ハッピープログレス

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ハッピープログレス
性別	牡
毛色	栗毛
品種	サラブレッド
生誕	1978年 4月15日
死没	2000年 4月8日
父	フリートウイング
母	シングルワン
生産	村上牧場
生国	日本（北海道三石町）
馬主	藤田晋
調教師	山本正司（栗東）
競走成績	27戦11勝
獲得賞金	2億9597万1000円
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ハッピープログレスは、1980年代に活躍した日本の競走馬である。

1984年にJRA は、それまでは軽視されていたと言って過言でない短距離の重賞を整備するという改革を実施した。従来はハンデ戦重賞だった安田記念を、この年から導入されたグレード制で最上位のGIに格付けして、そしてハンデ戦から定量戦に変更して賞金も大きくアップさせた。また同年にマイルチャンピオンシップがやはりGIレースとして新設され、安田記念と並ぶ短距離重賞の頂点に位置づけられた。ハッピープログレスは、GIに格付けされた初回の安田記念の優勝をするなど、1984年の春に短距離三冠馬となった。また第1回マイルチャンピオンシップではニホンピロウイナーと好勝負を繰り広げての２着となり、ニホンピロウイナーとともに近代短距離重賞改革元年の主役であった。

宿敵であったニホンピロウイナーは、自在性はあるものの基本的には逃げ馬であるのに対して、ハッピープログレスは典型的な追い込み馬で、そのタイプの違う両雄が繰り広げた名勝負が、短距離重賞路線重視という方向の競走体系改革が間違いではなかったと評価づけたと言っても過言ではないであろう。

引退後は種牡馬となった。2000年に死亡した。

※ 馬齢は全て旧表記（数え年）にて表記する。

[編集] 戦績

父母の血統からデビュー前時点で既に短中距離路線に適性があると考えられていて、デビュー当初から短中距離をメインにと想定されていた。1980年11月に京都競馬場の3歳新馬戦でデビューし新馬戦は勝てなかったものの、2戦目から3連勝した。

4歳になり皐月賞、ダービーへと駒を進めることもできたがあえて東上せず、関西の4歳短距離レースを中心に使われた。秋になって、神戸新聞杯、京都新聞杯と出走するが、やはりこの馬には距離の壁が大きいと判断された。

5歳、6歳でCBC賞や阪急杯などの短距離重賞を制したものの、まだ関西でそこそこ強い短距離馬という程度の評価だった。

ハッピープログレスが一躍全国区の競走馬として競馬ファンに知られるようになったのは1984年のことで、この馬が7歳になってからだった。7歳になって初めて関東に遠征するや、スプリンターズステークス、京王杯スプリングカップ、安田記念と3連勝して短距離三冠馬となった。この年こそ近代短距離重賞改革元年であり、安田記念がハンデ戦から定量GI戦になった初年度であった。この年の京王杯スプリングカップの出走馬は21頭、安田記念は22頭という多頭数競走であったが、レース序盤は後方に待機して最後の直線で先行する多くの馬を鮮やかにごぼう抜きして強さを見せ付け、7歳になってようやく本格化した遅咲きの名スプリンターとなった。その秋にはこの年に新設された第1回マイルチャンピオンシップで2着、そしてCBC賞では61キログラムの負担斤量を背負わされても1着となって、このCBC賞優勝を最後に現役を引退した。

全27戦のうち24戦までが京都競馬場、阪神競馬場、中京競馬場での出走で、それ以外の競馬場での出走が、スプリンターズステークス（中山競馬場）、京王杯スプリングカップ（東京競馬場）、安田記念（東京競馬場）という短距離三冠を成し遂げたその3戦のみであった。

[編集] ニホンピロウイナーとの対決

ニホンピロウイナーとの直接対決は次の通り、六回対決して一回しかハッピープログレスはニホンピロウイナーに先着できなかった。

1983年6月　阪急杯（阪神芝1400ｍ）

ハッピープログレス（6歳　56キロ）1着

ニホンピロウイナー（4歳　53キロ）9着

1983年12月　CBC賞（中京芝1200ｍ）

ニホンピロウイナー（4歳　56キロ）1着

ハッピープログレス（6歳　57キロ）2着

1984年2月　淀短距離ステークス（京都芝1200ｍ）

ニホンピロウイナー（5歳　58.5キロ）1着

ハッピープログレス（7歳　57.5キロ）2着

1984年2月　マイラーズカップ（阪神芝1600ｍ）

ニホンピロウイナー（5歳　57キロ）2着

ハッピープログレス（7歳　57キロ）4着

1984年10月　スワンステークス（京都芝1400ｍ）

ニホンピロウイナー（5歳　58キロ）1着

ハッピープログレス（7歳　58キロ）3着

1984年11月　マイルチャンピオンシップ（京都芝1600ｍ）

ニホンピロウイナー（5歳　58キロ）1着

ハッピープログレス（7歳　57キロ）2着

単に直接対決という観点だけでみれば、ハッピープログレスとニホンピロウイナーがライバル関係だったと言うには無理がある。ハッピープログレスが短距離三冠を達成したとは言っても、その時期はニホンピロウイナーが骨折休養中のため不在で、その隙に取った短距離三冠であるという事実もある。スワンステークスでは1着と3着とはいえ、走破タイムで見ると1秒5の差があり10馬身近い差であった。

このように両馬を比較すれば、ハッピープログレスのほうが格下という評価が下されるのはやむをえないところであろう。しかしマイルチャンピオンシップでの両馬の激闘は、ハッピープログレスも敗れてなお強しという評価を得るに充分なものであり、短距離三冠は決してフロックではないと証明してみせた好勝負だった。

[編集] 引退後

引退後は九州で種牡馬となった。その後、那須種馬場に繋養されていた。

2000年4月8日に、JRA主催の桜花賞開催記念イベントで観客に展示されるため阪神競馬場に来場して、展示が終わって馬房に戻るときに急性心不全で死亡した。

[編集] 血統表

ハッピープログレスの血統　フリートナスルーラ系（ナスルーラ系）
父 *フリートウイング Fleet Wing 1966　鹿毛	Fleet Nasrullah 1955 鹿毛	Nasrullah	Nearco
			Mumtaz Begum
		Happy Go Fleet	Count Fleet
			Draeh
	Akimbo 1956 栗毛	Pan	Atys
			Pretty Girl
		Posture	Spiral
			Imposture
母シングルワン 1974　鹿毛	*ヴィエナ Vienna 1957 栗毛	Aureole	Hyperion
			Angelola
		Turkish Blood	Turkhan
			Rusk
	レスリーカリム 1962　栗毛	*カリム	Nearco
			Skylarking
		ハツカゼ	タカクラヤマ
			マツカゼF-No.16