バンド構造
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バンド構造(Band structure, Electronic band structure)は、結晶等の固体の中で波として振舞う電子(価電子)が取ることの出来るエネルギーEと波数kとの関係を示した曲線のことである。バンド理論を参照。
結晶中ではイオン殻による周期的な電場によって、電子のとり得るエネルギーは、いくつかの帯状(バンド状)の領域に限られる。この領域をエネルギーバンドと呼び、電子が取ることの出来ないエネルギー領域をエネルギーギャップと呼ぶ。エネルギーバンド中にどのように電子が入っているかによって、その固体の電気伝導性や光学的特性などが決まる。また、バンド構造はバンド曲線、E-k曲線(E-k分散)、バンド分散などと呼ばれることもある。
バンド構造は通常、縦軸がエネルギー、横軸が第一ブリュアンゾーンの適当に選んだいくつかの直線上のk点となっている(系の持つ対称性に依存する)。各k点上に電子の取り得る固有状態(バンド)があり、これらが繋がって曲線をなしている(繋がり方も重要)。バンド構造を見ることにより、バンドギャップが空いているかどうか(つまり対応する系が金属かそうでないか)、バンドの分散が強いか弱いかによる電子状態の違い(分散が弱いと、そのバンドの電子はより束縛された状態となっている。強いと逆)、異なる系同士のバンド構造を比較することにより、系の安定性(どちらがより安定か)などの議論が可能である(注:バンド構造だけでは判断できない場合もある)。
半導体(や絶縁体)においては、k空間を無視して、バンドギャップの周辺だけに注目した、より簡単な描写が良く用いられる。バンドギャップの項を参照。
電子のバンド構造と類似したものとして、フォノンによる分散曲線やフォトニックバンド構造などがある。尚、このような波数kと、対応するエネルギー固有値(固有エネルギー)εkとの関係を分散関係と言う。
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