ドーム
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ドームは、
ドーム (dome) とは半球形をした丸屋根のことである。構造としては、アーチを旋回した構造をしている。 球形をしていることから屋根の構造自体が自重を支えることができるため、屋根を支える支柱が不要である場合が多い。
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[編集] パンテオン
パンテオンは古代ローマのドーム建築である。当時の姿を残したまま現代に残っている唯一の建築物とされる。 直径43mの半球状のドームで、採光のために、円形をした開口部(オルクス)が半球上に開いている。 パンテオンは紀元前27年にアグリッパによって建てられたが、118年から128年にかけて皇帝ハドリアヌスによって再建され、現在のような姿となった。
[編集] ジオデシック・ドーム
ジオデシック・ドームはバックミンスター・フラーによって考案されたドームである。正三角形に組み合わせた構造材を多数並べることによってドーム構造を形成している。60個の炭素原子からなる分子、C60はジオデシック・ドームに良く似た構造をしているため、バックミンスター・フラーにちなみ、フラーレンと呼ばれている。
[編集] エア・ドーム
東京ドームの様に、屋内を陽圧にすることで空気圧により屋根の自重を支えているドーム建築であり、膜構造の一種である。東京ドームではドーム内外の気圧差は0.3%である。内部の空気を極力逃がさない様に、出入り口は回転ドアになっている。
[編集] 木質ドーム
集成材の登場により、近年では木質材料によるドームが建設されるようになった。 出雲ドーム(島根県)・大館樹海ドーム(秋田県)・木の花ドーム(宮崎県)・瀬戸大橋記念公園マリンドーム(香川県)などの例がある。
[編集] 天体観測ドーム
天体観測ドームは天文台の象徴である。その働きは、天体望遠鏡を格納し風雨日射から守り、全天を向く天体望遠鏡について360度方位を変える。望遠鏡の筒先方向にはスリットと呼ばれる細い隙間とその蓋を持つ。近年、高精度な天体観測の実現のためには、ドーム内外の温度差をなくす重要性が重視されてきた。昼間から夜間の外気温を予想して同じ温度になるように積極的な空調を施す場合もある。すばる望遠鏡のドームのように、地表付近の乱れた気流をドーム上方に流さないために茶筒型をした物も現れている。