コップ
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コップ
- (オランダ語:Kop)(飲むための)液体を入れる小さな容器。(~一杯の水)。カップ(英語:cup)。当稿で詳述する。
- コップ座(Crater)杯の形を象った星座。日本では、台風のアジア名としてESCAP’/WMO台風委員会に提出されるほど一般的な日本語語彙。
- (米俗:Cop)警官。「ビバリーヒルズ・コップ」、「ロボコップ」など。
コップ(オランダ語:Kop、ポルトガル語:copo)は、紙、プラスチック、ガラスなどでできた取っ手のついていない小さな容器。また飲用に用いる容器を総称してコップとする場合がある。
ただし、陶器製の取っ手のついた容器はカップ(マグカップ、コーヒーカップ)を用い、ガラス製の容器としては、素材に着目した呼称であるグラスを用いるなど、総称としては少しずつ重複しあう言葉がある。形状を表す、ワイングラスやタンブラー、ゴブレットなど特定の用途に用いられる容器を表すときは、明確に区別される。
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[編集] 用途
一般にコップは、取ってなどがなく非常にシンプルな形状のため、汎用的に飲み物、特に水を飲む場合に利用される。これは、紙やガラスなどの素材と、薄くシンプルな形状が、熱い飲み物を飲むことに向いてないためであり、お茶やコーヒーなどのホットドリンクを飲む場合には、普通、専用の茶碗(湯飲み)やコーヒーカップを用いることが多い。 また、飲み物を飲むための大型の容器は、内容物が増えるのにともない、重量が増すため、取っ手のついたものが一般的である。それらのより複雑な形状の容器は、より狭義のコップと区別した場合、ジョッキなどと呼ばれ、生ビールを飲む場合によく使われる。
コップは、調理の際の液体の計量にも用いられる。「コップ1杯」と書かれている場合、日本においては180ミリリットル(=約1合)か200ミリリットルを指していることが多い。他に100mL、125mL、150mLとする場合もある。
[編集] 日本におけるコップ
歴史的に、コップが日本に伝わったのは、江戸時代で、ギヤマンやビードロなどのガラス製品とともに伝わったため、英語を語源とするカップではなく、ポルトガル/スペイン語を語源とするコップと表現される。古くから日本に伝わっていたため、江戸時代を経て、外国との交流のあった長崎などを中心に各地の工芸品に見ることができる。
[編集] 原料による分類
[編集] 陶製
最も一般的なコップで多くの場合ガラスでできている。決して廉価ではないが耐久性があるので何回も繰り返し使用される。普通コップというとこのコップのことである。
[編集] 紙製
紙で出来たコップは特に紙コップといい、廉価で作ることができるが耐久性が少ないので多くの場合使いきりであり、ファストフードなどでテイクアウトできる容器としてもよく使われている。
[編集] プラスチック製
紙製のものと同じ廉価で作ることができるが耐久性が少ないという性質を持っておりそれとほぼ同じ役割を持っている。紙製やプラスチック製などのコップは20世紀に入ってから作られたもので、その歴史は比較的浅い。また、飲用以外にも、尿検査などに用いられる。割れにくいので子供用として売られているものがよくある。
[編集] ステンレス製
煮沸消毒が可能であり、衝撃を受けても破片に分かれないことから、歯科などの医療用に用いられてきた。2層構造を取り、内部を空洞にすることで保温効果を増し、熱い飲み物には適さないというコップの欠点をカバーした製品もある。
[編集] 食器以外の用途
コップは身近な容器であるため、子供向けの即席実験などに用いられることが多い。例えば、複数のガラスコップ(またはグラス)と水を用いた楽器製作は大人が試みても興味深い。コップに入れる水量を調整することで音程を合わせた後、細い木の棒で軽く叩くと即席の楽器として利用できる。このとき、コップの肉厚が薄いほど良い音がする。さらに、コップのふちを指でこするように動かすと、叩いたときとは違う音色が響く。
紙コップは糸電話の製作に欠かせない。コップの底が太鼓の皮のように振動することで、音波を効率よく糸の振動に変換できるからである。
コップは大気圧の存在を示す実験にも使われている。ガラス製のコップに水を満たし、はがきを載せ、そのまま逆さまにする。水はこぼれない。結果の意外性もあり、デモとして適している。大気圧が下方向だけでなく、あらゆる方向に対してかかっていることを示す実験としても優れている。