ピュトン
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ピュトン(ピュートーン Πύθων)とは、ギリシア神話に登場する、巨大な蛇の姿をした魔神。
ガイアの子で、その神託所デルポイを守る番人でもあった。のちにアポロンによって倒され、以後デルポイはアポロンの神託所となった。これに関しては、以下のような説話がある。
ピュトンは、自分がレトの子によって死ぬという予言を受けた。そこで彼は、アポロンとアルテミスを身籠もっていたレトを世界の果てまで追い回し、彼女を亡き者にしようとした。
しかしレトはゼウスやポセイドンらの助けによって無事出産。アポロンは生まれて三日目で弓矢を執り、母の恨みを晴らしたのだという。
しかしアポロンはピュトンの遺体を手厚く扱い、デルポイのアポロン神殿の聖石オンパロス(Ομφαλός)の下に葬った。 オンパロスとは「へそ」の意で、同地が世界の中心たることを示すという。
また、ピュトンのために葬礼競技大会ピュティア祭(Πύθια)の開催を定め、新たに開いた自分の神託所の巫女にもピュティア(Πυθία)を名乗らせた。
なお、ニシキヘビを意味するパイソン (python)は、ピュトンの名に由来する。