ハットトリック
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ハットトリック(Hat Trick)は、サッカーやホッケーなどで1人の選手が1試合に3得点、もしくはラグビーなどで3回得点することの通称。また、ダーツの競技において、ブルエリアに3本とも連続で指すことをいう。ただし、各競技ともルールにこの言葉の明示はない。
元々はクリケットで使われた用語で、連続して3人の打者をアウトにしたボーラー(投手)には、帽子が贈られその名誉が賛えられたことに因むものである。
[編集] サッカーにおける「ハットトリック」
サッカーのストライカーにとって、ハットトリックを決めることは実力を証明する勲章としての意味合いを持ち、全世界で定着している。ただし、プロリーグや国際試合ではハットトリックの達成は非常に難しく、目にする事はまれである。
なお、1試合に6得点することをダブルハットトリックという。こちらは、対戦相手がたとえ格下であったとしても、何らかの要因が発生しない限り達成は非常に困難である。
ハットトリック連続世界記録は、中山雅史が記録した4試合連続(1998年、Jリーグ)。
Jリーグにおいては、開幕戦で当時鹿島アントラーズのジーコが初ハットトリックを記録。以降年間11回ペース(J1リーグのみ、公式データより)でハットトリックが生まれている。ダブルハットトリックにいたっては、リーグ戦において達成者は出ていない(2005年12月10日、ヴァンフォーレ甲府のバレー選手が柏レイソルとのJ1・J2入れ替え戦第2戦でJリーグ初のダブルハットトリックを記録)。なお日本サッカーリーグ(JSL)時代には、1974年に日立の松永章が唯一のダブルハットトリック(対トヨタ自動車)をマークしている。この時は正ゴールキーパー、サブキーパーが試合中に二人とも怪我をして第3キーパーが出場した。
[編集] モータースポーツにおける「ハットトリック」
モータースポーツでは、1つのグランプリにおいてポールポジション獲得、決勝レースでのファステストラップ記録、優勝の3つを成し遂げることをハットトリックと呼ぶ場合がある。 これに加えて全周回で1位走行した場合には「グランドスラム」と呼ばれることがある。