MPEG-2
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MPEG-2(えむぺぐつー、ISO/IEC 13818)は1995年7月にISO/IEC JTC 1のMoving Picture Experts Groupによって決められた標準規格。正式名称はGeneric coding of moving pictures and associated audio information
目次 |
[編集] 概要
ビデオ、オーディオの他、システム等についても規格化されている。様々なメディアでの利用を想定して、複数の解像度、圧縮率がある。復号化方式のみが決められており、符号化方式について規格化されているわけではない。よって規格に沿った結果が得られるのであれば符号化の手順はどのようにしてもよい。 基本的にMPEG-1との下位互換性は無い(MPEG-2の再生装置でMPEG-1の再生は出来るがその逆ではできない)。
なお、元々標準テレビ放送向けにMPEG-2、HDTV向けにMPEG-3が策定される予定であったが、基本技術が同じであったため、最終的にはMPEG-3がMPEG-2に吸収・統合されることが決定し、MPEG-3規格は欠番となっている。現在では標準テレビ級からHDTVに至るまでMPEG-2が幅広く利用されている。
[編集] ビデオ
ビデオ(ISO/IEC 13818-2)については、採用されている基本技術の大部分がMPEG-1ビデオと同等であるため、圧縮効率の側面ではMPEG-1とほとんど変わらない。 ただしネットワーク環境やHTTVなど動画性能の向上を受けて、以下の拡張が行われている。
- インタレースへの対応
- 同時にフィールド補完による動画圧縮を追加。
- 多重化への対応
- データ構造に拡張性が与えられている。具体的な多重化の実現については主にPart1:Systemの項などで定義されている。
- 色情報フォーマットの拡充
- MPEG1では4:2:2のみ対応だったが、MPEG2では4:4:4、4:2:2、4:2:0に対応。
- 圧縮効率の変更
- 約2Mbps以上において、圧縮率が最適になるように調整。(それ以下の場合ではMPEG1の方が圧縮効率が高くなる)
なお、MPEG-2ビデオはITU-TとISO/IECの合同規格であり、ITU-T勧告H.262としても標準化されている。
[編集] オーディオ
一般的にはMPEG-2オーディオと呼ばれるものが定義されており(ISO/IEC 13818-3)、MPEG-1オーディオと同様にLayer-1、layer-2、Layer-3と分けられて策定された。MPEG-1オーディオとの互換性が考慮されているBC(Backward Compatible)と、互換性を排除して高音質・高圧縮を達成したAAC(Advanced Audio Coding)がある。(MPEG-2 Audio Layer-3の正式名称がMPEG-2BCとなった。)
[編集] システム
システム(ISO/IEC 13818-1, ITU-T H.222.0)についても、DVD-Videoのような蓄積メディアでの使用に向いたプログラムストリーム(MPEG-2 PS)と、デジタル放送等の放送・通信に向いたトランスポートストリーム(MPEG-2 TS)が規定されている。詳細についてはMPEG-2システムの記事を参照されたい。
パソコン上で扱われる「MPEG-2ファイル」と呼ばれるものはプログラムストリームのデータが記録されているものであることが多く、拡張子として.m2pが使われることが多い。 これに対して、.mp2はMPEG Audio Layer 2の拡張子として使われることが一般的であり、MPEG-2システムのデータを指し示すものではない。
[編集] 利用例
MPEG-2は放送やHDTVなどを想定した規格であり、実際にもデジタル放送や記録メディアなど様々な用途に利用されている。
[編集] Blu-ray Disc
Blu-ray Discでは映像としてMPEG-2ビデオが使われている。
[編集] DVD-Video
DVD-Videoでは映像としてMPEG-2ビデオが使われると共に、プログラムストリームに準じた形式で音声などのデータが混合・記録されている。一方、日本国内では、音声としてはPCMやドルビーデジタル(AC-3)といったMPEG以外の規格・技術が使われているものがほぼ全てである。MPEGオーディオもDVD-Videoの規格としては認められているが、日本国内では必須ではなくオプション扱いである。MPEGオーディオを収録したものよりも、同じくオプション扱いではあるが低圧縮(=高音質と言われている)なdtsを収録したものを見かけることの方が多い。
[編集] 地上デジタル放送
地上デジタル放送では多重化伝送方式としてMPEG-2 TS、動画像符号化方式としてMPEG-2ビデオが採用されている。詳細については地上デジタルテレビジョン放送の記事を参照されたい。
[編集] その他の利用例
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
圧縮フォーマット |
動画ファイルフォーマット |
ISO/IEC: MPEG-1 | MPEG-2 | MPEG-4 | MPEG-4/AVC (H.264) | ITU-T: H.261 | H.262 | H.263 | H.264 SMPTE: VC-1 その他: VP7 | RealVideo | WMV | Indeo | MJPEG | Theora | Dirac | Flash Video | DivX |
音声ファイルフォーマット |
ISO/IEC MPEG: MPEG-1 Layer III (MP3) | MPEG-1 Layer II | AAC | HE-AAC ITU-T: G.711 | G.722 | G.722.1 | G.722.2 | G.723 | G.723.1 | G.726 | G.728 | G.729 | G.729a その他: WavPack | FLAC | TTA | Monkey's Audio | iLBC | RealAudio | WMA | SHN | Speex | Musepack | Vorbis | ATRAC | AC-3|Cwav |
画像ファイルフォーマット |
ISO/IEC/ITU-T: JPEG | JPEG 2000 | JPEG-LS | JBIG | JBIG2 その他: GIF | PNG | TIFF | PCX | TGA | BMP | HD Photo | ILBM |
マルチメディアコンテナフォーマット |
AU | AIFF | WAV | NUT | MXF | Matroska | Ogg | Ogg Media | MP4 | QuickTime | RealMedia | AVI | ASF | 3GP |