バンゲリングベイ
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『バンゲリングベイ』 (Raid on Bungeling Bay) は、もともとは米Brøderbund社が制作したシューティングゲーム。『ロードランナー』『チョップリフター』とともに、バンゲリング帝国三部作の一つである。
日本においては、ハドソンがファミリーコンピュータ向けに移植した作品で知られる。ソニー(HiTBiTブランド)から発売されたMSX版もある。
[編集] 概要
画面は、上方視点の8方向スクロールシューティングゲーム。自機のヘリコプター(ファミコン版では「AH‐16 シーアパッチ」)を操り、自軍の空母を防衛しながら、敵国「バンゲリング帝国」の戦略拠点を破壊するのが目的。
ファミコン版のオリジナルモードとして、2人対戦プレイが可能である。2人対戦プレイ時には、2P側は「バンゲリング帝国」を操作し、戦闘機やミサイルなどにより1P側を攻撃する。
説明書には、ファミコンのIIコントローラに内蔵されたマイクに「ハドソン!」と叫ぶことにより、戦闘機をスクランブルさせることができると書かれていた。実際には音さえ入力されれば言葉はなんでもOKであり、扇風機をマイクに当て風切音を連続発生させる、マイクをテレビのスピーカーに近づけてハウリングを発生させる、といった荒技も存在し、この荒技をゲーム開始から使うと直後に空母に敵が殺到、ヘリが発進する間もなく空母が沈められるほどであった。
[編集] 評価
自機の操作が左右で旋回、上下でスピード調整というラジコン的な特殊な方法であったことから、多くの人にとって非常に難解な操作性であった。
また、発売当時小学生など低年齢層が主流だったファミコン市場において、本作は当時としては高度な戦略を求められる、言わば大人向けのゲームシステムだったこともあり、それらに馴染めないユーザーからは「クソゲー」呼ばわりされることも多かった。
事実、発売数週間後には、中古屋で数百円で売られていた…という事もあったようである。しかし、テレビゲーム市場やユーザーの成熟とともに、その作品性が再評価されることも多くなった。
[編集] 『シムシティー』の原形
本作は『シムシティー』の作者であるウィル・ライト氏のデビュー作である。ライト氏は『バンゲリングベイ』の見下ろし視点を見ているうちに、純粋な都市シミュレーションをゲーム化する事を思いつき、シムシティを開発した。
実際、『バンゲリングベイ』の、敵の拠点破壊が敵の戦力に影響する見えない戦略性は、『シムシティー』の原形といえるものである。
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