バルトの楽園
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『バルトの楽園』(ばるとのがくえん)は、2006年6月17日公開の日本の映画作品。
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[編集] 内容
第一次世界大戦中の徳島県鳴門市の板東俘虜収容所が舞台で収容所所長・松江豊寿の活躍や、俘虜となったドイツ兵と地元の住民の交流などを描いた作品。松江は被収容者に対し人道的な扱いに心がけ、被収容者による楽団が『交響曲第9番 歓喜の歌』を日本で初めて演奏した。
[編集] スタッフ
- 監督:出目昌伸
- 脚本:古田求
- 音楽:池辺晋一郎
[編集] キャスト
- 収容所の捕虜
- 徳島の人々
- 会津の人々
- 松江の父 - 三船史郎
- 幼少時の松江 - 佐藤勇輝
- 陸軍省関係
[編集] その他
- この映画は、歴史上の出来事を脚色した作品であり、以下のように事実と異なる点がある。
- ブルーノ・ガンツ演じる将官以下、名前のあるドイツ人捕虜は実在した人物をモチーフに設定された架空のキャラクターである。
- 会津藩が斗南に移封されたときの苦難を松江が回想する場面がある。実際には松江は、会津藩が会津への帰還を許された後に若松(現・会津若松市)で誕生しており、父親からその苦難を聞かされた経験はあるものの斗南では暮らしていない。
- 作品のクライマックスとなる「第九」の演奏は、実際にはドイツ降伏(1918年11月)に先立つ1918年6月1日に初演が行われている(ただし、その後も何度か演奏された)。
- 映画では板東が非常に特異な例の様に描かれているが、俘虜収容所が6ヵ所に整理統合された後には他の収容所でも待遇改善が行なわれ、オーケストラの編成や演劇・スポーツなどを通じた周辺の住民との交流が行なわれた記録が残っている。
- 撮影に当たっては、実際に収容所のあった鳴門市大麻町板東に当時の施設を再現したロケセットが建設された(位置は実際とは異なる)。撮影終了後の2006年3月から2年間の期間限定で一般公開されている。
- タイトルの「バルト」とはドイツ語で「ひげ」の意味。(松江やドイツ人捕虜の生やしていたひげをイメージしている)松江のひげにはアートネイチャーの技術が使われており、コラボCMとして紹介された。
- 小説家の中村彰彦は、著書である「二つの山河」と酷似していると週刊文春で語った。その後、「バルトの楽園」の小説版出版元である潮出版社と映画製作元である東映とシナノ企画に公開質問状を送付、2006年9月4日に当事者間で和解が成立した。和解の条件として金銭の支払いは無く、映画のDVD化の際に参考資料として「二つの山河」と中村の名前を記載し、また小説重版の際にも参考資料として記載する事となった。
- 市内の小学生によるガイドボランティア活動がBANDOロケ村で行われた。
[編集] 外部リンク
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