ビールジョッキ
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ビールジョッキは、ビール飲用に特化したジョッキ。厚手のガラス製が一般的だが、陶器や木製のものなども親しまれている。写真にあるような陶製、蓋付きのものはドイツではシュタイン(石)と呼ばれる。
その中でも生中 (なまちゅう) は生ビールを中サイズのジョッキで飲むことを指し、居酒屋などで最も一般的な飲み方である。中生 (ちゅうなま) とも言う。小サイズは生小(小生)、大サイズは生大(大生)である。
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[編集] 概要
日本のラガー・ビールは、世界的にも味わいがあり、なおかつ喉越しが良い事で知られている。その日本のラガービールを飲む上で、ジョッキに注いで盛大に飲む事は、一般的なビールを飲む日本人が好む飲み方である。ジョッキは主に円筒形をしており、側面には大きな取っ手がついていている。これを片手ないし両手で持って、大いに飲み交わすのである。
酒量の多い人ではこれの中ジョッキを、2~3杯は立て続けに飲む事も珍しくは無い。中には家庭でビンや缶からわざわざジョッキに注いで飲む人もあるくらいだ。
- 英国で好まれるジョッキは1パイントの物と、その半分の物であるが、日本のラガービールより濃くて風味の強いラガーや、更に味の濃いビター、濃厚な風味が楽しめる黒ビールであるため、日本の「喉越し良く飲めるラガー」との事情の違いもみられる。英国では、パブでジョッキに注いだビールを片手にちびりちびりと飲みながら、談笑することが好まれる傾向もある。なお英国では日本と違い、泡や香りを楽しむために、ビールを極端に冷やしたりはしない。
日本では夏に、良く冷えた生のラガービールを、このビールジョッキになみなみと注いで、これを飲み干す事で涼を取る習慣も見られ、エアコンの普及する以前の1970年代頃までは、仕事帰りに屋上ビアホールなどでビール片手に涼を取る人もしばしば見られた。
[編集] 扱い方など
最も一般的なガラス製ビールジョッキの場合、まずはジョッキを綺麗に洗浄し、布で拭いたりせずに自然乾燥させる。完全に水が切れたらこれを冷蔵庫に入れ、冷やす。厚手のジョッキは冷やすことで常温に置いても温まりにくくなり、ひいてはビールもぬるくなりにくくなるからである。
厚手の飲み口は味覚にも影響し、薄手のコップでは味わえない爽快な味となる。逆にワインのように繊細に味わいたい場合には薄手のグラスが好まれる。
[編集] ジョッキの容量
ビールジョッキは大きさの規定がない。小ジョッキは 200~300ml 程度、中ジョッキは 350~500ml 程度、大ジョッキは 700~1000ml 程度が一般的である。
ワイングラスと違い厚手のグラスが好まれ、一般的なユーザーが口を半開きにした(唇の力を抜いた)時の厚さが好まれる傾向にある。
[編集] 関連項目
- これらは特に喉越しが軽いため、ビールジョッキで盛大に飲まれる傾向にある。