ナイツオブザラウンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナイツオブザラウンド(Knights of The Round)は、カプコンが1992年1月に発売したアーケードゲーム。
その名のとおりアーサー王物語、特に円卓の騎士をモチーフにしたゲーム。3人同時プレイ可能。
ただし物語に倣っているのは世界観と登場キャラ程度で、展開そのものはカプコンお得意の痛快アクション。出てくる敵は全て皆殺しでOKと細かいことは気にしない仕様である。
目次 |
[編集] 概要
基本システムは同社の出したファイナルファイトを踏襲したベルトスクロールアクションゲームだが、特筆すべきは、進行方向と逆方向のレバー+攻撃ボタンで、ガードをすること。ガードは一定時間で解除されるが、その間に敵の攻撃を受けると、短時間無敵になる。防御中は、進行方向以外からは無防備になる上、移動ができない。そのため、敵に囲まれてる中では使えないが、敵の攻撃を巧みに読んで使えば、大いに攻略に役立つ。パンチはめ対策とともに、このゲームの最大の特徴といえるが、ほとんどの攻撃を防御できることが前提となっているため、基本難度がかなり高くなっている。1コインクリアは困難。とりわけボスは起き上がり攻撃や着地時メガクラッシュ(しかも範囲が広い)を当然のように使ってくる。
[編集] ストーリー
- 戦乱の嵐が吹き荒れるイングランド…
- 未来に王となるべき者しか引く抜くことができないといわれる聖剣エクスカリバーを青年アーサーが引き抜いた。
- そして魔術師マーリンはアーサーに語る。
- 「この戦乱の世を治めるには無限の力を持つと言われる聖杯の力を使うより他にない。聖剣を引き抜くことが出来る者なら聖杯を探し出すことが出来るであろう。」
- かくして、アーサー、ランスロット、パーシバルによる聖杯探索の旅(戦い)が始まった。
- エンディングではアーサーが聖杯を取り、イングランドの王となって平和な国を作ったという実に素直な終わり方をしている。
[編集] キャラクター
- プレイヤーキャラについて
- 所定の得点に達することで、RPGのように最大LV16までレベルアップする。攻撃力のみならず、容姿までかわるのが特徴。
- さらに体力が全回復するため、クリアする上で得点稼ぎは必須である。
- なお、獲得することでレベルアップするアイテムも存在する。
- アーサー
- 平均的な能力のキャラクタ。言うまでもないが主役である。
- 青年と紹介されてはいるが、どう若く見積もっても40代のオヤジにしか見えない。
- レベルアップにつれ、いかにも革鎧→鉄鎧→黄金の鎧+赤マントと、わかりやすい出世ぶりを見せてくれる。
- 当然ながら同社のゲーム魔界村のアーサーとは一切関係ない。
- ランスロット
- 金髪ロン毛の美形キャラで、すばやさ重視のキャラクタ。最も扱いやすい。
- レベルアップは布→銀→金の鎧で、肩が異様にごつくなる。
- パーシバル
- パワー重視のキャラクタ。最も扱いにくい玄人向けのキャラクター。
- ゲーム開始時のキャラ選択画面では髪の毛があるのだが、LV12を突破すると何故かスキンヘッドになってしまう。
- (販促用のポスターでもレベルアップ後のビジュアルで描かれている)
- もはやレベルアップという次元を突き抜けた別人化であり、ゲームをプレイした誰もが突っ込みを入れるポイントである。
- マーリン
- デモ画面・ゲーム開始時・エンディングで登場。
[編集] ステージ内容
- STAGE1 戦火の村 BOSS:SCORN(ザコ敵TALL MANとして、たびたび登場する)
- STAGE2 大乱戦 BOSS:BRAFORD(2面ボス最強説を裏付けるおそるべき強さ)
- STAGE3 城砦の攻防 BOSS:ARLON(LAST BOSSは若干グラフィックが変わっただけ)
- STAGE4 騎士祭 BOSS:PHANTOM(ザコ敵の色違い)
- STAGE5 遠征 BOSS:BALBARS
- STAGE6 異国の騎士 BOSS:MURAMASA(騎士じゃなくて武士。その上隕石を落とす場違いな奴)
- STAGE7 王城の決戦 BOSS1:IRON GOLEM(かなり珍しい固定型のボス) BOSS2:PHANTOM(分身はしない) LAST BOSS:GARIBALDI
[編集] 雑記
- このゲームでは敵・味方を含めたキャラクター・デモ画面、および販促媒体はすべて男ばかりである。女性が登場するのはSTAGE4の前半背景のみで、顔すら判別できないといった状態。カプコンの他のベルトスクロールアクションでは、少なくとも一人は顔を判別できる女性キャラがいるため、本作は同社のゲームの中でも最も硬派な(悪く言えばむさ苦しい)ゲームといえる。
- 伝承ではアーサー自身は聖杯を探しておらず、また15歳の若さで王に即位しているが、あくまでモチーフであり、あまり深く考えるのは野暮である。
[編集] コンシューマー移植
- スーパーファミコン:1994年6月10日発売
- 2人同時プレイ可能など移植自体は良好。
- プレイステーション・ポータブル(『カプコン クラシックス コレクション』内):2006年9月7日発売
- アーケード版をほぼ忠実に再現。