ソレイユの力が使えなくなった伯爵は、最初の4つのステージのボスの力を使うことで肉体の復活を果たす。瞬間移動をしながら魔力の玉を放ち攻撃を行う。倒すためにはパターンの構築が不可欠となる。
[編集] 敵キャラクター
- デスクロウ
- カラス。プレイヤーが近づくと飛び立ち、下向きに緩い放物線を描いて体当たりしようとしてくる。
- メタルゴースト
- アーマー。非常に鈍い動きで左右に動いているだけだが、耐久力が高い。
- ダークバット(小)
- コウモリ。天井に張り付き、プレイヤーが近づくと不規則な動きでこちらに向かってくる。2周目のみ、この敵の体当たりを受けてもムチがパワーダウンする。
- ダークバット(大)
- 大きなコウモリ。一度攻撃を当てると2匹のダークバット(小)に分裂する。
- フィッシュマン
- 半魚人。水から飛び出て炎弾を吐き、また水の中に戻っていく。
- ブナグチー
- キノコの化け物。骨柱の代役。本体は動くことはないが、壁や天井に当たると反射する胞子を画面上に2つまで出す。この胞子に当たるとムチがパワーダウンしてしまう。胞子の速度は前作よりも格段に遅いので楽になった。
- アブゾーバ
- 吸血花。天井に張り付いているが、プレイヤーが近づくと向かってくる。接触するとハートを20個も奪われる。
- グールマウス
- のみ男、グールラビットと同じような動きをする。カエルに見えるがネズミの化け物である。
- チータ
- スケルトン。ロープを上下しながらしつこく骨を投げてくる。
- マッドマン
- 天井から滴の形で落ちてきて、地面に落ちると人の形になる。特定の方法でないと完全に倒すことはできず、ムチで叩いても一定時間経過すると復活する。
- リザード
- 小さなレッサーデーモンのように見える。大きくジャンプしながらナイフを投げてくるので、非常に手強く思えるが、あるパターンで簡単に倒せる。
- ジャイアントスパイダー
- 天井から糸を引いて下に降りてくる。一番下まで降りてくるとプレイヤーに向かって小クモを飛ばす。この糸はロープと同じようにぶら下がることが出来る。この糸をつたっていかないと先に進めない場所もある。