ピアノ協奏曲第1番 (チャイコフスキー)
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ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23(ぴあのきょうそうきょく だいいちばん へんろたんちょう さくひんにじゅうさん)はピョートル・チャイコフスキーが作曲したピアノ協奏曲のひとつである。
- 1875年作曲。
- 1875年ボストンにて初演。
- 献呈はハンス・フォン・ビューロー。
作曲当初、チャイコフスキーがこの曲を完成させ、ニコライ・ルビンシテインに見せたところ、激しく非難されてしまったが、その後のボストンでの初演では大成功だった。
当初、ルビンシテインへの献呈も考えていたと言われるが、非難をうけた後、セルゲイ・タネーエフへの献呈として作曲を進め、オーケストレーションが完成した後、ビューローへの献呈を記したという。初演の後、各地でこの曲が成功を収めると、ルビンシテインは指揮やピアノ演奏を行うようになった。
[編集] 曲の構成
- 第一楽章 Allegro non troppo e molto maestoso - Allegro con spirito
- 第二楽章 Andantino semplice - Prestissimo - Quasi Andante
- 第三楽章 Allegro con fuoco
第一楽章には長い序奏がある。この序奏は非常に有名で、誰もがどこかで聞いたことがあるものである。基本的には協奏曲のスタイルに則っているこの曲であるが、壮大で特徴のあるこの序奏の主題が、残りの部分で二度と現れないという点で珍しい協奏曲である。しかし、その第一楽章の序奏主題のテンポが第三楽章のコーダ直前の第二主題の再現と(ほぼ)一致する為、演奏家及び聴衆は未曾有の達成感が得られる。
第二次世界大戦後のアメリカ合衆国では、この作品の演奏頻度が急増したと伝えられるが、その要因としてはトスカニーニとホロヴィッツが共演した名盤や、第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したヴァン・クライバーンの存在が挙げられる。クライバーンの優勝は、当時冷戦で対立していたソ連でのアメリカ人の快挙として、凱旋帰国した際にはクラシックの音楽家としては空前の大フィーバーが起こった。