ヒミズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒミズ | ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||
Urotrichus talpoides | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
Japanese shrew-mole |
ヒミズ(日不見、日見ず Urotrichus talpoides )は、モグラ目(食虫目)・モグラ科に分類される哺乳類。日本の固有種である。いわゆるモグラに比べると小型で、長い尾をもつ。
[編集] 特徴
モグラによく似ているが、土を掘り進むために使う前足が小さい。体をおおう毛は黒く、光沢がある。体に生える毛は高密度だが、尾には毛が少なく、ピンク色の皮膚が露出する。なお、尾骨はたがいに癒着し、1本の骨のようになっている。
日本の固有種で、本州、四国、九州とその周辺の島に広く分布する。森林の落ち葉の下に生息するが、モグラとは違い地下のごく浅いところで生活していて、自分で長大なトンネルを掘ることはない。夜になると地上を徘徊することもあるが、日光が照る所には出てこない。「日見ず」という和名もここに由来する。
食性は肉食性で、昆虫類、クモ、ムカデ、ミミズなどの小型土壌動物を捕食する。いっぽう、天敵はアナグマ、テン、イノシシ、トビ、フクロウ、モズなどである。ただし死んだヒミズは臭いが強く、死骸を食べる動物は少ないといわれる。
[編集] 近縁種
ヒメヒミズ Dymecodon pilirostris
- 本州、四国、九州に分布するが、生息域は標高の高い山地に限られる。これはヒミズと競合して生息域を追われ、ヒミズが生息しないような山地に追いやられたものと考えられている。