ビデオCD
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ビデオCD(VCD)は、CD-ROMに動画や音声などを記録し、対応機器で再生するための規格である。
ビデオCDの映像はVHS(ノーマルVHS)の3倍モードと同程度の画質と言われるが、VHSのアナログ形式とは違いデジタル形式で格納されているため、画像の劣化がVHSよりも圧倒的に少ない。特に、ジッターと呼ばれる映像の横揺れはほとんどなく、アナログビデオ特有の色むらなども少ない。プレーヤーとテレビをS端子やD端子などで接続すれば、スッキリとした映像が楽しめるという特徴があるが、ビットレートが低いため、映像によっては、ブロックノイズが多発する場合もある。 DVDが普及する過程で、より安価に製造できる点が香港などのアジア地域で重宝され「DVDより安くVHSより高品質なメディア」として普及した。手軽に製造できるため海賊版がハリウッド等から問題視される事もある。(DVDが普及した現在では、DVDの海賊版も多い。)
一般的なDVDプレーヤーはビデオCDの再生に対応しているものが多かったが、2000年代半ば以降は記録型DVDやMPEG-4フォーマットの普及などに押されて対応機器が減っている。特に、DVDレコーダーやBDレコーダーなど、録画機能付き機器でその傾向にある。
[編集] 規格
ビデオCDに収録される形式は標準化されている。映像の解像度はNTSCでは352×240ピクセル、PALでは352×288ピクセルとなっており、通常のテレビ画面と比較した場合、約4分の1の画素数である。(再生の際に少ない画素を演算処理で補完する事により、テレビ画面にはNTSCの場合、720×480ピクセル、PALでは720×576ピクセルで出力される。SECAMでも画素が補完される。)映像の圧縮形式はMPEG-1で、1秒当たり1150kbit(キロビット)、オーディオの圧縮形式はMPEG Layer 2 (MP2) で、1秒当たり224kbitが割り当てられている。
ビデオCDのビットレートはオーディオCDとほぼ等しい。そのため、容量が650MB(メガバイト)のコンパクトディスクにはオーディオCDと同じ長さである74分の映像が収録できる計算となる。通常のデータ書き込み(ISO 9660形式)に比べて約100MB余分に書き込めるため、CD-R全盛時代には重宝された。
Version 2.0では簡易メニュー機能(プレイバックコントロール)を持たせ、高精細な静止画の再生もできるようになっている。
[編集] 同様の形式
ビデオCDを改良し、映像をMPEG-2に対応させ、より圧縮率の高いものを使用可能にしたスーパービデオCD(SVCD)という形式も存在するほか、KVCDというものも存在する。これらは通常のビデオCDの録画時間を上回る120分以上もの映像をDVDに近い品質でCDに収録する技術であり、NTSC・PALいずれにも対応している。また、圧縮率を高めることによりビデオCDと同程度の画質で6時間以上の映像を収録することもできる。これらの形式はきちんと標準化はされていないものの、パソコンのCD-ROMドライブでの再生に対応しており、いくつかのDVDプレイヤーでの再生にも対応している。
そのほかにも中国だけに見られる形式としてDVCDやダブルビデオCDも存在する。